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長崎県諫早市

中心市街地活性化基本計画について

平成23年7月28日 新政クラブ視察記録

2011年7月28日・諫早市 → 29日・佐賀市 議会基本条例 → 30日・唐津市呼子町 朝市
諫早市視察
市役所から見た中心市街地、右にアエルが見える。
前に広がる芝生8,000㎡は旧庁舎跡

諫早市は長崎県のほぼ中央部に位置し、東は有明海、西は大村湾、南は橘湾と三方を海に囲まれ、北は山に抱かれている。4本の国道とJR、島原鉄道が交わる交通の要衝であり、古来よりその重要な位置関係により戦禍に巻き込まれてきていた。当市には全国で一番短い1級河川が流れていて、その急峻さから諫早湾には堆積土砂が多く流れ込み、それゆえに毎年5センチづつ自然に干拓されてきていたとの事である。現在ではこの湾の干拓事業で全国にその名をとどろかせてきていたのだが、外にあってこの巨額の事業を見ている私たちと、実際に居住して常に向き合っている地元の方々とはずいぶん距離があるなと感じた次第である。

長崎空港から路線バスを使い諫早市に入る私たちを出迎えたのが、手前の大村市のエキゾチックな町並みのたたずまいである。市営住宅なども何とも言えない外観になっており、これは他の都市ではあり得ないと思える外観の建物が並んでいた。いわゆる精神文化上起こりえる建築の技法が違っているのだろうか、不思議な街であったが当然途中での下車はできない、残念であった。

諫早市視察
アエル内の様子、右側にスーパーが続く

諫早市では「中心市街地活性化基本計画」がほぼ我が市と同じころ国から認定を受けスタートしていると言う事でその様子やその後の様子を調査に来たのだが、なんとコンサルが同一会社であった。どうやら「ココリ」の事も聞いているようで、今後のあり方について参考になるということだったが当方としてはちょっとさみしい気がしたところである。

この街では平成10年頃から大型量販店の撤退が始まり、平日と休日の歩行者量が逆転するという深刻な状態が始まったという。それらに歯止めをかけるべく市立図書館を中心に建て替える事で、年間50万人の来館者を確保するなどの対策を講じてきている。そして昨年には市役所別館を解体し新庁舎の建設を行ったばかりであり、このあたりもわが市に非常に近いものがあるなと感じた。

そうした中で商店街とも協定を結び、バリアフリー化、景観の美化統一などを取り組み年間50万人の確保を一応成し遂げている。その他基本計画にのっとり、都市型居住推進策としてマンション等の集合住宅の建設を推進、撤退した大型店を作り替えショッピングセンター(アエル諫早)を建設、中央商店街3町がアーケード設置、チャレンジショップ事業の推進などを次々と事業化してきている。

諫早市視察
スーパー跡を改修して作ったいさはや市場

その結果諫早市全体では4パーセント程度人口が減少するも、中心部だけで見ると0.2パーセント程度にとどまっているという結果があらわされている。今後も撤退した大型店跡を活用して行っている「いさはや市場」事業は初年度予定の売り上げをクリアし、その後も順調に伸びている事。栄町商店街再開発事業は0.8haを東西に分けて再開発するという手法で着手するなど、次の手を次々に打ち出している。
実に楽しみな事業展開であり、市役所の担当者も生き生きとして語っているのが印象的であった。そしてこれら事業の底には「商店街をうまく使ってもらう事でにぎわいを出す」という一つのリスク分散手法が採られているのが印象的であった。

諫早市視察
いさはや市場の生産者カードには農業高校の名前が

つまりいきなり大きな事業に手を出すのではなく、小さい店をたくさん出す事。あるいは地元の商業高校生による市をしかける事、そして地元の農業高校生は自らが生産した農産物を並べて販売することなどで自然と商店街が身近になって来るよう活動をしかけているのだ。あるいは「おにぎり博覧会」と銘打ち、諫早湾の干拓地で取れたコメをそれぞれ知恵を絞った独特のおにぎりにとして味わってもらうなど、とかく高齢化してしまう商店街に対して、若い後継者が戻ってきて店を継続すると言う気持を湧き立たせるようなイベントを仕掛けているのだと言う事が感じられる仕掛けがあった。

特にショッピングセンターとして再生した「アエル諫早」は、106台収容の駐車場をわざわざ幅を広げ2.8メートルと設定し、駐車台数を目いっぱい増やすより楽に駐車できるという手法を選択し、開店当初は60分無料で設定した時間を90分無料と延長したとの事。結果としては駐車台数と料金収入は増加し、700万円を超える数字を叩き出したというのである。その事により中のショッピングコーナーの照明をすべてLED化を果たし、それが店舗1区画当たりの賃貸料の軽減につながるという好循環としてますます活況につながっているという説明であった。

諫早市視察
アエル 駐車場の様子

甲府もそうであるが、これからの地方都市にあってはそれぞれ独自の都市計画が必要であり、街が何を市民に提供できるのかという視点が必要になって来ると考えている。しかしそこに到達する前に「市民は何を街へ望んでいるのか」と言う基本を見て取る努力が必要であり、その根本を忘れた開発はきっとどこかでしっぺ返しを食らう事となろう。それらがあって初めて国の支援が生きてくるのであり、初めに中活法(中心市街地活性化法)ありきで作られた計画など市民は何も感じていないと言う事をもう一度考える必要があるのではないか。

都市は生き物である。これに対して諫早市は商工会議所・市役所・商店街が非常によく連携していると説明があったのだが、わが市ではいかがであろうか。90分無料の駐車場にしても、周辺の民間駐車場からは人が大勢来るのなら歓迎するという言葉が流れたという。これについてもわが市ではいかがであろうか。いさはや市場は食品スーパーとなっているが同様の疑問は当然感じてしまうのだがいかがであったのだろうか。その上ここには前出県立農業高等学校の常設売り場の商品が他の農家の商品と同列で並んでいるのである。これも土地生産力の高いおおらかな諫早の人々は当然と考えているのだろうか。
実にうらやましい話ではないか。

わざわざ現地までご案内して頂いた諫早市の職員の方々には心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

諫早市ホームページ
諫早市中心市街地活性化基本計画(PDFファイル)

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