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沖縄県那覇市

沖縄都市モノレールについて

平成25年5月15日 新政クラブ視察記録

2013年5月13日・沖縄県宮古島市 耕作放棄地対策について → 14日・沖縄県那覇市 那覇市立病院地方独立行政法人化について → 15日・沖縄県那覇市 沖縄都市モノレールについて

我が甲府市ではリニア中央新幹線の駅が大津町周辺に決定し、そこからバスで現在の甲府駅に接続するということが決まってしまっているのだが、果たして将来に向かってほんとにそれでよいのだろうかという疑問が上がってきているのも事実であろう。そこでわれわれ新政クラブとしては、沖縄県那覇市に10年前に開業し、現在は1日当たり4万人を超える乗客があり、損益計算書では償却前利益を上げているモノレールを参考にさせていただくこととした。

沖縄都市モノレール視察
モノレールはこんな感じです

 那覇市は面積39.23平方km、沖縄県の県庁所在地であり、東南アジアのハブとなりえる位置にあり、1,500kmの円周域には、東京、ピョンヤン、香港、ソウル、北京、マニラなどの主要な都市がある。人口は約31万人であり、東京・大阪・横浜に次ぐ人口間密度の高い都市となっている。亜熱帯モンスーン地帯に属する沖縄の気候は、四季を通じて平均気温22℃、平均湿度が77%で、春秋の季節の特徴は、はっきりしていないが、連日、気温30度前後の蒸し暑く長い夏と気温16〜17℃の暖かく短い冬に分けることができる。また春から夏にかけては雨量が比較的多く、夏から秋には熱帯低気圧の通過路となって、毎年数個の台風が来襲し、偏西風によって沖縄近海が台風の進路変更点になっているため、台風通過の際、長時間にわたり強風におそわれることが多くなっているのが特徴である、そのため住宅はコンクリートで屋根を固めた独特の形式のものが多く、瓦屋根はあまり見られない。また航空自衛隊が管理する土地と、海上自衛隊の管理下の港湾以外はすべて都市計画区域に指定されていて、明確な区分がなされているのも都市としての特徴を作り上げている要因であろう。

沖縄都市モノレール視察
牧志駅から見た開発地域図書館・公民館・ホテル・ショッピングセンター

 モノレールができる以前には公共交通機関はバスしかなく、市民は車による移動を中心に生活していたとのことであるが、そのための渋滞は想像以上にひどく厳しいものだったであろう。笑えない話であるが、モノレールの乗客予想では半径500メートルを想定していたのだが、現実は半径200メートル程度しか利用されていないと言う。但しモノレールの沿線は都市計画区域区分の近隣商業地となった事から都市開発が進み、高層住宅が以前より一層林立する現在の姿が生まれてきたようである。
その開発の姿の一つとして牧志駅に隣接する地域は開発の中心が都市型ホテルでその下層階を商店街が支えているような姿が作られている。また建物内部には地区公民館と図書館が取り込まれており、市民の日常生活も利便性が向上しているということであった。

沖縄都市モノレール視察
モノレールの中から見た那覇市内

 本題のモノレールについては、正式名称を「沖縄都市モノレール」と言い、愛称で「ゆいレール」と名付けられている。那覇空港から首里までの12.9キロメートル15駅を営業区間としており、平成15年(2003年)8月10日に開業している。片道約29分で進行し、定員は1編成2両で165人、通常およそ10分間隔で運行し、ピーク時には6分間隔の運行をしている。

法人会社のIR情報は以下の通りです。
 h23_accountsbook.pdf(平成23年度事業報告 PDF 360 KB)
昭和47年(1972年)度から調査が行われ、平成14年(2002年)度にほぼ全線の運行を開始し現在に至っている。建設については国、沖縄県、那覇市と沖縄都市モノレール株式会社(沖縄県、那覇市、沖縄振興開発金融公庫及び民間企業の共同出資による第三セクター)が一体となって建設し、インフラ部(モノレールの走行する軌道構造物等)は国、県、市が建設し、沖縄都市モノレール株式会社は、車両、変電所、電車線路、信号通信、駅施設設備などを施工し、モノレール事業を経営します。なお、インフラ部はガソリン税・自動車重量税など、自動車利用者の負担(道路特定財源)で整備したとの事である。その総工費は約1,000億円となっていて、この数字を甲府市の事例に当てはめると約700億円という数字が導き出される。

沖縄都市モノレール視察
県庁前駅の様子、市役所も県庁と並んでいます

那覇のような人口密集地だから経営的に成り立つのだろう。という意見がすぐに出てきそうな話であるが、この運営会社は数々の工夫を凝らして乗客確保を続けている。
たとえば高齢者による貸切車両の運行は、修学旅行に戻ったようだと反響が非常に多かったようだし、1日あるいは2日パス券は観光で訪れた人たちに喜ばれているとの事。
また路線を引く時点で市役所・県庁をつなぐ場所に駅を作るなど市内を一方的に直線で結ぶようなことはしていない。そのあたりから次第に乗客の確保ができ始め、現在では更なる延伸が計画されているという。
それは沖縄自動車道路と接続し、北部の名護市から高速バスを使ってのバスアンドモノライドという方法で那覇市の価値を高めることを目的としている。自動車道路との結節点には1,000台駐車できる駐車場を整備し、名護市など沖縄北部からの移動者を結節点の駐車場に集め、そこからはモノレールで移動していただくという手段をすでに講じようとしている。間もなく完成ということだが、これによる那覇市内の交通渋滞も大幅に緩和されることとなろう。

沖縄ではかつて馬車軌道や軽便鉄道・電気軌道が存在したようだが、それらは廃止、もしくは戦争により破壊されバスが広く普及したという極めてまれな歴史を持っている。それらの過去を払しょくするような新しい移動手段としてのモノレールが登場し、しかも利益を上げているというこの姿にはある種の感動を覚えた。町の中でも「沖縄の人は歩かないよ、だからもっと駅の駐車場を整備してくれたら便利になるのにね」といった意見も聞くことができた。また一方で長寿県沖縄が今はもう見る影もない、それは食生活の洋風化と運動不足が主な原因となっていることから「歩け歩け運動」を提唱し、モノレールを使っての通勤や通学を呼びかけている団体も数多くあるようだ。いずれにしても英断で建設したモノレールが今新たな沖縄の足となることは間違いがないようだ。

沖縄都市モノレール視察
市役所の壁面緑化はこのように行われています
沖縄都市モノレール視察
円形議場、議場内のモニターへ映し出されている様子です

今回の視察で訪れた那覇市役所はまだ建築後間もない新しい建物であった。壁面は平面でなく凹凸が施されていてその空間を緑化している。おそらく亜熱帯モンスーン地帯独特の気候を最大限利用した工夫により、快適な執務ができる空間へと変化させようとしているのだろう。奇抜な外観とも取れるが緑化が進むと自然との調和がとれた美しい建物と変化してゆくことだろう。
またその4階に位置している議会は円形議場で構成されている、我が国の中では数件の事例があるようだがこれも従来型の劇場型議場とは異なったスタイルで、より市民意見を取り入れようとする心意気が表れている。ちなみに我が甲府市では新議場は対面式の議場であり、常に当局と議員が対峙する形をとっている。

那覇市役所の皆様、丁寧な説明と民謡による歓迎に心より感謝いたします。

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