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秋田県大館市

株式会社エコリサイクル 資源リサイクルについて

平成21年11月11日 新政クラブ視察記録

11月11日・秋田県大館市 株式会社エコリサイクル(DOWAエコシステム株式会社)資源リサイクル → 12日・青森県八戸市 リサイクルポート

羽田出発が雨による視界不良で30分ほど遅れてしまった、その上きょうは青森空港から秋田県の大館市へと向かう行程なのでいささか不安であったが、予定の時間に大館市へと到着できたのでほっとしたというのが実感である。地図で分かるのだが、北東北は遠い。

株式会社エコリサイクル
花岡地区配置図

そもそも同和鉱業という社名であった同社が平成18年(2006年10月1日)に持ち株会社制を導入し「DOWAホールディングス」と5つの事業会社を中心とした新組織へと移行し、その内使用済み家電製品などの再生処理を行う資源リサイクル分野の1社である「株式会社エコリサイクル」が今回の視察の中心である。あとで気がついたのだが、実際はこの会社だけで事業が完結しているのではなく、小坂製錬など周囲に点在するグループ企業がそれぞれの持ち味を生かしながら、さまざまな資源をリサイクルしていると言う。それら関係先を系統立てて視察すべきだったと悔やんだのだが、担当者の説明はその垣根を越えて親切に且つ詳しく行われたので、非常に意義ある視察となった。

この秋田鉱山は、黒鉱の鉱山があった場所で(黒鉱とは閃亜鉛鉱や方鉛鉱)亜鉛や鉛などのほか金、銀などの貴金属も採取していた。またこの鉱山は日本の金属鉱山としては珍しく、大規模な露天掘りが行なわれていた場所だと言う。

1990年代半ばに採算性の問題から鉱山としての事業を終了したのだが、その採鉱後地が深さ10メートルにも及ぶ粘土質である事から疎水性が高く、自然のダムとして最終処分地に非常に適していた事。鉱山で培われた製錬技術がリサイクル事業と深く関係し、家電リサイクル法に基づくリサイクル事業の基礎が出来上がっていたことなどから現在の事業展開に結びついたという説明であった。特にここで回収再生している物は家電リサイクル法(テレビ・エアコン・洗濯機・冷蔵庫の4品目が該当)によるBグループ(日立・三洋・ソニー・シャープなど)の全国14施設存在するなかで、北東北地区中核リサイクル施設として稼働している工場である。

株式会社エコリサイクル
洗濯機の分解現場

処理能力としては1日900〜1,000台ほどで、その工程は冷蔵庫ではまずフロンガスの回収無害化処理に始まり、断熱材の熱分解処理、鉄、非鉄の分離、鉄回収と流れて行く。驚く事は、フロンガスはコンプレッサー中にはおよそ150グラムなのだが、断熱材には1台あたり450〜500グラムが含まれているという事である。これらは安全分解温度である850度以上で分解され、無害化されているのだが、そこまで行くには「手作業」が中心になっているのだ。ここでの分解に対してそのノウハウは製造するメーカーに対してもフィードバックされ、いわゆる「再生しやすい家電」の設計に役立っているという、この様な地道な努力があってはじめて我々の手元に数々の家電製品が届く事になる事は、忘れてはならない現実なのだ。

ブラウン管式テレビでは、そのガラスの品質の違いからパネルガラスはグラスウール素材へと変わり、フランネルガラスは製錬副資材へと使われてゆく。しかしその分離工程などでも熱を加えながらやはり手作業である、洗濯機についても同様で、鉄、非鉄分離工程はともかく、基板を取り出すなどの工程では、手作業で進めている。隣の工場ではパソコンをリサイクルしていたが、これも人手がかかっている。その隣では「こでん」と呼ばれている小型家電のリサイクル現場があり、携帯電話やテレビゲーム機を解体し基板やバイブレーションモータ―、電池といった様々な部品ごとに集めている。これも作業員の手によって解体されている。

株式会社エコリサイクル
ブラウン管の分解現場

ここだけ見れば人件費の安い中国などでの人海戦術が効果的ともいえるであろうが、其処で分離される「レアメタル」は中国製になってしまうのだ。これではいつまでたっても我が国は資源小国で進むしかなく、外貨によって買い求められた希少資源をひたすら消費し続ける経済小国としてしか生きる道はない。

現代の日本は希少金属の宝庫と言われている。しかしこれは国内にあふれている携帯電話やパソコンと言った都市鉱山に眠っている、それらから限りある資源としての希少金属を回収し、再び製品として消費者の手に渡るように循環させている現場こそこの工場なのだと実感した次第である。
使用済み携帯電話1tからは200グラムほどの金が回収できるそうだが、これはわが国最高品質の金鉱山の10倍に相当する量である。それだけではない、DOWAエコシステムにあっては現在再生資源の中から17種類もの元素を回収しているという。金・銀・プラチナに止まらずガリウム・インジウムなどの希少金属が地道に回収されているのだ。これらの事業を効率的に推進できるよう、使用する我々も常に限りある資源を使っているという認識に立ち、適切な回収に協力し、限りある地球に生きているという事を実感しなければならない。

株式会社エコリサイクル
パソコンの分解

この地元秋田県では「こでん(小型電気電子機器)リサイクル」と言う事で、使用済みの小型電気電子機器回収試験を実施している。これは秋田県・東北大学・DOWAグループによるNPO法人RtoSの事業バックアップとしてスタートしたもので、スーパーや官公庁の入り口などに回収ボックスを設置し、小型の電子機器を回収し、レアメタル等の回収実験を行うとしている。この効果としては回収した機器の品目・量・製造年代などのデータ収集によりレアメタル等回収システムの構築に役立てる事とし、同時にこれら金属が環境に与える影響を軽減する事につなげる実験として全国に先駆け秋田県で進めているものである。
これによって従来は一般廃棄物として捨てられていたレアメタルが、再生されるという経済的・環境的効果と、不適切に処分された結果が招くレアメタルによる環境汚染の影響の軽減が想定されている。わが甲府市では再生処理業者こそ存在しないのだが、山梨大学工学部などと共同でこの様な社会実験に取り組む事で、環境首都としてのアドバルーンも大いに上がるのではないかと感じた。

以前からの私的考察として、甲府盆地は日本の静脈産業の中心足り得る地理的環境にあると信じている。中央自動車道とそれに続く中部横断道路の全線開通と言う2本の太い流れ、日本のほぼ中心に当たる地政学から見た条件、甲府市にあっては市域の67%地が山林であるという自然的条件など、まさに日本の静脈産業の集積が行われるべき地理的要因があると思えるのだが。

株式会社エコリサイクル
回収された「こでん」

最後に本日現場説明をして頂い株式会社エコリサイクルの担当の方に、「大きく分けて焼却・最終処分・分解破砕と工程がありますが、一番重要と思われるのはどの部分でしょうか」と問いかけてみた。結果は、ここに並べた順序であったが、もう1つ「今後の成長分野」はと言う問いに対しては、パソコン・ケータイリサイクルしかないだろうという回答であった。

この分野なら甲府市でも対応できそうだが、どうせだったら一廃・産廃の垣根を取り除き、現在計画中の4市による焼却工場を最大限利用して企業誘致を行い、甲府に次世代型リサイクル工場を作るという構想はいかがなものだろうか。

株式会社エコリサイクル様、多岐にわたりご説明いただきありがとうございました。この様な産業が甲府市にもほしいと痛感したところです。

 
株式会社エコリサイクル 株式会社エコリサイクル
「こでん」チラシ

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