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青森県八戸市

リサイクルポートについて

平成21年11月12日 新政クラブ視察記録

11月11日・秋田県大館市 株式会社エコリサイクル(DOWAエコシステム株式会社)資源リサイクル → 12日・青森県八戸市 リサイクルポート

本日は青森県の太平洋側にある八戸市(現在人口242千人)において推進されている「リサイクルポート」についての視察となった。残念ながらわが市には港が無いのだが、今後は中部横断道路の全線開通に向けて、物流の拠点としての動きがすでにみられているわが市及び周辺においての参考事例とするため、の視察となった。

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八戸港工場群

昨日に引き続きこの視察は「リサイクル」の現場を見る、という大タイトルの予定であったが、訪れた市役所では建設部港湾河川課のリーダーによる説明から始まった。何かおかしいなと思っていたのだが、甲府市議会の担当者を通じて「リサイクルポート」と言ってあるので大丈夫だろうと思っていたのだが、港の歴史と現在から入ってしまった。そこでいろいろ質問してみると、私の意図した視察内容がしっかり伝わっておらず、ちょっと違っていたようだ。すぐに関係部署の担当者が来て説明してくれたのだが、リサイクルポート自体では特段の支援はもらっておらず、エコタウン構想の範疇で行っているという事であった。それでは肝心の視察項目はと言うと「進出企業の連携による独自の事業」という素晴らしい回答であった。これこそ次世代の地方の在り方ではないか、企業間での交流が国のリサイクルポート事業の認定を得られているという事、それによっての補助・助成などは無く、ただ独自の企業努力によってゼロエミッションを成し遂げているのだ。しかもここに立地する工場は製紙・製錬・鉄鋼・造船・発電・化学といった基礎・素材型産業が集まって操業している重工業地帯なのである。

そもそもこの地は積雪量はさほど多くなく、但し寒さは他の青森県内以上に冷え込むという地域特性があり、それによって港が開港された後、海から開けた町としてしだいに栄えてきたという。その後次第に大型船舶の入港が増え、本来の漁港としての価値と同時に北東北における貿易港としての地位を築きあげ、平成6(1994)年には東南アジア航路を開設し、平成15(2003)年にはリサイクルポートとして、また環境エネルギー特区として隆盛であったそうである。

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ストラ―ドルキャリアでの荷積み風景

大量消費時代から次第に企業の先行きが不透明になってきた折、それぞれ次の事業としての副業などを模索しているうちに、異業種の会議の場などで次第に出来上がってきたのがこの「ゼロエミッション」という考え方を軸にした現在のリサイクルポートであるという事であった。それは次のような流れによって出来上がっている。

事例―1
三菱製紙では高騰する燃料費を少しでも引き下げるため、廃タイヤの焼却による熱ボイラを導入し、運転していた。すると、最近のタイヤは中にスチールワイヤが入っているため、廃棄物としてのスチールワイヤが発生していた。それを電炉大手の東京鐡綱が製鉄原料として受け入れ、廃棄物としてのスチールワイヤは存在しなくなった。また、燃焼したタイヤボイラから出る焼却灰は、八戸セメントによってセメント原料として引き取られ、これも廃棄物ではなくなってしまった。

事例―2
東京鐵鋼では廃棄処分となった自動車スクラップから鉄鋼を生産していた、しかしその電気炉からは鉄以外の自動車部品から発生する焼却灰が廃棄物として発生していた。しかしそれを八戸セメントではセメント原料として新たなセメント生産の原料としてよみがえらせてしまった。ここでも廃棄物は無くなってしまった。

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コンテナで送られるロードローラー

事例―3
東京鐵鋼からは大量のばい煙が排出されていた、しかしそのばい煙を八戸製錬に持ち込む事で重金属が分離精製され、市場に新たな商品として還元されていった。

以上のようにそれぞれの企業が持っているノウハウを提供しあう事で、廃棄という概念が全くなくなってしまう事になり、エコタウン構想と言う大きな概念が工場地帯でも十分成り立つということを実証してしまったのだ。まさに民の総力の結集である。
同じような事が実は甲府市国母工業団地の進出企業の中でも行われていて、社員食堂の食品残さが有機肥料に生まれ変わっているなどの実績をあげているのだ。

この様な工場群の活動は、これにまつわる新たな進出企業をもたらし、しかも新規雇用の創出も行われているという素晴らしい効果をあげているのである。推測ではあるが、この事により市ではおそらく一層の税収安定につながり、且つエコタウン構想の大きな柱としての位置づけが出来た事で、事業計画の進展に弾みがついたに違いない。今後は八戸港のコンテナ事業の拡大などで、ますますその地位を安定化させてゆくという話を聞くにつけ、常に一般廃棄物処理などの環境問題を抱えているわが市にとっては実うらやましいような話である。

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コンテナヤード入口

海のないわが市では決して見る事の出来ないコンテナの荷揚げ作業では、ストラ―ドルキャリアによる荷揚げ現場を見学させて頂き、わずか3.5センチずれるとコンテナを取り上げる事が出来ないという精度の高い熟練技術や、コンテナの積み上げではわずか1センチ程度の誤差しか許容範囲が無い事、それ以上の誤差では風が吹くとコンテナが倒れてしまう事、輸出する中古のロードローラーは、コンテナに入れるに当たりすべての飛び出し部分が外されていることなどを説明頂いた。
しかもこの港のコンテナヤードは、対テロ対策が施されている。確かにこの場所は外国との接点であり、ゲートは24時間監視下に置かれている。当然周囲の柵については防犯カメラの設置はもとよりそれなりの一定の基準に従ってしっかりとしたガードが施されていた。

八戸市の職員の皆様ありがとうございました。実に参考になった視察でした。

 

参考・リサイクルポート(総合静脈物流拠点港)

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