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沖縄県宮古島市

耕作放棄地対策について

平成25年5月13日 新政クラブ視察記録

2013年5月13日・沖縄県宮古島市 耕作放棄地対策について → 14日・沖縄県那覇市 那覇市立病院地方独立行政法人化について → 15日・沖縄県那覇市 沖縄都市モノレールについて

宮古島は沖縄本島から南西に約300km、東京から約2000km、北緯24〜25度、東経125〜126度に位置し、大小6つの島(宮古島、池間島、来間島、伊良部島、下地島、大神島)で構成されている。宮古島市の総面積は204平方km、人口約55,000人で、人口の大部分は平良地区に集中している。

沖縄県宮古島市視察
東平安名岬 ここで東シナ海と太平洋が分かれます
沖縄県宮古島市視察
来間島から見た前浜、トライアスロンで有名です

毎年国際的規模のイベントである全日本トライアスロン宮古島大会、プロ野球のキャンプ、各種スポーツ団体の合宿等が行われていることはご存じだと思うが、それも高温多湿な亜熱帯海洋性気候に属し、四季を通しても暖かい気候であり、年平均気温は摂氏23度、年平均湿度は約80%という環境がもたらしているものと推測される。
我々が訪れた日がなんと梅雨入り宣言が出された日であり、時々降ってくる雨の中の視察行というちょっと残念な視察だったが、それも致し方ない。
空からの宮古島は広く耕作地が広がっているのが確認でき、調査通り耕作放棄地2パーセントというのもうなづける、今回の視察は事前に質問事項の大まかなものを提示して、その回答をいただく形をとってみた。その質問事項というのは以下のとおりである。

 1−08年からの5年間で153ヘクタールの耕作放棄地を再生させた原動力は何か。
 2−08年から導入している国の「農地制度実施円滑化事業」では、どのような事業を展開したのか。
 3−昨年からスタートした観光農園事業とはどのようなものか。
という3点を事前に質問事項としていたのである。

地下ダム  宮古島は最高地点で海抜107メートル、水の確保は死活問題です。 そこでサンゴ礁が隆起してできた特長を生かし、地下に延長52キロメートルもの堤防を作ったのです。 そして底にたまった水(塩分はありません)をポンプアップして生活用水や農業用水に使っているのです。

沖縄県宮古島市視察

調査結果

到着した宮古島市役所上野支所では、農業委員会の方々による素晴らしい資料に圧倒される中、実に丁寧な説明をいただくことができた。
それによると不在地主の所有農地の7割は地縁血縁者が耕作していることが判明、また農業経営基盤強化促進法の許可を得ていない小作(黙認耕作)による賃貸が行われているという。
これらを解消するために農業委員会では島外在住(宮古島不在地主)の理解と、地元担い手農業者の利用集積増加目的のため、再整備した農業基本台帳を基に農地相談会を毎年島内や那覇市・大阪。東京などで開催しているとのこと。対象者には事前に郵便などで参加を呼びかけ、それぞれの説明会に出席していただき、理解の度合いを深める作業を続けてきたとのことである。当然その費用は農水省からの補助金で行ってきたとのことであるが、それは2/3しか適用されないため、残りの部分は「不発弾処理」という名目で支出していただいたという独特の手順があったようだ。うらやましい限りであるが、それ以上に農業委員会の情熱を感じることができた。

沖縄県宮古島市視察
防虫ネットに覆われたマンゴウ畑

このような結果が質問事項1に表わされている5年間で153ヘクタールの耕作放棄地を再生させることを可能にしてきたのだろう。質問1・2は共通の部分が多数あることからおおよそ以上のような回答であった。
また質問3については、民間会社(東急リゾート)による開発であったが、会社側と3年にも及ぶ交渉の結果、今回の観光農園をスタートさせるという結論を導き出したのも、おそらく熱意あってのことに違いない。その内容とは、すでに宮古島地内に2つのゴルフ場を持ち、リゾートホテルを運営している会社の施設充実の一環として、耕作が放棄されていた隣接地を開発して南国果実がたわわに実る農園を整備し、間には遊歩道を設けて散策するなどのくつろぎ空間を演出するというもののようである。

現地ではすでにマンゴー・パパイアといった南国果実の苗木が整然と植えつけられ、おそらく防虫ネットであろうおおいで囲われているのが確認できている。その規模は非常に大規模なもので、歩いて散策ということになれば十分1日を楽しめるような規模であろう。この施設が完成することで、十分宮古島経済に寄与することは簡単に想像ができる規模の施設である。

余談であるが、この島の住宅は屋根に太陽光発電施設を載せている家が多く見受けられる、これは市が光発電普及拡大の一環として、市民連携型太陽光発電整備事業に取り組んでいる結果だろう。その政策は「エコアイランド宮古島」という名前がついている通り、住宅に太陽光発電設備を導入するに当たり1Kw当たり3万円(上限10万円)を出している結果だと説明があった。
金額は甲府市でも同じだが、照りつける南国の日差しを上手に利用することは、自然とともに生きてゆくという上手な知恵の一環ではないだろうか。狭い我が国にあって活用できるスペースはすべて活用すべきだと思うが、遊休農地を使った太陽光発電施設というのもあるようだが、それは本末転倒であり、農地は農地で再生し空間として未活用な屋根を使った太陽光発電というのが本来的なものだと思える。

沖縄県宮古島市視察
広がるサトウキビ畑

広がるサトウキビ畑はそれだけで十分南国のイメージではあるが、そこから発生する農業収益はそれほどでもないという。
しかもこの地では畑一枚当たりの面積が狭く機械化がまだ未発達であるのでそのコストは米国の3倍だということのようだ。迫るTPP(環太平洋経済連携協定)交渉の結果も気になるところであるが、この島でも後継者がいる農園では次第に南国果実に転換しつつあるという。
難しい問題を抱えてはいるが、基本の耕作放棄対策では我が国の中で一番進んでいる地域としてのプライドが、きっと次の農業形態においても成功への道へ通じてゆくと確信して調査を終了した。

農業委員会の皆様、丁寧な説明と資料に改めて心から感謝いたします。
ありがとうございました。


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