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北海道帯広市

中心市街地活性化事業としての屋台村

平成22年7月22日 新政クラブ視察記録

7月22日・帯広市 → 23日・石狩市 石狩川の空間利用について

一番に感じたのは「気温の差」でした。22日は帯広、寒かった。日中の最高気温が17度。前日の甲府は37度だったので、その差20度。そして向かった石狩川では22度。その日は天気予報を見ていたら帯広は30度。何とも言い難いこの差はすごい。

帯広市
屋台の模型です。

さかのぼること12年(1999年4月〜2001年7月正式オープン)、帯広JC(青年会議所)のメンバーたちを核にした若者たちは、衰退してゆくこの町に対して「何か出来る事は無いのだろうか」という素朴な疑問からこの事業を立ち上げたとの事であった。その志を表すキーワードとして
 ○場所の意志に添った「まちづくり」をやろう!
 ○困難に思えることでも智恵と行動力でチャレンジしてみよう!
 ○もっと場所の特性を考慮した特色ある「まちづくり」はできないだろうか?
 ○人の物真似はつまらない。

などという言葉が羅列されてきた、そこで商いの原点である「屋台」をキーワードに寂れた中心街に賑わいを取り戻すぞ!と調査・研究を楽しみながら、常に情報をオープンにして活動を続けてきたとしている。

帯広市
昼間の屋台村はこんな感じ

しかしそこには冬場は氷点下30度にもなると言う極寒の地という不利や、衛生面の配慮や都市計画と言う実に画一的な理由によって全国でその姿を消してきているという事実も浮かび上がってきたと回想を話してくれた。しかしそれをチャンスととらえ、新たなスタイルを作りだそうと「北の屋台」でまちづくりを始める事としたようだ。

実際の法律論で屋台を呪縛してみると、移動式のキッチンはだめ、上水下水が整っていなければだめなど、屋台の設置場所として従来利用されてきた歩道や道端と言った場所ではほとんど不可能だと考えられるのが現状である。

帯広市
中では仕込中

ではなぜこの場所が許可を得る事が出来たのか、まさにそこのところに逆転の発想があったとうなづいた次第である。例えばキッチンは屋台後部で固定式とする、しかも一列を一つの建物であると接続した形での建築許可の申請。当然上水についても後に個店となる一台のシンクに対して1口の上水とし、下水も同様に埋設整備してゆく。これらの作業で十分出来上がりは一列5店舗のマスを用意した屋台となってしまうのである。しかし、この許可を最終取得するまでに2年半かかったと言うから、情熱の継続だけでも大変な努力をしただろうと推測できる。余談ではあるが、この認可を取得するまでの期間はほぼ対マスコミ戦略に費やされたと語っていた。それはほぼ毎週のように地元マスコミの紙面を飾るこの屋台村構想が読者の目に飛び込んでしまい、いつの間にか市民が共同で参画している行事ではないかとさえ感じられてしまったのだろう。しかもそれらの記事をすべて1冊の冊子に仕立ててあり、視察に訪れた各地の方々に差し上げているのだそうだ。参った

現在のこの屋台の様子などは、定点カメラの映像で24時間映し出され、インターネット経由で配信されている。きっと私がここの専務さんと徘徊しているのも映し出されていた事だろう。同時にほとんどの情報がインターネットで配信されており、あえて小生が説明するようなことは無いのかもしれない。

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各店で工夫している防寒対策

しかし、この組合(協同組合として運営されている)がスタート時点で全国中小企業団体中央会から6千万円の資金を提供された事、3年間しかここで事業は出来ない事(起業家支援の側面を持つので3年で一応の区切りとし、その後については再び審査を受けて店舗を続ける必要がある事)、3年間で一応の独立資金を蓄えたり顧客をつかんだ後に、市内のビルなどにある空き店舗で新たなスタートを切るのが一つの目標である事等の仕組みは、聞いてみないと理解できないものであった。
しかも3年間の契約ではあるが、他店の悪口を言った場合は即刻退店するという契約書にも捺印しているそうである。

この日説明役を引き受けてくださった久保専務さんは、学生時代ラガーマンだったそうで、この屋台の精神もラグビー精神(One for all All for one)そのものだと語ってくださった。

現在この場所から通り一つはなれた場所で、新たな屋台村を準備してオープンさせたという。それもすべて帯広市中心部の活性化につながり、続けて十勝地方の発展につながると自信をもって語ってくれた。

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新しい屋台村、十勝の長屋

実際各店舗の売り商品は圧倒的に地元食材を使った商品が多い、しかもここでは定期的にその調理法を指導する会を行っているという(勿論市内の方々に対して)。それだけではない、この場所を使って朝は花屋、昼は八百屋等を並行して開店させているという、つまり郊外へ出て行った消費者に、便利と安らぎを同時に提供しているではないか。その上出店者は毎月1回の会議出席が義務つけられていて、それぞれの店のノウハウを提供しあうと言う事も行っていると聞く。またオーナーたちは十勝地方の観光案内が出来ないとその資格がないそうだ、自分たちがよければいいのではないと、はっきり否定されてしまった。

各店の詳細は屋台村ホームページからどうぞ。
また、ホームページでは毎月の売り上げまで記録されている。 この力が年間10万人、売り上げ3億円、40パーセントが他の地方からきているという数字を叩き出している。

帯広駅周辺ではホテルラッシュが続いていて、私たちが泊まったホテルもまだ1年目だそうだ。なぜかと言うと、屋台村ではお酒飲みますから、つい宿泊が必要になってしまうとの事。思わぬ副次効果があるものだ。

 

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