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東京都立川市(新庁舎建設について)−新政クラブ視察報告

2006年2月1日

1日・立川市→2日・鈴鹿市→3日・神戸市

今回は立川市での新庁舎建設に至る過程の視察であった。立川市はこの経過を徹底的に情報公開している。これには市民で作られた委員会が大きな役割を果たしていると思われるのだが、過去「砂川事件」など、立川においては数々の市民運動が起こっていることから、特に行政に対してこの様な住民の高い参加意識と協働意識が根底にあるのではないかと推測したところである。

以下、立川市のホームページ、ここから見る事が出来る「新庁舎建設関連情報のページ」と、展開されているので参考にしていただきたい。

また立川市民に対しては、広報新庁舎特集号を随時発行し、その流れを単にホームページなどだけではなく充分に情報開示している事も、事前に注目するに値する。

立川市視察報告
立川市役所議会応接室で研修

立川市は中央線で甲府と直接結ばれており、特急かいじが止まる事から、本来はもっと甲府と近くにあっても良い都市なのであるが、残念ながら現在では通過点として考えられてしまっているので比較的交流は発生していない。この駅は1日平均30万人の乗降客が有り、南北通路に至っては1日平均40万人の通行があるという。都市人口が17万3千人でほとんど甲府と同じといってよい数字でありながら、これだけこの駅を利用している人々がいるということは、さすがに首都圏の都市は奥が深いと改めて実感してしまう。

立川市の新庁舎建設計画では、昭和57(1982)年に庁内に「庁舎建設検討委員会」を発足させ、現在に至るまでに建設積立金として58億円の基金を積み立てている。その上に基地を抱えていると言う特殊要件から、防衛補助金を19億円程度見込んでいるのが大きな特徴である。

また、建設予定地としては当初からJR立川駅北部にある国営昭和記念公園に隣接する広域防災基地付近にその場所を求めている。当然これからの庁舎については防災基地としての性格が盛り込まれるのだが、ここでもその隣接する東京都の防災基地などに十分連動出来る場所として当初から計画された様子である。現在地周辺の住民からは当然のごとく現地建替えの要望が上げられたそうであるが、市域全体を見ても旧市街地の中ほどに位置している現在地では我田引水の感が否めないので、自然と現在の計画地に流れが出たのであろう。当日説明してくださった市役所担当者も「この市役所は証明書を取るためのものではなく、企画の立案、市民との協働のための場所である」とはっきり明言していた事からも、この場所での建設が何ら障害ではないと言う事が感じ取れた。

もう一つの大きな特徴が「市民100人委員会」であり、当初は職員との乖離も相当あったのだが、ある時期からは極めて大きな推進役としてその責任を果たしていったとの事である。

この100人委員会は単なる市民の声と言うだけではその選考に不公平になってしまうということで、とにかく開かれた会と言う事を前提に、その他の全ての市民に対して説明責任を負うと言う非常に責任ある立場に自らを置き、事業推進役の大きな部分をになってきた。それに対して行政職員、そして議員という新しい感覚でこの市役所建物を使う人々によって基本構想が策定された事は実に驚きであった。

これらを踏まえた上でコンサルタント選定作業についてもこの100人委員会がイニシアチブを持ち、決定していった.また、その後の設計者についてもこの100人委員会が選定するという徹底的な公開による新しい形の流れの中から、今回の決定したプランが生まれて来る事になったようである。最近ではこれらの一連の流れで設計を決定する方式について「立川方式」とまで呼ばれるようになった市民対話型2段階モデル設計者選定方式(通常はプロポーザル方式と単純に呼んでいるが)による選定では、全国から177の応募作品が集まり、なんと展示会を開き、人気投票まで行ったとの事である。これでは選定結果やその過程において一部の利害関係者の邪念が入る隙は全く無いといってよいのではなかろうか。

そうして選ばれた作品が、高層建物ではなく3階建ての開放型市庁舎であったと言う事も充分うなづける。この開放型低層新庁舎については、市役所建物は「ランドマークシンボル」かそれとも「心のシンボル」かと言う議論まで為された結果であったと言うから驚きであり、また事前の最終審査に残った3件共低層の新庁舎プランだったと言うから驚きである。これは設計者が3人とも「市民が行政と手を取り合って考える」と言う雰囲気を基本構想から感じ取った結果だとしているのである。

立川市視察報告
立川市役所正面

余計なお世話と言われるかもしれないが、この低層庁舎についてはそこで実際に働く職員に対してはある程度移動などに対する負荷はかけることになるだろう。また、障害を持った方々や、お年よりの方々にとっても、移動にかかる負担は垂直移動よりも平行移動のほうが余計かかかると感じているのだが、このあたりはどのようにして処理するのだろうかと言う疑問が湧いてきた。しかも、低層階での移動は階段などでも充分と考えてしまいがちなのだが、これが日常となるとその疲労感は蓄積される事となるのだが大丈夫なのだろうか。また改めて問い直す事となる「公僕たるものの仕事とは」と言う事になるのだろう。

それにしても今回立川市で採用される事となった新庁舎の議会は開放型で、イメージだけで判断すると「外から見える議会」と言う形の傍聴席となっている。最終的にはこの形はどのように収まるのだろうか、実に興味深いものがある。議会開催以外では野外コンサートに使えるのだろうか、そうなると議場での発言が聞き取りにくいなどの問題はどう処理するのだろうか。興味深いものがある、出来上がったあかつきには必ず訪れてみたい施設である。

以下、詳細の過程等はホームページに記載されているものと重複となるのでここでは割愛させて頂きたい。

2006年2月5日  新政クラブ事務局  文責 野中一二

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