初回となる今回は、平成16年3月末開館予定の新潟市歴史博物館建設事業に充てるとして、取扱金融機関を入札の結果第四銀行、北越銀行、大光銀行、新潟信用金庫の四行に絞り、市内の各店舗で販売したものだそうです。この公債の概要は発行総額10億円、直近の5年物利付国債等の利率を参考にして0.7パーセントとし、5年満期で利払いを毎年2回行ったものです。ここで特筆されるのはその購入限度額を10万円以上、最高額100万円(10万円単位)とし、広く市民に市政への参加意識を持って頂く事とした事にあります。
この債券は平成15年11月17日に発売すると同時に、取り扱い全ての金融機関の窓口から翌18日の午前9時15分には完売したとのことです。そして市としてはアンケートを取って欲しいと言う事でしたが、金融機関の窓口での混雑を避けるため葉書を同時に手渡しての調査となったようです。しかもその葉書の回答が37.4パーセントであったと言うのが驚きですが、末尾に記載した住所氏名欄にほとんどの方が自身の住所氏名を書いてくださったということです。その反応の確かさには財政課の職員も驚いてしまったとか、尚且つ一言欄には多くの市民から丁寧な一言が記載されたと言う事ですから、市民の市政に対する関心の高さには質問した我々も驚きでした。
このアンケートに答えて頂いた方については、市施設の割引券をほんの少しと歴史博物館のリーフレットを送付し、お礼に代えたようである。ちなみにこの債券は先着順と言う事でしたが、これについても利率設定の問題等多くのことがあり、決してこの方法がベストと言う事ではないが抽選よりも実質金利を反映する事が出来るなどの利点が考えられるとの事でした。
今後については公的資金の圧縮対策として出来れば毎年の発行を考えてゆきたいと言う事ですが、金利が右肩上がりになっているときには国債などの債券と競合することが考えられるのでより慎重な調査が要求されてくるとしていました。また、今回発行の10億円と言う数字については「中間的な数字」と位置付け、今後の発行についてはその金額的なものは同様程度を考えていると言う事です。当然償還が5年後に一括してくるのですが、その準備として本年度より5千万円の別段積み立てを行い5年で2億5千万円を当座用意し、同時に金融機関と7億5千万円については通常融資として借り替えると言う話し合いが持たれているとのことです。
そうしてみるとこの債券は実質20年での償還と言う事になりますが、これを毎年行ってゆくと言う事に対しては実は市としての「借り入れの隠れ蓑」となってしまうのではないかと思いますが、当然市債発行もいわゆる借り入れ総枠の中に入りますからバランスシート上も他の借り入れ同様に負債勘定に計上される事となります。
今年は「新潟市歴史博物館」に関わる68億円の工事費の一部として使用目途がはっきりしていますが、今後について箱物建築が続くのではと言う疑問が残ります。新潟市では今後の発行では「小学校の改築」「老朽化施設の改修」など、市としてまだまだ手をくわえてゆかねばならない市民のための施設が目白押しであるとしています。
確かに今回ではこのように目に見える使途があるのですが、例えば道路改修と言った一定範囲の公共物に対してもこの債券は有効であると思います。(もちろんその市がいわゆる公債発行基準内であると言う一番最初の関門をクリアしている事は当然ですが)市民から直接債券という手法で資金を募るというこの手法は、行政の向いている方向を明確にしなければ賛同を得られないと言う点では、非常に有効な手法であると感じた次第です。
最後にこの債券発行に伴う直接費用については金融機関引き受け手数料3,780千円、リーフレット(別掲載の物)作成費用200千円、券面印刷代750千円、アンケート用葉書40千円となっており、その総額は4百774千円であることから、通常債券とほぼ同等もしくはちょっと割り高かと感じた所です。しかしここでもこれらの費用削減については全て入札制をとり、限りなく安価に出来たと自信を持っておられたのが印象的でした。
スタートしたばかりと言う事もあり、またほぼ甲府市と同様の取り組みをしているということであるのでこの問題については今後の推移を甲府市と同時時系列で比較してみると面白い結果が出てくるのではないかと思われる。
民間委託についても同様であり、学校給食、病院受付、ゴミの収集など甲府市で抱えている問題と同様でありそうだ。但しここで行政職員の方が「民間委託したからといって職員数が減りスリム化できるわけではない、人員計画とあわせて暫減してゆかねばならない」と言っていた。事実であろう、しかし時代の流れは待ってくれない、その中でいかにして現在の職員を有効且つ機能的に配置し、市民の方に適切なサービスを提供できるかが今後の本質的な問題となるであろう。
兎に角この問題は甲府市としても直面している問題であり、冷静にその進行を検証する必要がある。
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