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長野県佐久市

新幹線佐久平駅及びその周辺開発について

平成24年2月9日 新政クラブ視察記録

2012年2月8日・群馬県太田市 青色LED防犯灯ESCO事業 → 9日・長野県佐久市
長野県佐久市視察
佐久市役所議会棟

 長野県佐久市は長野県の東に位置し群馬県甘楽郡下仁田町に接している人口100,824人、世帯数39,103世帯、その広さは総面積 423.99 k㎡ と言う盆地状の地形に広がる都市である。小生としては長野道開通により内陸型基幹工業地帯として若年人口が増加しているという情報を基に高速道路開通後調査した都市であり、且つ、古くは取引先もあったと言う事で若干の思いが残っている地域である。

 今回の視察の意義は、甲府市にリニア中央新幹線の新駅が建設される事となり、それがどのような効果を発生させるのか、その事に対して地元自治体ではどの様な対応を迫られてくるのかといった非常に今後の甲府市の展開を予測するのに重要な課題にのっとり予定された視察である。

新幹線、新設鉄道路線あるいは今回のリニア新幹線などが開通すると「ストロー現象」で人口は流出するとか、観光地の玄関として商業の活性化につながるなどの様々な思惑による意見が飛び交ってくるのだが、今回の甲府市におけるリニア新幹線の駅新設については「これだ」というのが何もないのが現状である。

九州新幹線では新駅がにぎわいをもたらしているのはほんの一握りだと言う。東海道新幹線にあっても新駅建設で活況を作り出したと言うのはいくつあるのだろうか、むしろそれによって在来線の衰退は目を覆うものがあると言うほうがどうやら正解なのではないだろうか。

そのような現実の中で今回の視察の重要性はわが新政クラブ所属議員だけの問題ではないなと感じていた、(この事は市役所議会棟での資料による事前説明の折に、山梨県リニア交通局の局長以下の職員が数日前に視察に来て、私共と同じ資料をもとに研修して行ったそうだ)

長野県佐久市視察
小海線乗り場へ続く

佐久は交通の結節点である
かつては陸の孤島と言われ、海岸から一番遠い都市と呼ばれていた佐久市は、平成5年上信越自動車道の完成、平成9年北陸新幹線(東京・長野間)、中部横断自動車道(佐久小諸JCTから佐久南IC)と次々に高速交通網が整備され、今では児童数の増加に伴い長野県でなんと21年ぶりに新設小学校が開校される事となった。

佐久市では北陸新幹線の佐久平新駅に対し、およそ60haの周辺土地を農業振興地域指定を解除し、区画整理事業を行う事で一体開発していこうと決め、駅建設とともに事業推進を行ってきたという。当然事業に対して反対の声は多く、およそ半数の住民が当初反対の意思を表明していたそうだ。しかし「新幹線はもうそこまで来ています」という行政サイドの説得と同時に全国的に盛り上がって来る長野オリンピックに対する期待感から、住民は次第に合意する人々が増加して行ったとの事だが、時節を上手に利用した(言葉は悪いがこれが現実の姿だったのだ)説得工作は新幹線開業に十分間に合う事となったと言う。

長野県佐久市視察
駅南口から商業地域を望む、遠くの山は蓼科山、小海線は上を走る
長野県佐久市視察
長野新幹線駅自由通路から

その大きな内容は、既設JR小海線との接続のため、これを高架化。国道141号を延伸迂回させることで駅と周辺地域を接続。当初駅出口は1か所だったが南北につなげる事で両面の開発を維持した事などがあげられる。
実際新駅舎に立ってみると南口(蓼科口)は正面に蓼科山を望み、八ヶ岳連峰とともに柔らかな高原をそのまま延伸したすそ野の広い商業地域として、スーパー、量販店などの商業施設が立ち並び、新しい街として近隣からも多くの買い物客を呼び込めるエリアに成長している。

長野県佐久市視察
駅北口に広がる分譲マンション群

一方の北口(浅間口)は晴れていれば浅間山の噴煙も正面に望める良好な住宅地域として開発され、首都圏などからの流入人口の定着場所としてこれからも大いに開発が続いてゆくだろう空間に仕上がっている。

これらの60haにも及ぶ地域は、開発前には優良農地として佐久市に年額400万円程度の固定資産税をもたらしていたそうだが、現在では5億円余の固定資産税をもたらす1等地として見事によみがえっているのだ。
そして在来線の高架化によってもたらされた以前からの商店街との連携は、その経営者たちの奮闘努力もあり、衰退しシャッター通り化せず、新たな大型商業施設と連携を保ちつつ反映しているのには驚かされた。従来商店街では進出してきた大型店とカードを共有する、あるいは独自のイベントを数多く開催するなどして消費者にアピールしていると聞く。この姿は甲府の商店主さんたちにも思いっきり見習ってほしいと思うところである。

一方長野県唯一のこの新駅に対する評価は、駐車場料金が統一されていて1日当たり800円である。このため近くのJR駅を利用せず、ここまで来て新幹線に乗って行くのが便利だと言う事でこの需要はまだ拡大しているとの事である。

長野県佐久市視察
農協も駐車場業務を開始
最初は平面だったが次第に需要が増加し立体になったそうだ

これら開発によって首都圏が近くて便利になったと言う事と、居住空間として不自由なく美しい自然とともにいられるという両面の効果を考えると、リニア新甲府駅のあるべき姿が垣間見えてくるのだが、ここで結論を出しても早急すぎるのであえて止めておく事とする。

行政関係者だけでなく、民間の有識者を広く加えた検討委員会を設置してから20年という長きにわたり調査し、研究を続けてきた結果が佐久のような発展する地域の創出につながったのではないだろうか。ただやみくもにコンサルの力を借りたり、トップダウンで決定したのではない、味わいのある街に仕上がっている気がしているのだが。

今回の視察は非常に参考になったのだが、あえて新駅で失敗した事例などを今後検証する事でより良い新駅の姿が見えてくるであろう。

佐久市の皆様には現地視察を含めた長時間にわたり丁寧な説明を頂きました。誠にありがたく感謝いたします。

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