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沖縄県那覇市

那覇市立病院地方独立行政法人化について

平成25年5月14日 新政クラブ視察記録

2013年5月13日・沖縄県宮古島市 耕作放棄地対策について → 14日・沖縄県那覇市 那覇市立病院地方独立行政法人化について → 15日・沖縄県那覇市 沖縄都市モノレールについて

那覇市概要については、次のモノレールについての項目で説明いたします。

那覇市立病院は市民医療を確保し市民の健康と福祉の増進を図るため、昭和55年(1980年)に開設されている。以来、医療の高度化・多様化に対応すべく、最新の医療機器の導入、診療科の増設、施設の増改築を行い、現在の姿に移行している。その内容は診療科27科、一般病床470床の急性医療を担う中核病院であり、24時間365日小児専門医が常駐する小児救急を始めとする救急医療や、がん拠点病院として各種がん疾患専門の担当医を配置したがん医療を市民・地域住民に提供している。

沖縄県那覇市立病院視察
総合受付

 全国の自治体病院を取り巻く環境は、急激な医療改革や自治体の財政状況悪化に伴い、非常に厳しく多くの公立病院で行政補助なくしては運営できない状態になっている、医師や看護師不足、経営の悪化等で診療科廃止や病院の閉鎖等が相次いでいる中、当那覇市立病院では根本的な組織から見直し、厳しい医療環境の中にあって継続的、安定的に良質な医療を提供して行くには従来の組織体系では困難と判断し、市役所からはやや独立した迅速かつ柔軟な運営が期待できる地方独立行政法人へ移行することとしたとある。

 この地方独立行政法人とはいったいどのようなものなのかをまず検証したい。
この団体は「住民の生活、地域社会及び地域経済の安定等の公共上の見地からその地域において確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、地方公共団体自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるものと地方公共団体が認めるものを効率的かつ効果的に行わせることを目的として、この法律の定めるところにより地方公共団体が設立する法人」と定義されており、山梨県にあっては県立中央病院がその例にあたる。つまり非常に重要な組織であるが民間でこの事業がなされるという保証のないものであり、市民生活に直結した事業を行う組織のことである。
那覇市立病院においては、平成18年(2006年)よりこの議論は始まっており、それは平成4年(1992年)の過去最悪経営状態を克服しつつ平成7年(1995年)より黒字経営を続けてきたという自負心と、病院内に設置されている経営企画室による日常的な分析がこの事業転換をなしえたといっても過言ではない。

沖縄県那覇市立病院視察
合理化の道具 自動精算器

那覇市立病院ではこの独法化移行は病院サイドの意向で行われてきているというのが大きな特徴であり、独法は目的ではなく手段であるという意識が非常に強く働いてきたということも注目に値する。そして移行後のイメージもしっかりと抱いておりそれが(1:7 看護基準であり、DPCであり、新給与である)というように最終目的が病院改革であると位置づけられて進められてきたとしている。
それによる利点は次の通りだとしている。

 1−新規事業・職員採用の迅速化
 2−薬剤師手当の新設
 3−県外から採用する医師への赴任旅費の支給
 4−予算執行の迅速化
 5−事務局の変化
などが挙げられており、脱公立病院経営が顕在化している。

悪くなったこととして
 1−職員採用の募集時に採用期日の明確化(採用候補者名簿登載方式は不可)
 2−新卒ではなく経験者募集の際、年齢制限募集ができない
 3−障害者雇用における義務人数が3人から6人に増加
 4−雇用保険の負担が増加
などが挙げられているが、これは民間企業では当然のことと解釈した。

では、組織変更とともに職員の勤務条件はどのように変化したのかという課題に対しては。
 医療体制・勤務体制ともに変化なし
 医師の勤務体制も変化なし(但し将来的には評価制度を導入)
医師以外の職員については以下の通り
 1−わたりの廃止
 2−給与調整を廃止、その財源で夜間勤務手当を拡充
 3−新人評価制度を導入(給与への繁栄は将来とする)
 4−手当の整理(一部廃止と新設・拡充)
 5−プロパー職員(独法後採用される職員)への新給与表、新退職手当制度の適用
などが挙げられている。なおこれには監査法人であるトーマツからのアドバイスを受けて進めてきたとしている。

沖縄県那覇市立病院視察
病院内の配置図

実に風通しの良い組織となっているのが比較表で一目瞭然であった。
結果としての病院業績は従来に増して収益体質がしっかりと身に付き、近い将来には病院の新築も視野に入れながら前に進んでいるのがよく理解できた。
沖縄県にあっては、県立病院もあるのだが、それ以上に整然と合理化されたこの病院の果たす役割については誰しも納得しているといったところであろう。
では何がこのような組織変換に動いた力だったのか。
どうやら市長のリーダーシップと院長のリーダーシップ。
この2つが全国にも例を見ないような公立病院を作り上げた原動力であったのだろう、事務局職員との会話の中にもこのことがにじみ出てきていた。民でも官でも新しいことを始める(しかも古い殻を破って)にあたっては、全く同じではないか。私どもが以前視察させていただいた広島県みつぎ総合病院の例についても全く同様であったことを思い出してしまった。

沖縄県那覇市立病院視察
モノレールからの入り口

この病院へのアクセスはモノレールが直結しているというのも理想にかなっている。甲府市立病院ではそのアクセスが車以外考えられないことから多くの来院市民に負担を強いている。バスというのもあるのだが、定時制という点では一段格下の交通手段であり、高齢者で運転できない市民は市立病院へは行くことができない。
そのモノレールはまだできて10年目ではあるが、バス以外の公共交通機関のない沖縄ではこの上なく便利なものである。その手段をドアツードアで使えるのだから、きっとこれもこの市立病院の存在価値を高めていることだろう。

病院医局はなんと1フロアで仕切りなど無いようである、それが新採用の医師15名中13名が琉球大学卒業生であり、11名が沖縄出身者で占められている。
しかも初期研修医11名中9名が琉球大学であり、10名が沖縄県出身者で占められているというチームワークを作り上げているようだ。山梨医大では何人だったかなと思わず数えてしまっていた。

忙しい中対応して頂いた病院職員の皆様ほんとうにありがとうございました。

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