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兵庫県姫路市

姫路城下町再生プラン

平成22年10月13日 経済建設常任委員会視察記録

2010年10月13日・姫路市 → 14日・鳥取市  → 15日・尼崎市

人口536,367 人(男= 259,215人、女=277,152 人。推計人口)、209,367世帯、広さ534.43平方キロメートルと言う市勢状況の姫路市は、国宝であり世界遺産の姫路城を持つ瀬戸内海に面した中核都市である。
第2次世界大戦では空襲によって海沿いから姫路城のすぐ近くに至る部分が破壊されたと言うが、なぜこの城だけ無事であったのかについては「わからない」と言う答えであった。この都市の大きな魅力は「交通の要衝である」と言う事だろう。JR山陽新幹線・山陽本線・播但線・姫新線、山陽電鉄がそれぞれ東・西・北へと伸び、山陽自動車道・中国自動車道や国道がそれぞれこの地を経由して伸びているといううらやましいような地勢である。

姫路市視察
仕出し屋さんです、ファサード変更しています。

 幸いにも破壊を免れた市域のうちでも、進み来る都市化の波に対して実に無抵抗・無秩序に開発が進むことを憂慮した姫路市では、1987年(昭和62年)いち早く都市景観条例を制定し、現在に続く景観計画(2008年(平成20年)施行)にのっとり、姫路城を中心とした城下町を大切に残すという事に都市計画の重点を置いてきたようである。
その地域の一つとして「野里地区」では、町屋形式の建物を大切に保管しようとそれらを含む地域資源を活用した街づくりを推進している。そしてその目的を、歴史的な町並みに残る地域の生活文化様式を現代に伝え、伝統ある都市の個性を表す町並みを形成する事と位置付けている。そして結果として、魅力と活気があふれ、誇りと愛着が感じられる城下町の再生を目指すとしている。

姫路市視察
向かいの呉服屋さんの本家です。
本家だけが黒漆喰

当然のことながらこれらの地域には居住者がおり、日常の生活を続けている。過去には姫路城を作った職人たちがそこに住み暮らしていた場所ではあるが、現在の生活者に対しては一定のルールを設けたうえで街並みを作ってゆく「セット戦略」を展開しているという説明であった。

姫路市視察
分家の呉服屋さんは漆喰が化粧表面していません。

社会実験では町屋お色直しと銘打ち、ファサード変更に伴っては補助金を交付し(300万円2/3が市補助)進めている。野里まちなみ交流館では、空き家となった家を使って地域コミュニティーの場として提供。空き家でも十分居住に耐えるような物件に対しては町屋情報バンクとして不動産に対する情報提供も行っている。

 一方住民の間では、野里地区の例を取り上げてみると、平成18年に発足、同年11月都市景観形成市民団体に指定。町家の調査、住人の意識調査や独自の町公開を行い、町の賑わいを取り戻すための活動を行っている。五月人形道筋展示、灯りのイベント、お夏清十郎まつりなどの地域の祭りで活躍。活動に際しては、兵庫県立大学、県立姫路工業高校、姫路市役所、姫路商工会議所などとそれぞれ連携を図り街づくりを推進している団体が活動しているとの事である。

これに伴って姫路市が行っている物としては、景観形成基準を設け、建築物に対しては以下のような基準を示して規制している。

位置    歴史的な町並みの連続性に配慮
規模(高さ)原則として2階以下
意匠    色彩は無彩色又は茶色系統
      歴史的な街並みとの調和
      建築設備等、屋外階段は、街道から見える位置に原則設置しない
外溝    歴史的な街並みに調和する規模・形態・意匠
姫路市視察
野里地区
インターロッキングブロックも
その内はずされるでしょう

そして社会資本整備総合交付金として、「街なみ環境整備事業」と言う形で次のような交付金の支給を行っている。

地道風舗装、和風街路灯、電柱、電線の整理(美観柱)、拠点施設の整備(交流館)、街なみ修景助成等。

また、これらの活動を地元で担う団体には年間30万円を限度として都市景観形成市民団体助成を行い、その啓発に努めているというのが姫路市都市計画課の説明であった。

この様にして古い街並みが保存される事は大賛成である。当然ながらここで66件もある町屋は冬は寒く夏は暑いという建物ではあるが、昔の人々は何とか知恵を出して克服してきたのだから、われわれ現代人にも出来ないことはなさそうだ。少し手を入れて快適に暮らせる空間を作り上げれば、実にしっとりとした街に再生するのではないか。

姫路市視察
平成の大修理中の姫路城。30億円余りかかるようです。
姫路城大天守修理見学施設「天空の白鷺」公式ページ

但し、姫路市で期待している観光名所としての発展については、残念ながらこの界隈を見渡すだけでは拠点となるべき歴史的な空間がなさそうだ。姫路城ではちょっと遠い、しかしきっと何かあるであろうし、交通手段を考慮すればますます面白い地域になるだろう。目下進んでいる姫路城の平成の大修理が終了する頃、どうなったのかを確認に来たい場所である。

 

補足

この野里地区は古く室町時代から鉄の街であったそうだ。山陰から良質な鉄が届き、この地で加工されて産業用や軍需用にと出荷されていたのであろうか。

残念ながら今その歴史を感じさせるようなものが一つもないのはとてもさみしい、その名残を何かの形でとどめるというのも、きっと一つの発展のキーとなるかもしれない。 姫路市役所都市計画課の皆様ありがとうございました。

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