
政府が発表しているクラスター計画以前にすでにここではこのクラスターという言葉を使っているとの事、あくまで北海道に根づいた活動をするということが基本になるので、その戦略は国や行政区域単位ではなく地域が単位であり、民間が主体の産業戦略であること。地域産業を群れとして把握し、各種産業間及び産学官連携を強め、そこから新たなビジネス創造を展開してゆくとしている。そしてあくまで支援に留めるが総合的な活動であるとしている。現状この北海道は収入が5千億あるが支出が3兆円、都合2兆5千億の持ち出し地域である、これを何とか自立した地域にしたいということを熱く語って頂いた。

このクラスターという言葉は語源は化学で使われる言葉であったが、フィンランドにおいてこの活動を目にした折、北海道の産業育成に使えないだろうかという事から始まったそうである。政治の世界においても然りであるが、従来の産業育成は国主導で先端産業、どこに行ってもこの紋切り型の言葉から始まってしまう。しかしここでは地域主導のしかも其々の連携を持ったエリア産業という捉え方をしていると見ることができる。
つまり重厚長大産業を首都圏に集中して作ってきた過去の日本経済を、特色ある中小企業を地域分散型にネットワーク配置する事で独自の地域活性化を図るという方向転換を示しているのではないか。(この話を聞いていて「紺碧の艦隊」の作者である荒巻義雄氏も北海道だったなあとふっと思い出してしまった、確か後世日本の経済はこの考えと同じだった。)政治の世界で言うこれからは「地方主権の時代」であり、上意下達では市民はもう動かない、一匹の北京の蝶となれ。これこそまさに政治経済は一心同体という事なのだろうか、実に興味深い部分だと感じる事が出来た。

すでにこの活動を開始して以来、智のインフラ整備が着々と進みつつあり、道内28地域で独自の活動が始まっているとの事、当然ここでは主体は地域である事はいうまでも無い、また具体的なビジネスモデルとしては45件がすでにスタートしているという実績を聞く事が出来た。そして広くは道外にも連携ネットが出来つつあり、当初の自立した地域へ向けて着実にその成果を上げているという事である。
当然ここまでの仕組みとして組み立てあげるのには一定の時間がかかったというが、今後我々が参考にする場合には「チームでの力」という言葉が一つのキーワードになるようである。其処に向かうために作り上げる必要があったものは、誰が見ても全体の繋がりが分かりやすい地図であり、基幹となる技術作りなのだろう。それにより後を継いでくれたり、広げてくれる方々ともチームとして意思を共有する事ができる、そうすればどの様な「種」でもここでは活用できそうだ。

この財団は北海道大学構内を借地して作ったコラボほっかいどう(北海道産学官協働センター)にあり、その中では共同研究により事業化、実用化が推進している。そしてこの周辺では北大北キャンパス町内会という組織を立ち上げ、様々な連携を行っている。この動きこそこれからの大学のあり方と行政の関わり方の規範となるべき動きであろう、しかも実際に動かしている方々は民間企業からの出向者たちなのである。
さすがに北大敷地の中にあるこの財団は、ホームページにおいても非常に理解しやすいページ作りになっている。事業などの細部にわたる事柄については是非ホームページよりご確認いただきたい。
当日はいきなり予定時間を変更しての無理なお願いも聞いていただき、また施設内もご案内いただくなど大変な御迷惑をおかけした事をあらためてこの場でお詫びいたします。ご親切な対応ありがとうございました。
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