野中一二のページ | 活動 | 議会 | 街づくり | 環境 | 言いたい放題 | プロフィール | サイトマップ | 掲示板 | ホーム | 戻る

新政クラブ会派視察報告

平成16年5月18日〜20日

18日・新潟市ミニ公募債→19日・長岡浄化センター→19日・新潟県立歴史博物館→20日・金沢市・歩けるまちづくり

信濃川下流流域下水道長岡浄化センター(5月19日)

事務所で説明を聞く
事務所で説明を聞く

今回の視察は「下水道浄化センターにおける汚泥の減量化」と言う事で、信濃川下流流域下水道長岡浄化センターを訪問させて頂いた。ここには昨年度までの実証実験を踏まえ、その後の経緯観察の為に(財)新潟県下水道公社と(株)神鋼環境ソリューションが共同で行っている汚泥の減容化について学習させて頂いた。

新潟県においては下水道の普及に伴い、発生する汚泥の量が年々増加している。平成13年度では67,200tの脱水ケーキ(汚泥をプレスして脱水するとあたかもケーキのような状態になって排出されてくるのでこの名称を一般的に使用している)が排出され、その63%が有効利用されて入るものの、残る37%は最終処分場において埋め立て処分されていると言う事である。(ちなみに甲府市では日量50トンが焼却され、その灰はセメント原料として利用されている。一方日量17トンはおがくずと混ぜられ発酵した後、「甲州有機」として土壌改良剤に使われている)

浄化センター
浄化センターのにおい対策で、ふたで覆ってあります。ここは新潟ですから雪が降るので結構立派な屋根となっています。ちなみに4億円程度かかったとか

そこで新潟県では平成13年に策定された「にいがた未来戦略」に基づき今後10年間に特に重点的に取り組むべき課題の一つとしてこの下水汚泥の減量化をあげ、平成13年度には下水汚泥減量化・利用促進技術検討委員会を設立、公募によって選定した企業などとともに実証実験の準備に取り組む事とした。その後平成14年度には実証実験実施企業との共同研究契約締結、実証実験開始と進み、平成15年には実証実験を行いつつ各技術の評価を行い、報告書を提出した。このような経緯を踏まえ、平成16年度以降においては実用化に向けての検討に入ったところであるとしている。その選定過程では公募時点の技術提案数が58件、選定技術数12件であり、以後そのうちから10件が実証試験を実施に至っている。技術内訳は水処理過程での発生汚泥量抑制技術が1件、汚泥処理過程における発生汚泥量抑制技術が3件、コンポストとして有効利用が2件、炭化が2件、焼却・乾燥が2件となっている。

今回の長岡浄化センターでは、その中で汚泥処理過程における発生抑制技術として(株)神鋼環境ソリューションが行った「レセルシステム」を見学させて頂き、この技術の工程を学習させて頂いた。このシステムはノルウェーのCanbi社からの技術導入で「加水分解プロセスを含めた一連の汚泥減容化技術であり、実は元を正せば東北大学の博士がこの理論を確立したものであると言う事を聞いてびっくりしたものである。後日談としてその博士はこのシステムを見学に来て「見て御覧なさい」と言って大いに喜んだと言う話である。

汚泥
高濃度濃縮汚泥と可溶化汚泥、差がわかるでしょうか

そもそも下水の浄化センターとは、市内から集まってくる下水を微生物の働きによって浄化し、その上澄みとしてきれいになった水を河川等に放流する場所です。ここでは好気性の微生物を使いポンプで空気を送り込み、活発化した微生物によって汚れを除去するのですが、一定の活動を終えるとそれら微生物は比重などの関係で沈殿します。そして残ったその他の沈殿物とこれら微生物の死骸などから水分を除去し、汚泥ケーキとして排出する事となるのですが、ほとんどの処理場ではここで脱水の前工程として消化槽を設け消化ガス(主にメタンガス)を発生させているのです。しかしそのガスの利用についてはそれぞれの処理場の考え方となっています。

今回のこの「レセルシステム」ではここで発生するこの消化ガスを使い、加温する際の熱源として利用しています。そしてこの発酵を促すためにより微生物が消化し易い形状に汚泥を変化させると言う事がこの設備の主眼のようです。そのために「リアクター」と呼ばれる設備で汚泥を一定温度で蒸しあげ、微生物の消化をしやすくするように外殻を破壊してやるといった作業をバッチ(一定量を一定時間づつ処理してゆく方法、反意語で連続となる)処理で行っています。昨年度の連続実証運転では予定した30日をはるかに越える240日以上の連続運転を行った後も継続してその後の状態を調査しています。

リアクターとフラッシュタンク
リアクターとフラッシュタンク

今回の実証実験の結果、長岡浄化センターから排出される脱水ケーキの約半分はこのシステムを通過した量となっていますが、その量を比較してみますと以前からの工程として排出されている量は10.5トン/1日ですが、このシステム通過後の量は5.1トン/1日と52%となっています。その中の物質収支だけを見てみますと、消化槽での有機物減少率は従来系統が59%であるのに対してこのシステム通過後は62%、水分の減量化は従来が82%であったものが68.9%といった具合にその効果には目を見張るものがあったようです。しかも設備全体としては消化槽スペースが一気に減少する事から、浄化センターを新規に建設する場合についての費用対効果はかなり期待できそうです。このようなことから、今回新潟県で考えている脱水汚泥の減量化については一定の評価が得られたのではないかということを感じました。

汚泥ケーキ
プレス脱水されて出てくる汚泥ケーキ、確かにさらさらしています

今後、我が甲府市がこのシステムを導入し、汚泥の焼却量を減少させるということも可能ではあるといえますが、むしろ甲府市としてはこのシステムだけにとどまらず、ここで発生する消化ガスをもっと有効に活用する事を考えるべきではないかと感じています。つまり、この脱水ケーキに至っても、約20%の有機物が存在しているといわれています。それに対して学校給食や一般家庭などから排出される「食べ残した残飯」を混ぜ、なお公園や一般家庭からの剪定枝を粉砕して混入させ、これらをあわせて発酵させメタンガスを取る事で燃料として発電する事を考えたら如何であろうかと思っています。

自然界から戴いたものであり、人間が生きてゆくのに必要なもの、その上それらを頂戴しつつも人間は40%しか活用できない仕組みなのですから、ただ処分に対して費用をかけるのはあまりにももったいない。出来ればそれらをあわせて利用できるものは徹底的に利用させて頂く、徹底的に利用しなければいけないのではないかと感じています。

長岡浄化センター所長様、神鋼環境ソリューションの皆様、ありがとうございました。

18日・新潟市ミニ公募債→19日・長岡浄化センター→19日・新潟県立歴史博物館→20日・金沢市・歩けるまちづくり

2004年5月23日  新政クラブ事務局  文責 野中一二

Copyright(C) 2004 by NONAKA Ichini
野中一二事務所
400-0016 山梨県甲府市武田2-11-19
電話 055-254-4040  FAX 055-254-4042

[UP] [戻る] [視察報告目次] [議会質問集目次] [2004年度] [議会目次]