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常任委員会視察「旭川市」

今回の甲府市議会経済建設常任委員会の視察は、2005年10月18日、19日、20日の三日間で行い北海道旭川市(観光振興策について、旭山動物園の運営について)、北海道札幌市(札幌中央卸売市場、場外市場)であった。

平成17年10月22日 甲府市議会議員 野中一二
この文書は野中一二個人の視察感想文です。

旭川市観光振興策について

2005年10月18日・19日

旭川視察
旭山動物園の全景

先ず、81,187,378,450と言うこの数字であるが、これはこの4年間の国際チャーター便で旭川空港へやってきた飛行機の数である。この数字を見るだけで旭川市がプロモーション活動を行ってきている成果が現れている事に気づく事が出来る。

特に旭川市では、韓国、台湾、香港に対して従来からこの活動を続けてきた結果なのである。韓国ではゴルフブームが続いているが、国内には180しかゴルフ場がないのだそうだ。しかし北海道だけでゴルフコースは200近くあると言う利点を生かし、韓国に対しては「安い」、「涼しい」、「すいている」と言う利点を掲げ、ゴルフパックを積極的にプロモートしてきているそうである。

また、香港、台湾に対しては「雪を見たことが無い」と言う事を生かして戦略マーケッティングを続けているそうである。オール北海道をバスで回るとなると、この旭川空港はベストな位置にあるということを最大限生かし、日本で二つしかない「市営空港」(2種B、もう一つは帯広だそうだ)の活用をする事で、市としての営業を行うとしている。しかも、東南アジアは官の国であり、市長自らがトップセールスを行う事で、その効果は抜群に信頼感をますとしている。

最近では、夏と冬が丁度反対のオーストラリアに対してセールスを仕掛け、平均2週間滞在と言う滞在型の旅行を売り込んでいると言う、すでに65歳の夫婦でなんと80連泊と言う事例もあったそうだ。

旭川視察
サル山から旭川市内を望む

とにかく旭川市では徹底して観光行政に力をいいれている。実際市内ではこれといった基幹となりえる産業が無く、私の問いかけに対して「自衛隊でしょうか」と言う答えが帰ってきたほどである。

位置的には北海道の中央にありながら、物流の拠点としては港がある訳ではなく、昨今の道路網の発達により鉄道の価値が下がってしまっている現在では、この市営空港を活用する事が、もっとも近道なのかと考えるのは当然である。

その上旭川市には温泉が無い、この事は周辺の自治体と如何に協力しながら自らの自治体の力を高めてゆくのかと言う実に難しい命題でもある。市独自では温泉を掘ると言う計画は無いとはっきり述べている、その他の分野で特徴を出してゆけばそれで十分だと言うのが旭川市の観光に対する回答であった。

市では以前イメージアップ作戦と言う事で「旭川ラーメン」を使った「ラーメンナイター」を実施していた。これはプロ野球の試合でホームランを打つとラーメン、ヒットが出るとラーメンと言った具合に徹底的に旭川ラーメンの名前を出す作戦だった。幸いにもご当地ラーメンブームと結びついて、しょうゆラーメンと言えば旭川と言う定着を見せたのだが、このようなばら撒きの宣伝では費用対効果と言う事は望むべくも無い。結果としてこの作戦は一定の評価を得るのだが、現在ではすでに中止して日がたっている。

旭川視察
とにかく大人が多かった

むしろ、はっきりターゲットを絞った作戦と言う事で、上記で述べたような明確なターゲットを絞った観光客誘致作戦へと切り替えているのが現在の旭川市が行っている観光キャンペーンの数々である。この考えは是非わが市でも参考にしてほしい、これらの作戦は広告代理店が企画したプロモーションではなく、行政が広告代理店と共同で行っている事業の一環なのだ。

動物園効果と合わせてこれらの結果が本年の夏には市内ホテルの客室稼働率が97パーセントと言う数字をたたき出している、その上観光業者やホテル旅館組合の方々においては、行政に積極的に協力していると言う好循環が生れてきている。これは平成12年に起きた有珠山噴火によって北海道への観光客入込客数が減少して以来北海道内では唯一この旭川市だけが増加していると言った要因の奥に、この様な弛まぬ努力があってこそという言葉をつけるのが適切なのだろう。

旭山動物園

旭川視察
泳ぐ白くま

まさに現在大ブレイク中の動物園としてその名は全国に轟いている、しかしこの動物園にもご存知のエキノコックスと言うキツネなどを媒介する病気が発生したときには、廃園の危機にあったのである。問題はそこからの立ち上がりだった気がする、しかもそれがテレビのドキュメンタリー番組として流れた事で、回生のきっかけとなったと記憶しているが。

とにかくこの動物園は、「動物の視線で全てを見ている」と言う事を基本にしていると感じた。広さ158,681、84uの園内は、びっくりするほど広いわけではなく、なだらかな丘に作られている。その中で22名の職員の方々による手作り感溢れる動物の説明や、数々の注意書きなどは、何かほっとするものを感じえずにいられない。

