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甲府で使用されている天然ガスについて

国際石油開発帝石ホールディングス
南長岡ガス田 越路原プラント

2008年7月16日 新政クラブ会派視察

7月16日・南長岡ガス田 越路原プラント→17日・東京電力柏崎刈羽原子力発電所

今回の視察の大きなタイトルの一つは「日本のエネルギー事情」と言うちょっと大げさなしかしとても大切な内容であった。

洞爺湖サミットが終わり、改めて我が国が地球温暖化対策に果たす役割は一体何かという大きな投げかけも、一定の指針が示された事で今度はわれわれの日常的な生活の見直しが一層叫ばれてくることだろう。

現在我が国は食料自給率(供給熱量総合自給率、カロリーベース)がわずか39パーセントしかない。<農林水産省平成18年度資料による

南長岡ガス田 越路原プラント視察
越路原鉱場

しかし、エネルギーに関しては自給率たったの4パーセントというのが現状である。今年中にはガソリン1リットル当たり200円というのも次第に現実味を帯び、海外の投機マネーのせいだといくら叫んでもどうにもならないこの物価上昇が続く今、国内におけるそれらの原点をしっかり把握し、もう一度しっかりとした認識を持つことが必要ではないかと考えた結果の視察となったのである。

南長岡ガス田 越路原プラントは長岡市内から南西方向にある陸上ガス田である。

途中平成16年(2004年)新潟県中越地震の折、新幹線が脱線したという場所を遠目に見ながらおよそ30分でその鉱場に到着である。最初は事務所で一定の説明を聞き、この場所に年間1,200名ほどの見学者がある事、2007年末までに107億立方メートルをすでに採掘している事、国産天然ガスの46パーセントが新潟県産である事など、概要説明を聞くことができた。(通常の工場ではなく、鉱物を扱う工場であるのでこの字を使うとの事)

南長岡ガス田 越路原プラント視察
コンデンセードと原油の差

ではこの天然ガスはどのような状態で地中に眠っているのだろうか。答えは地中4,000〜4,500メートルほどのところにあるグリーンタフ(日本名を蛇紋岩)という岩の中にあたかも髪の毛が挟まっているような縞模様になって様々なものと一緒にあるという事であった。私も錯覚していたのだが、例えば原油は一定の帯状になって地中に存在していると思っていたが、確かにそれでは危険すぎる。ましてや気体であるガスは当然原油などの上にたまっていると考えられがちだが、実際はこの様に岩の中にしみている状態なのだ。だから石油を掘ったりガスを掘ったりした後も地盤沈下の心配はないわけだと妙に感心してしまった。

ここのプラントでは日量420万立方メートルを処理し、副産物としておよそ500キロリットルの石油を同時に産出しているという。しかもこの長岡ガス田は原油ではなくコンデンセート(ナフサ)が同時に産出しているという。ちなみにこのガスが眠っているあたりの気象条件は550気圧前後で180〜200度Cという恐ろしく高圧高温な場所のようである。

南長岡ガス田 越路原プラント視察
ガスタービン発電機(IHI製)

これらの説明を一通り聞いた後鉱場内を一回り見学させて頂いた。気になったのは随所にアラビア語と英語、そして日本語による注意書きが示されていた。これに付いては海外からの技術留学生を受け入れている関係で、このような表記になっているのだそうだ、ここでも国際協力事業がおこなわれているのには驚かされた。またこの鉱場では、ジャンボジェットのエンジンを使った余剰ガスによる発電設備についての説明を受けた。出力55,000キロワットのガスタービンコンバインドサイクル火力発電であり、鉱場内使用は勿論、PPS(特定規模電気事業者)向け電力卸供給へ進出しているとの事であった。

掘削現場AE-12 越路原プラントからおよそ2キロメートルほどゆくと、本年より掘削開始したAE-12という井戸があり、その現場を見学させて頂けることとなった。

南長岡ガス田 越路原プラント視察
AE-12号井戸

この採掘井は計画が地下4,900メートルという事であり、現在約4,000メートルを掘り進み、本日はセメントミルク注入のため掘り進んだシームレスパイプを抜き終えたところだという事であった。全体の骨組みであり、パイプを支えるための支柱の役割も果たす「リグ」はその高さが56メートルあるという。これは10メートルのパイプを3本づつ繋いで抜き出すために必要な高さという事であるが、一度接続したパイプを10メートルずつ引き出したのでは効率が悪いという事で3本づつ引き出すそうだ。

では4本づつのほうが効率がさらに良くなるのではという質問に対しては、人間の目視に頼る部分があるのでこの程度が一番よいとの事、実に人間的な現場である。しかもこのパイプを途中で自在に曲げることができるというのだから驚きである、確かに住宅地の真ん中にガス田がある場合でも少し離れたところから掘り進め、適当なところから曲げて進めればよいのであるからこれは合理的な仕事である。しかし、いったい誰がこの厚さ5mmほどもあるパイプを曲げながら進めるという事を考えたのだろうか。

南長岡ガス田 越路原プラント視察
ビット各種

このパイプの先端には命とも言うべきビットがあり、現場で使用済みのビットを見せて頂いたがトリコンビット(tri-(三つの)、cone(円錐)を組み合わせたビット)が主力のようである。但し、その地盤の強度などにより細かく使い分けているという事であった。

中にはタングステン合金を使った物や、ダイヤモンドを使った物など様々な種類を使い分けるのだそうだが、1個5〜6百万円ともなれば当然最適なものを選んで使うだろう。また掘削スピードもこのビットの使い方によっては4メートル/1日が40メートル/1日であれば、当然早いほうがコストがかからない。このようにして掘った穴はタケノコをさかさまにして地面に埋めたような形になっているとの事だ。つまり地表部分が大きく、地下にゆくに従って細くなってゆくという構造である。しかもこの井戸が途中で曲がっているのだから驚きだ。その上このビットを動かしている動力は泥水だという、確かに数千メートルの電気コードは無理があるだろう、そのうえショートして地中で不要な爆発があればこれも望ましいことではない、そういえば昔から「井戸掘りは泥水」と言われていた気がする。最新鋭の掘削でも、やはり「泥」というのも面白いが当然その泥にはいろいろな仕掛けがあるのだろう。

この様にして掘り進んだ井戸には最後に地表面に「クリスマスツリー」と呼ばれているバルブを取り付け終了となる。残念なことにこのツリーは実物を拝見することはできなかったが、その周辺のパイプなどは内径100ミリメートルで耐圧700Hpaというとてつもない圧力に耐えられるよう設計されている部品で構成されているため、たとえば某国の攻撃があったとしてもこの部品を壊すのは相当難しいのではないか。しかしこのような施設に対しての安全性などからみても、相当の努力がはらわれていることは現場全体を通じてひしひしと伝わってくるものがあった。

この井戸は10月完成との事であるが、我が甲府市のエネルギー確保について、このような形で努力してくださっている方々がいる事を忘れてはならないと思う。

帝国石油のみなさんありがとうございました。

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