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2003年常任委員会視察「シビックコア」

岡崎市・浜松市 2003年10月1日〜2日

今回の経済建設常任委員会視察では「シビックコア」を視察することとした。

甲府市においては新都市拠点整備事業の中で区画整理事業と拠点整備事業の二つを推進する事とし、平成1年からその事業に着手している。特に平成15年〜19年の整備については国のまちづくり総合支援事業として認定を受け、多目的広場(4,812平方メートル)、歴史公園(6,039平方メートル)、北口駅前広場(3,658平方メートル)、都市再生土地区画整理事業(15,500平方メートル)を優先的に整備することとした所である。そして国の事業としてシビックコア(山梨の場合は関東管区行政評価局山梨行政評価事務所、関東財務局甲府財務事務所、東京国税局甲府税務署、関東農政局山梨統計情報事務所、及び甲府出張所、峡北出張所)として以上あげた6官署が集まった建物が建設されることとなっている。

丁度これからと言う甲府の実態を踏まえそれぞれの先進都市を調査することで、この時間がかかっている甲府駅北口の開発をより円滑に、そしてより快適な都市空間として進めるための参考事例として捉えるべく1泊2日の予定で認可番号1番の岡崎市、そして東海地方で1番規模の大きな浜松市を調査対象とした。

岡崎市

岡崎市街地
岡崎市街地、正面がシビックセンター

シビックコア地区整備計画によると、地区面積:約18.4ha、計画期間:平成8年度〜16年度となっているが、そもそもこの地区は昭和43年に都市計画決定されたJR岡崎駅周辺の土地区画整理事業の一部として事業進捗してきたようである。その後駅西部については昨年を以って事業終結し、現在は岡崎駅東部区画整理事業として進捗を見ているうちの一部事業がこの計画であるようだ。

よって施行地区面積は39.66haでその期間(平成2年度〜平成21年度の20年間)の間に、総事業費237億6千万円を投入し、事業を終結させるとしている。事業の進捗率は建物移転計画が62.4パーセント、道路整備計画が37.1パーセントであり、道路整備計画が進んでいないせいか町並みは非常に閑散としている。岡崎駅東地区は、交通拠点として明治・大正時代から発展してきた既成市街地であるが近年は都市機能の低下などのため、地区の地盤沈下が問題となっている事がすぐに理解できる。現在の岡崎市はその中心市街地がほぼ4kmほど離れた名鉄岡崎駅周辺に移ってしまっているとの事、ちなみにこの事業のもう一つの核となるべき商業施設(産業文化交流拠点)についてもそちらに建設されるということで、この駅の一角の予定地は空地となったまま事業は白紙に戻ってしまったようである。

岡崎駅東地区
岡崎駅東地区

駅から徒歩5分程の所に岡崎市シビックセンターが 平成14年4月22日(月)にオープンしている、これがわが国シビックコアの第一号である。行政サービスの充実と利便性の向上に努め、にぎわい・活力のある交流の拠点として、国の岡崎合同庁舎と一体的に整備をした施設である。「岡崎市シビックセンター」に詳しく記載されているが、この施設の当初目的は「音楽」と言うことに照準を合わせ、しかもクラッシック音楽を生演奏で聞くことが大前提であったそうだ。一方国の施設の中には税務署と職業安定所が入っており、この施設の一番人の集まる部分としての要素になっていると言うことである。この施設では国の第1号ということもあり、土地購入についてもかなり国が譲歩してくれたとの事、その他駐車場の共有化についても国が一定の理解を示してくれたことなど、第1号としてのメリットをかなり享受しつつも地方と国の権利関係などははっきりしていると言う現実も教えて頂いた。尚この施設の展示品の一部は地元に住んでいらした篤志家からの寄付によるものがあり、これがまた素晴らしいジャズコレクションであった。

岡崎市
岡崎市

この岡崎と言う町については「ベッドタウン」と言う言葉が実に相応しいような感じである。人口は微増中であり、地方交付税不交付団体だそうだが産業基盤としてはあまり大きなものが見られないようである。町についても実におおらかな感じが漂っており、人の感じも何かゆったりとしたものを感じてしまったのは私だけだろうか。天下を取った徳川家康の居城としてもあまりにも有名なことから、ちょっと拍子抜けした感じを抱いたのは否めない。

しかし歴史的には甲府とは非常に縁がある町であり、都市基準となる人口も甲府の倍近くある町である、ここには潜在的な都市の力というものがあるのだろう。担当して頂いた市の職員の方は「国とのつながりの深さが事業進捗に大きく影響する」と仰っていたのが印象的である、後はこのシビックセンターと岡崎駅との連携をどのように図ってゆくかが大きな課題となってゆくのではないか。残念ながら住民に対しての説明責任と情報の開示と言う点では今ひとつ理解しがたいものがあったが、もう今ではむしろ旗を上げて反対と言った空気は見受けられないようであった。

浜松市

浜松市
浜松市

本年4月まで静岡県最大の都市であった浜松市は、いくつかの世界的大企業を抱える商工業都市として分類されている。60万人の人口を有する町にはかなりの活気があり、わが甲府に雰囲気は似ていると言えどもその規模の大きさには驚かされるものがある。 ここでのシビックコアの現状は民間企業による土地利用が先行し、国の施設整備が後手に回ると言ったうらやむべき状態にある。

