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大阪府高槻市

高槻地域新エネルギービジョンについて
高槻の水道施設(ウォータープラザ)の視察

平成21年10月28日 環境水道常任委員会視察記録

10月27日・大阪府岸和田市 岸和田市貝塚市クリーンセンター→28日・大阪府高槻市 地域新エネルギービジョンと高槻の水道施設

本日視察に訪れたのは大阪府高槻市(人口358,756人平成21年9月末現在)で、大阪まで新快速で11分、京都までは12分という摂津の要ともいうべき場所にありながら市域の44パーセントが山林であるという都市である。

とくに問題なのがこの都市は昭和40年代に電器産業・製薬産業などの工場進出で人口急増し、現在の概要が形成され、平成5年以降は逆に1世帯当たりの人口が減少するとともに世帯数が増えているという現在日本を象徴する都市形態となっている点である。しかし高齢化率は21.97とまだまだ低く、ちょうど世代交代の時期が来て住宅などの新築が多く見込まれる中にあって、戸建て住宅率が高い事で「屋根がある」利点を活用しながら、ソーラーシステムへの補助などが出しやすいという恵まれた都市環境があるようだ。

高槻地域新エネルギービジョンについて

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ロビーでわかる太陽電池パネルの稼働状況

ここでは具体的事業として、新エネルギー普及・啓発に活用する「環境基金」(原資は資源ごみ売り払い金、ごみ焼却発電売電金、寄付金など)が平成19年に創設してあり、従来はごみ集団回収への奨励金などに集中して活用されていたが、今後は住宅用太陽光発電・熱利用機器への補助、太陽電池式LED照明灯、犬のフン対策用品の交付などに広く活用してゆくとしている。新たな取り組みは太陽光発電システム補助(3万円/kW×上限12万円×100件)、太陽熱利用システムへの補助(3万円/基×20件)、木質ペレットストーブへの補助(3万円/基×10件)などの民生用補助をはじめとして、行政が率先して行う課題として市庁舎への太陽光発電設備の導入(10kW出力のものを庁舎4階の屋上に設置し、環境教育用に利用するべくロビーに発電量を表示している、167w×60枚という大きさで、土台15t・枠2,5トン・本体1tで、これだけの重量があるものだからどこでも設置できるといったものではない、それなりの耐震構造が必要で、この場所しか設置出来なかったという話である)

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太陽光発電LED照明灯

その後庁舎正面に設置してある啓発用太陽電池式LED照明灯の説明を聞き、平成19年に3か所へ設置、平成20年度は5か所へ設置、平成21年度は3か所に設置する事としている。この照明灯は太陽光発電によってできた電気をバッテリーに蓄え、夜間省電力型のLEDライトで照明するというものだが、実際の照明機器とは違って照度が劣るのであくまで啓発用のライトであるとしている。ちなみにその設計照度は直下で20ルクス以上、半径3メートル範囲で3ルクス以上としている事でもわかる。しかし実際の災害時などですべての照明がきれいしまった場合ではこれでも十分心を癒す明かりとなり得るだろう、それゆえ設置場所については非常に神経を使い、啓蒙啓発が最優先という事で公園の入り口など、市民の目に付きやすい場所を選んで設置している。

その他高槻市では「たかつき緑のカーテン大作戦」と題して、学校を含む公共施設に対し、平成20年の初年度で57か所、平成21年では62か所の「ゴーヤによるカーテン」事業を行っている。この事業には市民のモニターも参加し平成20年は100件、同21年には297件のモニターが実験に加わりアンケートを回収しているという事である。しかもこの事業費は本年で100万円ほどという事であるから実に効率よく機能しているなあと感じた。余談であるが、ゴーヤのカーテンは保育所で大人気だという、ゴーヤの葉が横に伸びるという性質から適度に光をさえぎり、室温がおよそ5度下がると言うが温度自体よりその遮光された明るさが保育園児たちを自然な眠りに引き込むからなのだろうか。

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喫煙庭園

午前中の視察は環境部環境政策室の課長さんを中心に説明いただき、その後は市役所総合センター15階のレストランで昼食をとった。窓からは淀川を挟み枚方方面が実によく見え、ずいぶんと変化した街並みに驚きつつこれが市役所内の食事処で出される定食なのかと、こちらも驚かされた。

食事後ロビーで行われていた「ロビーコンサート」では、高槻出身の音楽家がマリンバとピアノを弾いていた、これは生涯学習事業の一環として定期的に開催されているコンサートのようで、ロビーの使い方の一つとして次の甲府市役所新庁舎にも十分参考になるものである。

