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佐賀県佐賀市

議会基本条例について

平成23年7月29日 新政クラブ視察記録

2011年7月28日・諫早市 中心市街地活性化基本計画 → 29日・佐賀市 → 30日・唐津市呼子町 朝市
佐賀市議会視察
JR唐津線 佐賀から唐津へ向かう単線電車

佐賀市は、人口 241,361人(平成17年国勢調査),面積 431.42平方キロメートルの市であり、古代より肥前の国として栄えてきた歴史ある場所に位置する。平成の合併では2度にわたる合併を繰り返し、現在のまちを築き上げている。

今回の視察は甲府市議会において現在検討されている「議会基本条例」であり、その先進地の一つと言われている佐賀市においてはどの様にしてそれを制定したのかと言う部分と、「理念条例」としてすでに多くの都市が制定している自治基本条例であるが、制定してそれで終わりとなってしまっている物に対して、ここ佐賀市では議会基本条例が実によく機能しているというその二つの部分を参考にすべく訪れたのである。

当日説明してくださったのは議員5名であり、この経験も初めての事として記憶に残るであろう。議会基本条例そのものが議員が定める議員の基本であるという事を考えると当然の事なのだろう、その一方で他市の議員とこの様に一つの事で質疑を行うと言う経験はそうできるものではないと言う視点からも貴重な時間を取って頂いた事に感謝しなければならない。

佐賀市議会視察
佐賀市議会議員さん

この条例を制定するにあたり佐賀市議会では既に反問権が存在し、実際の質疑にあって議員に対し当局から「議員の質問の趣旨は○○と言う事でよろしいですか」と言ったやり取りが行われていたという。そうでもしなければこの反問権と言うものが議会基本条例に入ってこなかったであろうし、議員全員が了承すると言う行為は取り付けられなかっただろう。 また、佐賀市らしさを加えるため北海道栗山町といった先進都市の様子を視察し、スタイルの模索を続け今日に至ったという。

その後については市民にじかに問う事で、市民を巻き込みながら議員のレベルをある程度高い位置で継続できたのではないかと言う意見を聞く事が出来た。その後は運営しながら細部について詰めて行くという見切り発車的な要素を持たす事で、市民に理解を求め続けたとしている。

当然最初からすべての議員が了承したという事ではなく、反対の立場をとり続けた議員もいたようであったが、議長がその選挙において議会基本条例の制定に努力する旨の所信表明を行った事で当選した事。途中で行われた議員選挙において38名中8名が入れ替わり、反対する議員ほとんどが落選した事などが追い風になって今日の成立へとこぎつけたとしている。

佐賀市議会視察
新政クラブのメンバー

「議員は自ら律してゆけば良い」と言う質問に対しては、最低のルールを作ること、プレッシャーをかける事、自ら見えない対応への動きをとることなどが大切と感じ成立へと進んできたことなどを聞く事が出来た。

これらによって成立した議会基本条例にのっとり、2011年5月に市内16か所で行った議会報告会では、375名の市民参加が得られ、一定の成果があったと感じているようである。その報告会の出席議員は4常任委員会ごとに1名、世代が偏らないようにすること、すべてくじ引きで決定する事として出席者が選ばれ、実施したとの事である。

これらについてもこの議会基本条例を制定するにあたり、多数決ではなく全員一致で行ってきたという事が大きく影響しているのだろう。以上のような事から、議会基本条例は作っただけでは飾り物になってしまうのでどの様に運用してゆくのかどうか、条例を作ってしまえば自覚が出て手ごたえを感じて日常の職務に反映してくるのではないかと言う意見も聞く事が出来た。

最後に将来的にはこの条例が議員の責務として生き、これの影響によって改革が進む事で当局提案を覆す事が出来るなどの事を含めて市民のための議会と言う真の姿が見えてくるに違いないという意見を頂く事が出来た。

以下、佐賀市議会基本条例提案理由の説明を記載しておきます。この提案理由説明に条例の内容を含めその意義などが詳しく述べられています。

永渕義久議員
 議会基本条例検討会の永渕義久であります。

 ただいま提出されました議員提出議案第72号佐賀市議会基本条例は、佐賀市議会の全議員を提出者としています。本条例制定の意義を議員全員で再確認し、佐賀市民の皆様に本議会の決意を示す意味をも含め、佐賀市議会基本条例の提案理由の説明を行います。