この事業は「東地区土地区画整理事業」として位置付けられ、都心地区のJR浜松駅の北側にあり、現在国際的な文化・情報都市の交流拠点であるアクトシティと連携した都心複合商業業務地を目指して、土地区画整理事業により都市基盤の整備が進められている。官公庁街区が立地する「浜松シビックコア地区」は、シビックコア地区整備計画に基づく官公庁施設や40メートルという広幅員(4メートルの片側一方通行車線が2本自動車対策としてあるが後は歩道である、この道路を縦軸として浜松駅前のアクトシティと連携を図ろうとしている)の東西軸及び南北軸のシンボル道路などの創出により、安全で快適な利便性の高い総合的なまちづくりを図ろうとしている。この中に国が管理する15官署が入居する合同庁舎、ならびに県の浜松総合庁舎が配置(既設)されるとしている、同時にこの東地区には公設民営となる「静岡文化芸術大学」を配置し、学園都市という側面をも生かしながら開発が急ピッチで進んでいるところである。

浜松市
浜松市

この事業は総額1,000億円にも及ぶ事業であるが、ほぼ予定通り進捗しているとの事、もちろんその間には住民説明会は開催回数かず知れずと担当者は話してくれた。 浜松駅からこの区域は「アクトタワー」の45階(地上185メートル!!)から一望できる、そこで今回の視察はこの展望台からこの事業用地を見下ろしながらの説明会として頂いた。これは実にわかりやすい、なんと言っても百聞は一見にしかずである。すでにこの開発も一定の部分までの進捗が見られ、道路をはじめとしてインフラについても整備がかなり進んでいる様子である。ほんの一部ではあるが立ち退きなどの交渉に問題を抱えている方々もいらっしゃるようだが、これも見る限り時間の問題であろう。しかしこの完成しつつある町並みを見て「商業スペースがほとんどない」と感じた、例えば町のクリーニング屋さん、或いはコンビニエンスストアと言ったような生活に密着した業種が入り込む余地があまりないように思えてならない。これも開発が一定部分終了し、生活者が定住するようになると解消するのかと思いつつ45階を後にすることとした。

浜松アクトタワー
浜松アクトタワー

今回の調査とは余談であるが「アクトタワー」は平成6年に完成したそうである、過日経営が変り新しいオーナーの下に入居者等を開拓していると聞いたのだが、この手の超高層ビルを維持するには200万人程度の人口が必要なのではないかと言うのが第一印象である。この場所は駅前再開発によって生み出された土地を使い、この「横から見るとハーモニカ」型の超高層ビルを核に再開発を推進したそうであるが、動く歩道の設置などランニングコストが非常にかかる設計となってはいないか。駅からこのアクトシティーに入る地下道には空間スペースを使った広場などが配置されているのだが、夜は御多分に漏れずホームレスが数多くいるとの事。ペデストリアンデッキ構造を取らずあえて地下に持っていったことの意味がこの駅前からはあまり感じられてこなかった。

浜松動く歩道
動く歩道

浜松市には循環まちバス「く・る・る」と言う市内循環型のバスが走っている、これは甲府で運行している「レトボン(レトロ・ボンネットバスの略で決してレトポンではない)」を調査し、参考にしながら展開したバスだと聞いたことがあるが、今回は駅前をほぼ1周歩いたにもかかわらずこのバスにお目にかかれなかった。おそらくこの東地区土地区画整理事業が一定の進捗を終えた後は、この循環まちバスが東地区の整備された道路をクルクルと回る様子が見られることであろう。そうなってからはずいぶんと楽しい町になるのではないか、歩いて暮らす楽しさを演出するための40メートル道路もまだ総べて繋がった訳ではないが、この事業が終結した暁には是非もう一度調査に来たい町である。

今回の調査の東海道に沿った二つの市は、共に甲府市よりはるかに多くの人口を抱えた都市である。それぞれ特徴がある町であるがこの2市を見た限りでは甲府市は一定の基盤を備えた町だなと言うことを改めて感じさせられた。確かに甲府市の最高額納税者(企業)は日本銀行甲府支店である、そして上場企業も数えるだけしかない。それでも都市として一定のものはこの甲府に総べて揃っている、このことが都市にある一定の雰囲気を作り出すこととなっているのではないかと思う。今回の調査主題のシビックコアについてはこの事業単独でまちづくりを終了してしまう事業ではない、当然のごとく周辺の環境整備があり、それに伴う区画整理事業があり、そしてまちづくりという大きな目的に向かっての事業の一環である。そのことをもう一度わが町に帰り、一体「この町はなんなのか」という原点をもう一度しっかり見つめなおす必要がある、そうでなければ日本中どこに行っても金太郎飴になってしまい「特色ある地方」とは無縁の世界が形作られてしまうこととなる。甲府らしさをまちづくりに生かすにはもっと甲府を知ることが必要なのではないか。

以上、経済建設常任委員会の視察における野中一二の個人的感想でした。

平成15年10月5日 甲府市議会議員 野中一二

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