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ごみ処理を視察

2002年8月21日〜23日

今回の甲府市議会環境・水道常任委員会の視察は、2002年8月21日、22日、23日の三日間で行い宮城県白石市(水道水源保護条例について)、仙台市(生ごみの堆肥化施設)、福島県いわき市(水道水源保護条例について)であった。

平成14年8月27日 甲府市議会議員 野中一二
この文書は野中一二個人の視察感想文です。

仙台市堆肥化センター

仙台市中心部から地下鉄で最終駅に向かうこと15分、その後タクシーで20分、目的地の仙台市堆肥化センターにやっと到着した。そして聞いてびっくり、ここは仙台市の隣町(宮城県黒川郡富谷町)と言う。最終処分場の中に作られたこの施設は27,000平方メートルの敷地に建物が2,700平方メートル。平成11年に計画され12年、13年と2年間かけて今年(平成14年)の4月に完成したばかりの施設である。
仙台市堆肥化センター
仙台市堆肥化センター

ここで使用している原料は、泉区の学校給食から出る生ごみ、し尿(浄化槽汚泥・コミュニティプラント汚泥を含む)、剪定枝チップの3種類であるという。まだ新しい施設なのでとりあえず日量10トンからスタートしているそうだが、最終処理量は日量30トンと言うことであった。30トン投入時点で最終製品の堆肥は2トン/日になるとの事、そしてその肥料は全量仙台市内の公園や緑地・街路樹に使用される事となっているそうである。

とにかくこの施設の目的自体がごみに対する啓蒙と研究を中心に成り立っていると聞き、またまたびっくりであった。やはり都市規模が一定の大きさでないとこのようなことは出来ないのだろう、この施設を作るのに11億円、そして運営するのに年間約8千万円かかるそうである。この施設を作る意義について、担当の方は「仙台市として自己完結型のごみ処理をしたいと考えている、市が率先して行い、データを提供することで民間の方々がこれを事業として行ってくれるきっかけが出来ればよいと考える」と言う言葉を聞くことが出来た。うらやましい限りであるが、ちなみに我が甲府市でもすでに以前から「おがくず」を使い下水汚泥をコンポスト化して販売している。勿論この事業も採算と言う点では大赤字ではあるが、この仙台市の担当者が話していたような観点からは十分評価に値する物である。

投入口
投入口、これは完成直後の物

ここで今回の視察で最も声を大にして言いたいことは「仙台市堆肥化センターでは新たに発酵させる為に菌を加えていない」という事だ。昨今あちこちで見られる発酵施設ではすぐに何がしかの菌を加えたがるのだが、この施設を管理している仙台市環境局施設課では、「自然界には立派な発酵を助けてくれる菌が存在しているはず、だから改めてよそから菌をと言う事はしなかった」と平然と語ってくれていた。当初は心配していたがすでに操業開始後約4ヶ月が経過した現在は良かったと思っている、当初は菌の売込みがものすごい数ありましたよと笑って話していたのが印象的であった。

堆肥槽で回転しているローター
堆肥槽で回転しているローター

実際の施設は投入口が3個(し尿・給食残渣・剪定枝)、それらを調整しながら長さ80メートル幅10メートルほどのコンクリート枡へ落としてゆく、大きなローターで撹拌しながら45日かけて80メートルの最後に進んでゆくと言う発酵工程。その後4ミリメートルのふるいにかけ、これより大きな物は最初の工程へ戻すと言う選別工程。そして袋詰めとなっている。

当日の投入口の様子
当日の投入口の様子
これは管理者が電動でふたをすることが出来る

発酵工程の最初の部分では温度は約70度(現在の温度では60度との事)、そして最終部分では30度となっている。過度の乾燥を防止するため上から汚水を散布しているとの事、これは現在のような夏場だからであろう。仙台と言う寒冷地に対応するため、この枡の下にはヒーターが備え付けられているが、当然今の夏場では使用されていない。

出てきた堆肥
出てきた堆肥

この発酵層には下から空気が出ている、この事で好気性の菌による発酵が促されていると思われる。確かに発酵工程の当初段階ではかなりのにおいがするのだが、最終工程からふるいにかける部分ではにおいは全くない。このにおい対策についても建物の内部については二重建物のようにビニールシートで覆われている上、建物全体から脱臭できるよう集中処理がされている。第一段階では生物脱臭装置を使い、第二段階で活性炭を使った脱臭工程が備わっている。これについては「行政の責任と言う事で二重処理をしている」と話してくれた。

これだけの施設で生産される予定の堆肥は年間400トンと言う事である、しばらく時間を置いて今度は完成した堆肥の散布状況、その効果による植生への影響など調査してみたいと感じた次第であった。ちなみに現在発生している堆肥の栄養諸元は窒素1.9パーセント、リン1.2パーセント、カリ1.6パーセントであり、少々窒素分が少ないと思われる。

この施設のインターネット上の情報開示については、同じ宮城県黒川郡富谷町にある石積埋立処分場の紹介記事の中に併載されている。

 

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