 初めに、提案に至る経緯を述べます。

 平成12年、地方分権一括法が施行され、国の機関委任事務制度が廃止されて、地方議会の果たす役割は大きく広がり、その責任も重くなりました。平成18年、北海道の栗山町において議会基本条例が制定され、積極的に議会改革に取り組まれていることが注目されました。この動きは他市町にも広まり、当市も平成19年には議会運営委員会で伊賀市と三重県を調査しています。また、同年の議長選挙では、現福井議長が議会基本条例の制定に努力する旨、所信表明し、当選されました。

 これらの動きを受けて、平成20年4月にはいよいよ議会基本条例検討会を設置し、これまで18回の会議を積み重ねてまいりました。特に同年6月にはエスプラッツ3階、佐賀市交流センターにおいて市民と議会のあり方について討論を行い、アンケートを実施し、また御来場いただきました市民の皆様からも貴重な御意見を伺いました。

 さらに、平成21年1月には佐賀市議会基本条例案の概要を市民の皆様にお示しして、パブリックコメントを募集するなど、数々の検討を重ねて本日に至っております。

 本市は、平成17年、旧佐賀市と3町1村が合併し誕生、その後、平成19年、南部3町を合併し、現在に至っています。合併による異なる自治体の一体化は各分野で困難な工程が必要であります。地方分権が進められる中で、出身母体の異なる議員の合議体である議会が議会のあり方につき、真剣に議論を闘わせ、共通の基盤を整えるために、小異を捨て大同につき、一つの結論を導き得たことは、議員各位の努力のたまものであり、これらの経験は今後、議会の求められる役割と責任を果たすための大きな力となります。

 さて、本条例制定の目的は、議会、議員及び議長の活動原則を明らかにするとともに、議会と市民及び市長等との関係並びに議会に関する基本的事項を定めることにより、地方自治の本旨に基づく市民の負託に的確にこたえ、市民福祉の向上及び市政の発展に寄与することです。

 そのために、議会の活動原則においては、議会が議員、市長、市民等の交流の場であるとの認識に立つこと、市民の代表機関であり、市民参加を目指して活動することなどを明記しています。

 また、議員の活動原則においては、議員相互間の自由な討議を尊重すること、市政全般についての課題及び市民の意見、要望等を的確に把握することなどを明記しています。

 市民との関係の章では、情報公開の徹底や市民への説明責任を果たすこと、各委員会の原則公開、参考人制度、公聴会制度の十分な活用、市民等との意見交換の場を設けることができること、必要に応じ市民に対する議会報告会を行うことなどを明記しています。

 市長等との関係では、市長等の職員が許可を得て質問できることを明記しています。佐賀市の総合計画−−マスタープランの基本構想に加えて、基本計画を議会の議決事件とし、また、パブリックコメントを求める重要な計画については、あらかじめ議会への説明の義務を明記しています。

 他の章では、政務調査費の証拠書類の公開、議会改革に継続的に取り組むための議会運営等改革検討会の設置、調査のための専門家の積極的活用、議会図書室はだれもが利用できること、議員としての高い倫理的義務の保持など、重要な項目を定めています。

 これらの事項は、ほとんどがこれまでの議会改革の中で実行してきたものであり、今回はっきりと明記することにより、いま一歩前進できるものです。

 以上、これまでの経緯と本条例の概要と、特筆すべき事項を挙げました。

 時代は世界的な変動の風を受け、大きく転換しつつあります。その中で、地方自治体がその存在を確かなものとし、地域における市民の福祉の向上と市政の発展に寄与するためには、市長とともに市民の直接選挙により選ばれた二元代表制の一翼を担うべき議会が重要となっており、その役割と責務がますます増大してきています。そのために議員全員は全力を尽くす覚悟でありますが、その責任を果たすためには、より一層市民に開かれた議会となり、民意を的確に反映させるべきであります。また、行政監視能力や政策立案能力を高め、市長とのよい意味での緊張関係を保持することも重要です。常に目的が達成されるよう、不断の努力をなし、定期的に見直すことも必要です。これらの結果として、市民に信頼され、より存在感のある議会を築き上げるために、この基本条例を制定するものです。

 この基本条例は、あくまで出発点であります。多くの皆様のこれまでの議会改革の努力の上に、これからの議員各位の努力の積み重ねが中身をつくっていくものであることを締めくくりの言葉としまして、提案理由の説明といたします。

佐賀市議会の議員の皆様、本当にありがとうございました。

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