この施設はついに本年は200万人を超える入園者が見込まれ、実際担当者はその数に驚いてさえいるのである。中に入ると20パーセントはネクタイ族(我々と同じく視察などで来ているのだろう)が占め、60パーセントは大人の入園者で、20パーセント程度しか子供の姿が見られない。この様な構成の人々がほぼ毎日5,000人ほど来ていると言う、これは驚きである。すでに今となっては特にコマーシャルは流していないのだろうが、各マスコミなどではこの人の多さでまた取材の材料となり、その相乗効果は計り知れないものがあるようだ。

旭川視察
この中から見るとアザラシの視線で白くまが見える

昨今の動物園は、ともすれば檻に入っている動物を外から眺めるだけとなっているのだが、この動物園ではむしろ「人が檻に入って動物達を見せて頂く」と言う発想が徹底していると感じた。

例えば白くま館では、アザラシの視線で白くまを見たらどのように見えるのか。ペンギン館では「ペンギンはそもそも鳥である」と言う事で、その水中のすばしこさを来場者は水中のアクリルトンネルを通りながら見ることが出来る仕組みになっている。

旭川視察
ペンギンが泳ぐ姿が中から見られる

あるいは「ととりの村」では、白鳥や鴨などを自分達が巨大な鳥かご(ゴルフの練習場を想像していただくと理解できる)に入ってまじかで見ることが出来るように工夫してある。勿論子供牧場では実際に動物と子供達が触れ合う事が出来るよう作られていて、動物と触れ合う事で命の大切さを理解してほしいと動物園関係者は説明してくれている。

従来型の動物園と単純比較すればここは単なる動物の見世物小屋ではない、それぞれにテーマを持っていかにして動物達と正面向かい合って「命の大切さ」と言う本来の目的を達成してゆくのか。つまりここは「テーマパーク」なのだと言う事がお解りになるだろう。「どうぞお楽しみください」と言ってくれた市役所の職員の言葉が、本物だと言う事に気がつかされたのは、園内を回り始めて間もなくの時間であった。

旭川視察
飛び立つ白鳥や鴨

今北海道では知床の世界遺産とこの動物園をパックにして、多くの観光客に楽しさを味わって戴いている。当然わが市は首都圏1,400万人の人々に、気軽に来て頂ける立地条件があるにもかかわらず、残念ながら観光立県、観光立市とは言いがたいものがある。少しでも当旭川市の職員の方々のような気持ちを持ち、「どうか甲府にきてください」と言った心からのホスピタリティーを、行政職員のみならず市民全体で持つ事が大切なのではないだろうか。

市立科学館について

旭川視察
アイボを使った人対コンピューターのサッカーゲーム

本年7月23日にオープンしたばかりの「旭川市科学館」は総工費49億円をかけ、旧科学館の立替と言う事業である。その趣旨は子供達に科学の面白さを知ってもらう事にあり、触る、操作する、乗る事を前提に親しみやすい施設として建設された。

しかし現実は市外の方が半数以上であり、且つ5割程度の入館者が大人であるそうだ。中にはカップルで来て頂いている方々も数多く、中学生以下を無料とした当初計画より入館料収入が多いのはうれしいのだがと驚いている。

これも旭山動物園のあとに訪れる人々が多いからなのだそうだが、入館者予定数量を当初年間28万人としていたにもかかわらず、すでに約3ヶ月間で27.9万人の入館者が有ったとの事。動物園による経済効果が旭川市で数百億と言うのもうなずける数字ではないか。

ここの内部施設は総工費の40パーセントを展示物として費やしただけの事がある実に見ごたえ(さわり応え)のある展示物である。建物に対してもその建設当初より市内の障害者団体と共に考えた「ユニバーサルデザイン」を大切にしており、トイレ一つとっても3タイプの便器が自然と置いてあるといった配慮がなされている。

旭川視察
ハウルの動く城

屋上には65センチ反射望遠鏡と、20センチ屈折望遠鏡が置いてあり、子供達のための天文台として広く開放されている(但しその操作には特殊な技能が必要で、市の職員が専属で管理している)。

この1階のロビーには「ハウルの動く城」の撮影に使われたモデルが置いてあり、間もなく一般公開されるという。またまた旭川に新たなビュースポットが完成する事になりそうだ。

冬の間、年間での総降雪量は8メートルにもなるという。その間旭川の子供達は、プラネタリウムの見学や数々の施設によっての科学的基礎知識の習得を、遊びと共に出来ることとなる施設として大いにこれから利用されるのは間違いないだろう。

旭川視察
65センチ反射望遠鏡

この一帯は駅前再開発の区域として、旭川地区のシビックコア開発の一角に位置する部分であり、ここの開発状況によっては、まだまだしばらくの間、動物園と共に観光客にも喜ばれる区域となるのであろう。これらは一年を通じて集客の可能性があるわが市でも、是非考え方としての取り込みを図る必要があるのではないだろうか。

旭川市の皆さん、動物園の皆さんありがとうございました。

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