2007年12月10日 昇仙峡鳴動1円事件
昇仙峡の現地調査を行ったところ、3年前に発見した「岩の割れ目に1円玉を差し込む」というくだらない事がまだ続いていた。
その数は3年前よりもはるかに多く、場所もかなり高いところまで差し込んであるのだ。
甲府市の職員に「せっかくの景観が台無しだし、亀裂拡大による岩盤崩壊を招くのでとったほうがいいよ」と言ってしまうのは簡単だが、もし何かの法的拘束がかかっていると職員がかわいそうなので、取ってしまう事は出来るかどうか、そしてその後の処置はどうなるのか知りたくて甲府警察署に相談に行った。

結果は、個人が所有権を放棄したものであるから拾得物にはなりえない、しかし管理者の山梨県がこの事が原因の亀裂拡大による岩盤崩壊を招くなどの理由で事件として被疑者不詳で訴えた場合は証拠物件になるので触ってはいけないという判断であった。
そして自然公園担当のみどり自然課を紹介し、そこで確認を取ってほしいという事であった。
みどり自然課では、文化財保護法に該当するといけないという事で教育庁学術文化財課に連絡して頂き、同席して今後について相談した。
結局みどり自然課、学術文化財課、土木部が共同で現地調査すると言う事になりその日は終了した。

後日県の関係を調査して頂いた結果、自然公園法、文化財保護法などを持ち出すと大変厄介になってしまう事があらためて解り、所有者としての立場から県有林課と管理者としての立場から甲府市役所道路河川維持課が協議して、撤去する方向で話が付いた。
その後の調査ではこの1円玉、遊歩道に落ちるほどたまると地元の昇仙峡観光協会の方々が取り除いてくれているそうだ。シーズンでは月2回ほどになるという。
また、この遊歩道については金桜神社の参道と言う位置づけがあるので、撤去するについては甲府市として神社と相談するという方向性を示しながら今後対応してゆくという事になった。
大山鳴動ネズミ1匹ならぬ昇仙峡鳴動1円事件の終焉はあっけないものであった。
教育庁学術文化財課によると、この手の話は最近有名になった富士山2合目の神社の鳥居にある亀裂へやはりコインを挟むのが流行りらしい。また県外では出雲神社の大しめ縄に下からコインを投げて刺さると良いことがあると言われているらしくこれも困っているとの事。やはり有名なのは「トレビの泉」ではないかな。
それならばいっそのことちょっと広めの池を造り、真ん中に祠を祭り事前に投げ銭をしておくのは如何かと、ある神社の宮司さんに提言したら見事に一笑に付されてしまった。
当然だろうな。
メールマガジン『野中一二の人は石垣、人は城』 平成19年12月10日・第180号所収