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愛媛県大洲市 肱川流域会議「水中めがね」

川を生かしたまちづくり事業について

2009年1月29日 新政クラブ会派視察

1月28日・香川県高松市 丸亀商店街における街づくり→29日・愛媛県大洲市 肱川流域会議

今回の視察タイトルは「川を生かしたまちづくり」と言う漠然としたものであったが、過日テレビ放映されたという愛媛県大洲市(おおずし)の市民ボランティア団体「水中めがね」の方々に、どのような手法で立ち上げ、目的や経過などを教えていただくこととした。

肱川(ひじかわ)は尺鮎やカジカが豊富にとれる水のきれいな素晴らしい川で、舟運も栄え、流域には川の恵みによって個性豊かな生活文化が育まれた。

愛媛県大洲市視察
会長の坂本さん

しかし人の暮らしを優先する鹿野川ダムが建設されはじめた1950年前後から、完成後にわたって長く、肱川水系の動物や漁業などについて丹念な調査報告を続けられた伊藤猛夫愛大名誉教授が、昭和37(1962)年に鹿野川ダムや野村ダムの建設がもたらした肱川の水質や魚類の生息環境の悪化について指摘されたように、年を逐うごとに肱川の環境は悪化を続けたと言う。

清流の魚カジカは全く姿を消し、水の濁りと川底の泥がいちじるしく増加したことが原因ではないかと報告され、芦原と化した河川敷は人を寄せ付けないような状態に変貌した。

その頃大洲青年会議所で副会長職にあった現会長は、青年会議所の単年度事業では肱川の美しい姿を回復するのは不可能と考え、「水中めがね」を立ち上げ行政と協働で「いい肱川」を次世代に残すことを目標にする市民団体を作ることとした。

愛媛県大洲市視察
会議のメンバー

その主旨の中で『肱川流域ネットワークを構築するために肱川流域の各市町村の方々との「意見交換会」「勉強会」などを開き、各地域の支流の現状を把握してゆく。そして、後世に夢のある「いい肱川」を残してゆけるように、いま私達が有意義のある、流域全体でのサミットの開催を定期的に継続して行く。そのことが、「市民」「企業」「行政」が相互にパートナーシップを持ちながら展開するまちづくり「グランドワーク・トラスト」と言う新しい市民運動に発展してゆくことを最終目標にして、活動するものである。』とその活動内容を示した活動を行っている。

当日は会長をはじめ10名ほどの会員の方が参加し、私共に活動の報告を行ってくださった。質疑に入ると実に的を得た回答をそれぞれ頂き、「これはかなり活動について語り合い、共通の意識の上に実践を行っているのだな」と言うことがはっきりしてきた。

私の質問では、肱川の水を使った街づくりと言う事では「おはなはん通りに水路を設置し、水を流す事業を進めています」と言うことだったが、これはこの会場である国土交通省肱川工事事務所へ来る前に寄ったまちの駅「あさもや」から「おはなはん通り」で工事をしていた水路の事だとすぐに理解できた。

愛媛県大洲市視察
スライドまで用意していただき説明をしてくださいました

このように市民が動けば行政が動くという活動こそ、これからのまちづくりの姿であり、従来型の上意下達ではありえない事で、その推進役としての市民団体の位置づけが「水中めがね」の方々には実感できているのだろうと感じた。

また、他の議員からの質問に対しても、それぞれ要領を得た回答やアドバイスが示されていたのだが、やはりそれぞれの居住する町独特の習慣までは当然入ってゆけず、そこから先の「甲府市民に対する啓蒙啓発こそ本日の視察の賜物としての理念を持ち帰ることで十分ではないか」と感じた次第だ。

特徴

この市民団体はNPO団体にはならないとはっきり言っている。それは国家公務員である国土交通省大洲工事事務所の職員の方が、ボランティアでこの活動に入り事業を行っている事。大洲市役所の方々が同様会員として活動をしている事。補助金をあてにした事業をやりたくはないとはっきりその活動の方向性を打ち出していることなどが主なる理由だそうだ。なんとなく小気味良いさわやかさが感じられるのはそのせいなのか。

愛媛県大洲市視察
素晴らしい肱川の堤防

では具体的にどのような行政機関からの協力がこの団体に対して行われているのだろうかと言う点だが、当然ボランティア活動と言う無形の協力は個人の意思によるものだが、それ以外におそらくこんなのは全国でも例がないと思われるのは「肱北河原」付近の肱川左岸堤防はおそらく国土交通省施工のものであろうが、石垣積みその上に板張り(当然内部はコンクリート)そして瓦葺小屋根が乗るという手の込んだ物だ。

ここは「おはなはん通り」から肱川へ出て名物「鵜飼い」が行われるであろう河原から大洲城を眺めることができるポイントで、河原から見るとあたかも城壁の様に堤防が続いている。きっと魚になったつもりで眺めなさいと言う事でしょうか、素晴らしい景色が広がるのだ。

甲府市に例えると、荒川の堤防がこのような形かあるいは聖牛で出来た武田信玄時代の堤防になって続いていると想像してほしい。このあたりが協働による成果だとしたら、それは素晴らしい形以上に大洲市に対して景観形成や観光育成の効果を見出しているのではないか。

これらは今後わが市でも目標として掲げてよい事柄ではないか。しかし、それ以前にこの運動の核となる人材の育成や、受入れ体制の整備、そしてそれらすべてを受け入れるような住民の意思形成に努力しなければならないだろう。

「水中めがね」の皆様、どうかこれからも御活躍なさりますようお祈り申し上げます。
ありがとうございました。

 

野中一二のBlog「人は石垣人は城」で以下の記事も掲載しています。
 2009-02-03、「おはなはんを知っていますか」
 2009-02-01、「臥龍山荘へ行った」

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