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富山県富山市

富山市エコタウンについて

2007年10月−環境水道常任委員会視察報告

3日・石川県金沢市→4日・5日・富山県富山市
本年の甲府市議会環境水道常任委員会の視察は、2007年10月3日、4日、5日の三日間で行い、石川県金沢市(金沢西部クリーンセンター、一般廃棄物と下水汚泥の混焼)、富山県富山市(富山市エコタウン、富山グリーンフードリサイクル(株))であった。

平成19年10月6日 甲府市議会議員 野中一二
この文書は野中一二個人の視察感想文です。

富山県富山市におけるエコタウン事業について

全国に点在するエコタウンは、既に一定の範囲に達したという事で国庫補助事業としては終了している。そのような中で今回の視察は「食品残さで発電を行う」と言う事業についての実地視察と、富山市の取り組みについてという事で市役所の訪問と現地民間企業を視察させて頂いた。

富山市はバイオマス日本構想にのっとり、「富山市バイオマスタウン構想」を策定している自治体であり、その内容は実に多岐にわたっている。それらの裏付けとなる既存施設にこのエコタウン産業団地が置かれており、全国27か所の団地の一つとして「ゼロ・エミッション構想」の基軸となっている。このエコタウンでは特に富山市による税制の減免等が継続しているわけではないが、入居時に企業審査があり、そこで認定した企業について設備補助などが手厚くあったようである。現在は6社が操業中で新規雇用につては110人ほどがあったとしているが、火災を起こした廃合成ゴムリサイクル施設については残念ながら事業が中断してしまったようである。

富山市のバイオマスタウン構想で特徴的なのは具体的な数値とともに現状のしっかりした認識と、今後目標の明確化によって市全体で何がどうなるという事を結論付けていることである。多くの地方自治体の計画策定では、最終目標をバラ色に掲げ、人口を右肩上がりに設定してそれに向かって進めと号令をかけるという形が多かったのではないか。しかし今日のような少子化・高齢化が急激に進む我が国にあって、もはやそのような計画は単なる作文の世界に終わってしまうのではないか。実に残念な話であるが、「富山市バイオマスタウン構想」の説明を聞く中で、富山市の担当者がわが市を評価しようとしているのだが、残念ながらミックスペーパー事業ただ一つがそれに値している事業であった。

富山市のこれら事業の中で「生ゴミの分別回収」を試行的に進めているという説明があった。この事業はいまだ3地区で試行中であるとのことだが黄色の網状の袋を使い可燃物回収日に同じ場所で行っているという事である、状況としては60%程度の協力が得られているという事だ、この事業はうまくゆくと可燃物の25%(全国平均)が減少する事となるの上、富山市においては可燃物の50%が食品残さ(生ゴミ)と言う事の様であるから、実に意義のある事業だと感じた、もちろん甲府市ではまだ行っていないし、検討段階の俎上に上がっているものでもない。

富山エコタウン内富山グリーンフードリサイクル株式会社

富山県富山市
工場全景

市役所での一定の概要説明をお聞きしたのちエコタウン内にある食品リサイクル法に対応したバイオガス化導入のモデルケースとして有名な「富山グリーンフードリサイクル株式会社」を訪問させて頂いた。

この会社の事業は大きく分けて2つあり、一つが食品残さのバイオガス化発電事業で、1日当たり20tの生ごみを受け入れ、それによって2,500立方メートルのバイオガスを発生させ、そのうち1,500立方メートルでマイクロタービンを回し、1,800kWの電力を発生させている。残りについては隣接工場へバイオガスとして供給予定であるが、隣接工場が完成していないので残念ながら焼却処分となっているという説明であった。

富山県富山市
左の円筒が発酵タンク、奥の球体がガスホルダー

この事業の元となる設備については、平成11年11月に東京都調布市の鹿島建設研究施設で詳しく説明を聞くことが出来た設備であり平成12年3月議会で質問した内容の事業化施設です。

その時の議事録から抜粋してみますと「甲府市にある中央卸売市場では1年間に1,500t近い生ごみが排出されています。これを使うとどのようになるのか調査しました。1,500t÷365日=約4t これで 2,800KW/h の発電が可能だそうです(ただし自分で使用する電力も必要なので売電できるのは 1,200KW/h)このような技術においても、すべての生ごみが可能というわけではありませんでした。たとえば割り箸やつまよう枝など、包装用のビニールとか紙類は最初の選別工程で除去されますが、基本は「分別する事」だそうです。今後は下水汚泥などにも応用が利くという事ですので、楽しみな新技術という感じがしました。」と質問しています。

富山県富山市
発電量を示すメータ

今回の工場での説明でも、約1割が異物でありそれは分別機で除去したのちに焼却処分を行っているという事でしたから、この実用化施設でも基本は「分別の徹底」と言う事となりそうです。

もう一つの主力事業は剪定枝のたい肥化施設で、こちらは年間4,000tを受け入れ、1次醗酵2次醗酵合わせて110日間で完熟たい肥として商品化しているという事でした。

富山県富山市
完成したたい肥をサンプルで使っています

その他食品残さとしてのコーヒーかすや茶がらを年間700t受け入れ、たい肥化処理を行っているという事ですが、昨今のたい肥化ブームもあり、たい肥のはけ口がなかなか見つからないという問題があるようです。

その上専業農家が減少し、同じ農家でも兼業農家の場合についてはなかなかたい肥を消費するという事が少なく、そのあたりの営農指導も非常にネックとなって来ているようです。つまりバイオマスタウンでは営農指導や農事相談と言う窓口も、片方の事業と並行して推進せざるを得ないという事となりそうです。

この様に通常だと廃棄されているおよそ12,000tもの物質が、再び資源として利用されている現状を見るにつけ、利便性を追求するだけの都会の生活はどこかで誰かが下から支えているという現実を我々は見過ごしてはいけないという思いをますます強くしたところです。

富山市議会の職員様、富山グリーンフードリサイクル株式会社様、ありがとうございました。

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