野中一二のページ | 活動 | 議会 | 街づくり | 環境 | 言いたい放題 | プロフィール | サイトマップ | 掲示板 | ホーム | 戻る

長野県小諸市

御影最終処分場

平成21年11月5日 環境水道常任委員会視察記録

11月5日・群馬県草津町 草津ウエイストパーク→長野県小諸市 御影最終処分場

午前中の視察予定地である「草津ウエイストパーク」から今度は浅間山を巻き込むように軽井沢を通り、ほぼ予定通り小諸市の御影最終処分場へと到着した。

長野県小諸市
処分場全景

ここは処分場ではない。これが第一印象であり、ここは「再生工場なのだ」と感じ入った。畑のど真ん中に忽然と現れる大きな穴といった様相のこの施設は、周囲をコンクリートの壁で囲まれたおよそ5,000坪ほどの穴である。その底はコンクリートで固められ、重機が数台走っている、確かに近隣の自治体名が書かれたトラックが入ってきてはダンプでおそらく焼却灰であろう物体を四角い部分に落としてゆくのだ。

通常一般廃棄物は最後まで管理され、一般廃棄物として有効な処分を行うことが義務付けられている、しかしこの施設はその一般廃棄物を途中コンクリート混入し、圧力を加えながら整形してゆく事で構造物の支持基盤として変化させてしまう施設なのである。

長野県小諸市
処分場完成予想図

一旦支持基盤と化した廃棄物はすでに廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)という法律の枠を超え、商品として今度はPL法(製造物責任法)の範疇に入ってしまう事となる。つまりこの支持基盤は「フジ・コーポレーション」の商品となってしまうのである。
これはなかなか分かりにくい部分だが、たとえば焼却した後の灰を溶融し、ガラス固化したものをアスファルトに混入すると、商品としての「エコアスファルト」に変化するのと同じ理屈なのではないかと考える。小生もこのあたりに対してはあまり深い法律知識が無いので、勝手なことは言わないほうがよいだろう、しかし、この会社が取得している特許では、この様にして焼却灰やばいじん、ガラスカレットを資材として再利用している点では、同じ物なのだろう。

長野県小諸市
事務所

繰り返すがとにかくここは最終処分場ではない。ではここで作られた支持基盤はその後どうなるのだろうか、話を聞いているとこの場所はマンションであれば30階建て程度のものが平気で立ってしまう場所に変化するという。だとするとこの施設は東京などの大都会の真ん中で、高層建築物を予定している場所で事業展開するのが最もふさわしいと思えてしまうのだが。ここではあまりにももったいない。但し、説明いただいた社長さんの故郷だという事で、新事業を行うにつけて周辺住民の同意をとるのにふさわしい場所なのかもしれないが。

長野県小諸市
処分場内部-1

施設としての能力は盛土材の原料として受け入れているのは焼却灰、ばいじん、廃乾電池、廃蛍光管、ガラスくず、陶磁器くず、廃プラスチック類、金属くず、粗大ごみ(粉砕後)、溶融固化物(スラグ)、廃家電(粉砕後)、などであるが、これを重金属固定セメント混練した物の製品として100t/時間、800t/一日8時間稼働、という事である。この場所での最大受け入れ量(盛土材圧密成形使用体積)310,000立方メートルという数字になっている。

長野県小諸市
処分場内部-2

以上のような受け入れ品に対して、その粒子が一定であるか否かの基準でA種B種に分け、それを一定の基準に合わせい練りこんだものとセメント、重金属固化剤を混ぜ合わせ、1個およそ25トン程度の大きさに仕上げて行きながらサイド部分を張り合わせるようにして次々と移動し、巨大なベタ基礎状態を作り上げながらこのおよそ5,000坪ほどかと思われる穴を埋めて行き、ほぼ周囲の地表と同一レベルまで積み上げて行くという事を繰り返しているようである。

ここでは雨水は表面排水しかなく、本来的には排水処理は必要ないと思われるのだが、工場内には一定の排水処理装置があり、しかもそれが2系統設置されているのには驚かされた。「どこからの水か」という問いに対して、最低基礎部分には導水管が敷設してあり、万が一浸出水などに汚染があった場合でもいつでも対応できるという説明と、雨水排水も念のため処理して施設外へ放流しているという事であるから、この実の汚水対策についてはこれ以上望む事はないであろう。

長野県小諸市
水処理工程

直掘りの施設であるため、従来の45度の法面が無く壁面は垂直となっているという説明だが、実際最近の護岸工法はこの直壁工法が多く普及してきており、この場所のようなできるだけ雨水浸入を避けたい施設では、この直壁は実に有効である。しかし、この壁に対しては周辺の地耐力がかなり要求され、最終工事が終了した時点では、すべてがコンクリート擁壁という状態になってしまうので問題ないが、其処へたどり着くまでの間はそれなりの支持が必要になってくるのではないか。この直立した擁壁の工事に対してもこの会社の独立した技術に裏付けられているという実に奥深いものを感じた。

一方で受け入れる品目の中で製品化した後ガスが発生しないようにするためだろうか、有機性廃棄物については厳しく制限し、副次効果として悪臭は発生しませんと周辺住民などに表明している。その結果現在周辺2市1町にまたがる11自治区と公害防止協定を結んでいる。また、周辺が優良農地である事から、収穫された農産物に対して年2回の残留調査を行い安心感を高めているようである。

長野県小諸市
水処理工程-2

再生工場でありながら一般廃棄物最終処分場でもあるため、維持管理積立金については法定分をしっかりと積立しているという話も聞いたが、一体どっちと言う感じは否めない。
それにしても実によく研究されている会社であり、特に今後の都市部の環境問題に対しては一定の試金石となる事業であることは間違いない。
以前焼却灰から漁礁を作り、海中投棄して漁獲量の増大につなげるという話を聞いた事を思い出したのだが、人間が手をかけて作り上げた副産物としての都市ゴミを、一定の範囲で安全に処理しつつ再利用を図るという点では実にすばらしい着想から生まれた処分場であると感心しながら帰路についた。

株式会社フジコーポレーションの皆様、大変貴重な技術を開示して頂きありがとうございました。

 

Copyright(C) 2009 by NONAKA Ichini
野中一二事務所
400-0016 山梨県甲府市武田2-11-19
電話 055-254-4040  FAX 055-254-4042

[UP] [戻る] [視察報告目次] [議会質問集目次] [2009年度] [議会目次]