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新庁舎建設に関する調査特別委員会

2008年11月27日の資料

今回の委員会への報告では「事業手法」は設計施工分離発注方式(従来方式)とすることが了承されました。この提案に至る過程では「VFMの算定及び民間事業者ヒアリング」が実施されました。以下は配布資料です。

1.事業手法の整理
今回の事業においては、財源の想定における合併特例債の割合が高いこと等から、基本構想で示した手法の他にDBO方式の可能性も考えられるため、以下の事業手法について検討した。なお、CM方式については、発注・契約方法の考え方としては従来方式に含まれると考えられる。

各種事業方式
VFMのイメージ
VFMのイメージ

2.VFMとは
事業手法を検討する際の一つの判断指標として、従来方式(設計・施工分離発注方式)で実施した場合のライフサイクルにわたる総事業費と、PFI方式で実施した場合のライフサイクルにわたる総事業費の比較であるVFM(Value for Money)が用いられる。
VFMは、従来型方式における事業期間全体を通した公的財政負担の見込額の現在価値「PSC」(Public Sector Comparator)に対する、PFI方式で実施する場合の事業期間全体を通した公的財政負担の見込額の現在価値「PFILCC」(PFI-LCC:PFI-Life Cycle Cost )の削減割合で示される。

LCC(ライフサイクルコスト): 事業において、計画から、施設の設計、建設、維持管理、運営、修繕、事業終了までの事業全体にわたり必要なコストのこと。なお、ここでは比較のため事業期間は基本設計着手の平成21年から地方債償還完了の平成45年までとする。また、本事業においては国からの補助金や市税収入があることから、これらは市の収入として扱い、事業期間中の総費用から総収入を引いたものをライフサイクルコストと設定する。

 
事業スケジュール

3.VFM算定の前提条件
 3.1. 事業スケジュール
従来型、PFI型のスケジュールは以下のとおり設定した。
従来型では供用開始を平成25年5月を想定しているため、VFM算定においてはPFI型でも同時期に供用開始と設定し、各業務スケジュールを設定した。
よって、PFI型の事業契約締結時期は平成21年12月と設定している。
PFI事業における維持管理期間は年度末で契約完了とすることが望ましいため、平成40年3月までの14年10ヶ月とした。

施設整備スケジュール
基本ケースにおけるVFM算定結果
国土交通省の費用便益分析マニュアルにもとづき4.0%と設定

4.VFM算定結果
 4.1. 算定の条件
VFM算定におけるその他の各種条件は以下のとおり設定する。
割引率 : 4.0%(国交省費用便益分析マニュアルによる)
インフレ率 : 0.0%(過去の消費者物価指数等の動向による)
PFI削減率 : 10.0%(先行案件等による)
地方債利率 : 1.623%(直近の調達金利)
民間借入利率 : 3.127%(直近の市中金利に利ざやを加えたもの)

※ 割引率:将来の価値を現時点の価値に換算する率のこと。例えば現在の1万円は10年後の1万円とは価値が異なる(10年後の1万円のほうが価値が低い)ことから、発生の時期の異なる支出や収入を比較するため、将来の支出や収入を現在の価値に換算した現在価値という概念を用いる。この将来の価値を現在価値に換算するための利率が割引率なる。一般的に長期国債利回りの過去の平均や長期見通し等が用いられる。

※ PFI削減率:PFI方式において期待される費用削減度合いのこと。PFI方式においては、設計・施工一括発注方式、性能発注、長期一括契約等により民間事業者の創意工夫が発揮され、設計・建設費、維持管理費について一定のコストダウンが期待される。VFM算定においてはこの費用削減度合いをPFI削減率として設定し試算を行う。

 4.2. 基本ケース
庁舎建設における削減率は、民間事業者のヒアリングにおいて、5%から10%程度が妥当とされたことから、ここでは、10%、8%、5%の3パターンを設定し、それぞれVFMの算定を行った。
VFM算定結果は以下(図)のとおりである。

削減率を10%とした場合はVFMは割引後で9.5%となり、PFIで実施することにより財政支出の削減が期待される。
削減率を5%とした場合はVFMが大きく低下し、割引前においてはPFI型で実施したほうが財政支出が大きくなる。

文部科学省における設定値
文部科学省における設定値

 4.3. 割引率に関する感度分析
VFMの算定においては、長期にわたるライフサイクルコストを比較することから、将来の価値を現在の価値に割り戻すために、割引率を設定する。
基本ケースにおいては、4.1に示すとおり国土交通省の費用便益分析マニュアルにもとづき、4.0%と設定しているが、割引率の設定は多様な考え方があることから、感度分析を行う。

 (1) 文部科学省における設定値 文部科学省「PFI導入可能性の検討マニュアル(平成20年3月)」においては、割引率を3.0%と設定している。この場合のVFM算定結果は以下のとおりである。

内閣府における設定値
内閣府における設定値

 (2) 内閣府における設定値 内閣府「VFM(Value For Money)に関するガイドライン(平成13年7月27日)の一部改定及びその解説(平成19年6月29日(平成20年7月15日改定))」においては、割引率を2.7%と設定している。この場合のVFM算定結果は以下のとおりである。

上記のとおり、割引率が低くなるほどVFMは低下する方向にある。
これは、PFI方式は支出を将来に繰り延べる効果があるが、割引率が低くなることにより繰り延べることによる効果が小さくなることによる。

5.まとめ
上記のとおり、基本ケースでの設定におけるVFM算定結果は2%から10%であり、PFIで実施することの妥当性が確認できる。 但し、削減率を5%とした場合の割引前のVFMはマイナスの値であり、実際の支出は増えることになるため、合意形成が困難となることが想定される。 また、割引率を小さく設定することによりVFMは減少する傾向にあり、PFI方式のメリットは小さくなる。 VFM算定のおいては削減率の設定が大きな影響を与えることとなるため、今後の検討において、本事業における民間の創意工夫の余地がどの程度あるのか検討する必要がある。

民間事業者ヒアリング結果
民間事業者ヒアリング結果

6.民間事業者ヒアリング結果のまとめ
以下に、事業手法への参画意欲等に関する民間事業者のヒアリング結果をまとめる。

実施期間:平成20年10月14日〜平成20年11月6日
調査方法:アンケート及びヒアリング方式 (アンケート用紙送付、回答受領のうえ、ヒアリングを実施)
調査対象:大手ゼネコン(全国規模)5社、地元大手ゼネコン2社、大手建築設計事務所(全国規模)3社

 

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