驚いたのが市役所本庁舎と後から作られた総合センターの間にある空間が「喫煙所」であった、しかもここには小川が流れ、小さな水辺と植栽が施されていてベンチまで用意してあるのだ。とかく邪険にされる喫煙者だが今まで訪問した公共建物の中でNO1と言って良いくらい喫煙者を差別扱いしていない、甲府市ではこのたばこ税が年間14億7千万円ほどあり、しかも収納率100パーセントなのだからこれはちょっと見習いたい。勿論喫煙者以外はこの場所に入らなくとも外の通路越しにこの箱庭のような風情は十分楽しめる仕組みなのだから、余計うれしい。

高槻の水道施設(ウォータープラザ)の視察

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大冠浄水場赤いランプが取水井

午後からは高槻市水道部の視察のため「大冠浄水場(ウォータープラザ)」へ移動し、水道部職員の方から実に丁寧な説明を聞く事が出来た。

高槻市の水道事業は自己水(井戸水)30%、府営水道70%で構成されていて、この大冠浄水場(おおかんむりじょうすいじょうと読む)の敷地内にある8本の取水井が自己水の汲み上げ用として使われている事を聞き、市域の南部と中部が主なる配水地域になっている他、2か所の簡易水道によって市域全部を賄っているという話を聞いた。

まずはじめのDVDによる説明は水と言うものの本質まで簡単に説明してしまう実に優れた作品であり、後でコピーを頂きたいと言うと「これは高槻市水道局と電通による作品で、著作権は電通さんですからコピーできません」という。しかもその時通産省から賞状を頂いたほどの作品だという話で、これならば賞状がもらえるだろうと感じ入った出来栄えだった。この様な優秀な作品を見てから水教育を受ける事が出来る高槻市の子供たちは実に幸せだ。

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エアレーションタンク

その後室内のポンプ室、ウォータープラザなどで一通り流れを見せて頂いた後実際の取水井、エアレーション設備、着水井、酸化槽、急速濾過機という順で回り、出来たての高槻の水を頂いた。

この流れの中で特に「エアレーション設備」は高槻市水道部が全国初の設備として開発したものだそうで、当時問題となった水道原水(とくに井戸水)に混入するトリクロロエチレン、シス1,2−ジクロロエチレンなどの化合物を除去する方法としてその後はここから全国に普及する事となった施設だと言う。

原理としてはこれらエチレン化合物はとくに洗浄廃液などに含まれていて管理が徹底していない時代地中混入したものと考えられている、しかしこれらの物質は揮発性物質であり、そもそも親水性では無いなどの事からエアレーションによって除去できるのではという発想があったようだ。

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エアレーション設備内の充填材
2センチの丸がつながった5センチ程度の大きさ

最終的なこのタンクの構造は、一番上部から均一に原水を降り掛けるように落とし、効率よく下からの空気ブローがいきわたるように充填剤を詰めこれらの物質を除去する設備と言う。幸いわが甲府市の水道事業の中ではこれら物質は検出されることなく今日まで来ているが、万が一日常検査で発見されても高槻市の先駆的技術のおかげで除去できる事はわかっているので安心である。

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鉄分とマンガン分が張り付いた流水路壁

この水道施設ではその後鉄分とマンガン分除去のため他の施設とは違いここで次亜塩素酸ソーダを混入し、水道水基準塩素濃度を十分満たした安全で安心なおいしい水を供給している。

鉄分とマンガンが多いという事はその流路に付着した酸化鉄と思われる赤い筋とマンガンであろう黒い筋からも想像できるが、市民に対し命の水を供給することの大切さを改めて感じさせてくれる施設である。

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急速濾過装置

この大冠浄水場には親水施設として滝や噴水(勿論循環水を利用しているが)があり、其処にある井戸は最近の子供たちは使い方さえ知らないだろう。

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ウォータープラザ内の展示品

ウォータープラザの展示物の中には鋳鉄管の現物断面や、時間によって市民が使う水の量が一目で分かるなど、楽しく理解できる施設として多くの小学生が利用しているという。環境教育の中でも身近な水教育は、地球的規模で考えると実に恐ろしい事態であるがゆえに、この様な実に工夫された施設できちんと学ぶ事が出来るということは素晴らしい事である。

高槻市水道部の皆様の温かい対応には感激いたしました。 ありがとうございました。

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