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兵庫県神戸市(危機管理体制について)−新政クラブ視察報告

2006年2月3日

1日・立川市→2日・鈴鹿市→3日・神戸市
神戸市視察報告
市役所26階から見たポートアイランド、その後が間もなく開港の神戸空港

あの忌まわしい1995(平成7)年1月17日の阪神淡路大震災から11年と言う歳月が流れている。我が会派の視察場所として「神戸市」を昨年の東灘下水処理場(神戸市復興10周年記念事業)に続いて選んだのは、いつ発生してもおかしくないと言われている東海沖地震に対して、甲府市の取るべき対策が何か他にあるのではなかろうかということで、特にそのソフト面での「危機管理体制」に重点を置いて視察させていただく事とした。

神戸市役所一号館は震災前の平成元年竣工の高層建物(30階建てで、25階以上を議会が使っている)である。本日は議会会議室で担当者から説明を受けた後、5階にある防災情報センターに移動し、さらに詳しい説明を受けた。この防災情報センターは阪神淡路大震災以前は会議室として使用していたのだが、震災発生当初からここに対策本部が設置された経緯があり、その後もこうして消防などと直接連絡が取れるなどの設備や、衛星電話などを備えて現在にいたっている。

このシステム化による効果としては、各場所の端末から直接被害等の情報が入力される事で迅速な対応や全庁的な情報の共有化が図れること。地理情報システム(GIS)により、被害場所などの特定や被害場所の情報を共有出来ることから適切な対応が取れる。防災関係施設のデータベース化により、迅速かつ必要な情報が取得できる事。被害者の数や必要な物資が全体的に把握できることで、避難所計画や物資配送計画が迅速に出来ること。避難者の安否情報や災害後の生活情報を市民にいち早く知らせる事が出来ること。などなど、実に特徴的な体験を生かしたシステム化が図られている事が印象的であった。

神戸市視察報告
市役所5階の総合防災司令室

また都市的特長(市内にCATV会社が3社あり、情報を市民に一度に配布すると言う点では技術的に困難であると言う)から情報の伝達には主に無線が考えられているようだ、当然昨今の情報機器の発達に伴い、携帯メールなどによる情報伝達も念頭にあるという。実に神戸ならではの考え方に満ちている施設であった。

そんな神戸においても、すでに震災から10年が経過すると職員の1/3、あるいは市民の1/4は震災を直接知らない世代になってしまっているという。そしてアメリカで発生した9.11テロや、SARS、あるいは鳥インフルエンザなどといった数々の脅威が市民に降りかかってくる事となり、市長の公約でもあったと言う事からこの新しい「危機管理体制」がとられたと言う事である。

この体制を作り上げるのにはトップの意識が必要であり、監視すべき議会の態度も重要と話してくれた職員には敬服したところである。また阪神淡路大震災の教訓として、あるいは、新潟地震の被災地での支援などを通じて「小さい自治体のほうが防災力が高い」と言う事を非常に感じたようであった。

今後の対策として「地域力を高める事が重要」と説明いただくとともに、情報は常に出しているが実際顔と顔をつき合わせて話し込んでゆかないと、地域コミュニティー安全計画といったような仔細に渡る計画は作り出せないようであった。全く甲府市も同様であろう。当然神戸市にも震災以前から自主防災組織は存在していたと言うのだが、実際の震災時には全く機能しなかったと言う。その反省からこの危機管理室も誕生する事となったし、都市計画において区画整理を行う場合の道路幅についても、一定の幅を取るということが住民にもよく理解できたのであろう。現在でもそのときの経験則から、食料以上に不自由した非常用のトイレの備蓄には力を入れているということであった。

神戸市視察報告
震災の折途中が崩れた市役所2号館は上を解体して使っています。

我々一行はこのあと「阪神淡路大震災記念、人と防災未来センター」へと移動し、映像や実際の展示物を通じて1.17を忘れないようにと作られたこの施設を見学させていただいた。ここは、「災害は忘れた頃にやって来る」と言う古くからのことわざをそのまま実際にあった大震災の事例として未来に伝えるべく、財団法人阪神・淡路大震災記念協会によって作られた施設で、今後も阪神・淡路大震災の経験を生かした災害対策の調査研究や、新しい社会システムなど21世紀文明の創造に寄与する調査研究を続けてゆくとしている。

この施設見学は、全国から修学旅行などで多くの子供達などが来ている様である。当日は数校の生徒達が順序良く見学している中を、他地方から団体で来ている大人達が申し訳なさそうに数団体見学していた。あの災害を目の当たりにしなかった方々には必見の場所である事は言うまでもない。

 

2006年2月5日  新政クラブ事務局  文責 野中一二

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