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大阪府岸和田市

岸和田市貝塚市クリーンセンター

平成21年10月27日 環境水道常任委員会視察記録

10月27日・大阪府岸和田市 岸和田市貝塚市クリーンセンター→28日・大阪府高槻市 地域新エネルギービジョンと高槻の水道施設
今回の視察は岸和田と聞いて、もうずいぶん昔の事だなあと感傷に浸ってしまった。私が大学を出てすぐに大阪の会社にお世話になったころの話だから、ふた昔前の事である。会社の倉庫が岸和田にあり、数ヶ月間研修のため岸和田勤務になったのだ。もちろん工場内に宿舎があったのでほとんど出かけることも無かったのだが、岸和田祭りとちょうど重なっていて、あの勇壮なだんじりのやりまわしを見に行ったのだ。そんな思いを感じながら電車で向かっていったが、車窓からは当然そのころの面影はかけらもなくなってしまった街並みが続いていた。
岸和田市貝塚市クリーンセンター
管制室から見た各所の監視カメラ

この施設は岸和田市(人口203,513人)、貝塚市(人口90,617人)の2市による一部事務組合事業として「じん芥処理場の設置及び管理ならびに、じん芥処理に関する事務」を共同処理している。クリーンセンターの竣工は平成19年3月で、大阪湾に新たに計画された大阪府港湾局が事業主体の「ちきりアイランド(総面積142ヘクタール)」と言う埋め立て事業によってできた人工島の一部にあり、その処理能力は531t/1日(177t×3炉)のストーカ炉と、リサイクルプラザでの粗大ごみ破砕処理41t/1日、資源化施設(分別施設)32.6t/1日で構成されている。

当然のことながら廃熱利用による発電設備として12,000kwの発電出力を持つ自家発電を行い、工場内の電力を補っている。(3炉が稼働し、溶融施設が稼働している場合は不足してしまうとのことであった)

岸和田市貝塚市クリーンセンター
プラズマ溶融炉の説明版

また、この施設の特徴は灰溶融に対して「プラズマ溶融炉」を併設し、最終的な焼却灰の資源化も目指している。しかし現在のところ大阪府も岸和田市も溶融スラグのアスファルト混入は認めていない様子であり、工場からは大阪湾で行われている「フェニックス」事業へ投入しているとの事である。ちなみに焼却炉についての設定温度は意外と高く900度で、溶融炉については1,500度であるが、焼却炉の900度ではダイオキシンは完全に分解できるが、4酸化窒素が増えてしまわないだろうか心配なところである。一方の溶融炉についてはそのスラグを拝見させていただくと非常に質が高く、これはその設定温度が高いことからきているのかなと感心したところである、この様な高品位のスラグに対しては何とか再利用の方向を見出したいものである。

この工場は非常に清潔な印象を持つ建物で、当然のことながら環境学習施設としても有効に機能している事が十分理解できる施設であり、そこでは5つの工房で27名の市民ボランティアが運営しているという。しかし場所としてはあくまで人工島であり、自転車などでちょっと来るという場所ではない事から、市民の交通アクセスについては不評のようだ。例えば人口の少ない場所として山岳地帯へ焼却施設を設定するか、あるいは此処のような海面の確保が出来る地域では海上へ設置するか、いずれも可・不可が発生し、これからのごみ処理施設のような周辺住民が望まない施設についての設置について、それぞれ各自治体は苦慮するに違いない。海面確保が出来ない我が山梨県としてはうらやましいような立地条件を備えていると思えるのだが、其処はそれなりに抱える問題があるのだろう。

岸和田市貝塚市クリーンセンター
ダンプ式の個人持ち込み対応ピット入口

一通りの説明を会議室で聞いた後、工場内の見学コースに従って研修させていただいた。最初の説明ビデオで岸和田市のごみ収集の様子が映っていたのだが、甲府市と違いすべてキャスターの付いたコンテナにゴミが入っていて、作業員の方がパッカー車の後ろにそのコンテナをひっかけると自動でパッカー車の入り口にゴミが入ってしまう。実に作業環境の良い収集方法であり、これは衛生面でもお勧めしたい収集方法だと感じた。

その後工場内では各施設の紹介とその機能を的確に説明して頂いた。とくに市民によるごみの直接持ち込みに対しては、転落防止という意味だそうだが一旦台の上に置き分別をした後、その台が傾斜しごみピットに入る仕組みになっていた。この様な施設ではいつも慣れている市民が来るとは限らないので、安全対策としては十分に機能を発揮する仕組みではないだろうか。またごみピットには自動放水設備がついていて、ピットからの火災を即座に消化できる仕組みが装置されている。これも十分な安全対策として有効な手段だと感じたが、今まで見学してきた他都市の施設には果たして装置されていたのだろうか、私の注意力が不足していたのかもしれない。

岸和田市貝塚市クリーンセンター
全自動消火ホース

ピットから焼却炉へ投入する際の入り口は7,000×6,600あり、一度のクレーンの操作で8tのごみを投入できる、そして炉の入り口の口径は2,800×1,700であり、かなり大きいものも直接投入できるようになっている。これがいわゆるストーカ炉が災害時に強いと言われる優位性であり、最近のキルン式ガス化溶融炉などでは、ここに破砕機をつけて200×200程度の大きさにまで小さくする必要がある。ちなみに現在の甲府市環境センターのストーカ型焼却炉では最長900しか受け付けていないのだが、これもこの入口の大きさからきている。(長さ単位ミリメートル) この工場のごみピットは最低が大阪湾水面高と同じに設計されていて、もし工場が破壊した場合でもピットが浸水するようには作られていない。

この地域(岸和田市・貝塚市)から排出されるごみカロリー数は、平均2,185KCalあり、十分自燃するカロリーを持っている。

さて、私の最大の疑問がここでの溶融施設はプラズマ式と言う事だった。この方式はランニングコストがかかるので、相当の覚悟が必要だったはずだ。ちなみにここでもやはりプラズマトーチは2年ほどしか持たないうえ、トーチ先端の部品は1個5〜6百万円するものが、2〜3週間で磨滅してしまうとの事であった。プラズマ式であるため使用する電力量は2,000kwと大きく、自家発電装置で発電したとしても、今後なかなか大変だと感じた。

今後わが市は笛吹市・山梨市・甲州市と一部事務組合を作り新たな焼却場を建設してゆくのだが、ここの施設はそれの参考の一助となる施設である。当然ながら市民の理解を得て進めて行かねばならない地方自治体固有の事業ではあるが、環境という大きな視点で考えた場合には「いかにしてこの施設の負荷を減らすか」という視点も重要ではないだろうか。

岸和田市貝塚市クリーンセンターの皆様、丁寧な説明ありがとうございました。

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