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ごみをいただきます

第3章・視察の内容

4.東京都調布市 鹿島建設株式会社調布技術研究所

生ごみ発電

今回は、平成11(1999)年10月19日付けの新聞報道で確認したごみ発電を、急きょ研修しようではないかという事で行なった研修であった。

燃料電池
燃料電池

この「生ごみによる発電」とは生ごみを粉砕し、微生物の力を借りメタン発酵させて燃料電池を使い発電させるという物で、従来の技術としてはメタンガスをエンジン燃焼させ発電タービンを回すという物はあったのだが、この燃料電池を使う事で省スペース化が図られ、たとえば現在スーパーマーケットの地下に設置されているというように、生ごみの発生場所に近いところでエネルギーを取り出す人ができるというのが画期的であった。

粉砕及び発酵工程
粉砕及び発酵工程

最新のバイオテクノロジーと非常にエネルギー変換率の高い燃料電池という組み合わせに圧倒された感じがあった。

生ごみ発電フロー略図

生ごみ投入 高温発酵 ガス凝縮 燃料電池
発電
[生ごみ投入]→[高温発酵]→ [ガス凝縮]→ [燃料電池]発電
粉砕55度メタンの抽出水素と酸素・熱回収

以上のような工程をとり、生ごみを燃料に変換させ発電してしまうのである。しかし、せっかくの食物(確かに捨ててしまうゴミではあるが)を発電に使ってしまうのはもったいないような気がしたが、方法としてはこれから十分検討する必要があるのではないか。

ちなみに甲府市にある中央卸売市場では1年間に1,500t近い生ごみが排出されています。これを使うとどのようになるのか調査しました。
1,500t÷365日=約4t これで 2,800KW/h の発電が可能だそうです(ただし自分で使用する電力も必要なので売電できるのは 1,200KW/h)
このような技術においても、すべての生ごみが可能というわけではありませんでした。たとえば割り箸やつまよう枝など、包装用のビニールとか紙類は最初の選別工程で除去されますが、基本は「分別する事」だそうです。
今後は下水汚泥などにも応用が利くという事ですので、楽しみな新技術という感じがしました。

この事についての小生議会での質問に対して、「地球環境対策庁内連絡会」で新エネルギー対策プロジェクトチームを作り、研究してゆく事となりました。結果NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成金も頂き、平成13年6月議会で補正予算を組み、この設備の有効性について検討する事となりました。

以下小生平成12年のこのことに対する質問原稿を記載いたします。(平成12年3月7日定例会での野中一二の質疑応答−議事録抜粋にも収録済みです。議事録全文は甲府市ホームページでご覧になれます。)

生ゴミの発電について

当甲府市においても数々の団体が日頃の活動として、ゴミの減量活動を行なっていることには敬意を表すものであります。その中でゴミの分別回収はその基本中の基本であり、現在環境部においても自治会などと協力して分別回収に取組んでいることについては、全国的に見ても評価できるものがあります。しかし「ゴミゼロ・資源100%」のスローガンを掲げている当環境部は、これはありえない理想で、生活レベルを200年ほど戻さないとゴミゼロにはならない、という現実をしっかり見てもらいたいものであります。現在の生活レベルを維持しようとすると、間違いなくゴミは出ます。それをどう処理しなければならないか、これが問題です、その視点に立って頂ければもっと違うこととが見えてくるでしょう。

さて本題の生ゴミの発電についてですが、これは現在中央卸し売り場から出ている年間1,500tの生ゴミについて、バイオ発酵でメタンガスを取り出し、燃料電池を使って発電しようという計画です。ここでは以前私共の会派で提言させて頂いた「てんぷら方式による生ゴミの飼料化」や、発酵作用を利用して、生ゴミを水と二酸化炭素に分解し下水放流してしまう方法、もしくは「ボカシ」によるコンポスト化など、いくつもの手法を検討致しましたが、その量的な問題や、まだエネルギーが残っている「生ゴミ」を、いかにしてリサイクルの輪に乗せる事が出来るのかを考えますと、この発電方法が望ましいのではないか、という結論が出てまいりました。

技術論は抜きにして、仮に導入したとするとその効果は、一日あたり約2,060kWhの電力と、177万kcalの熱が発生します。これを利用致しますと、この装置が約860kWh電力を使用致しますので、1,200kWhを市場に供給でき現在使用している年間電力の13%をまかなうことが出来るほか、同時に灯油換算で64,000リットルを燃しただけの温水が供給でき、毎日50tの水を34℃温めることが出来ることになります。 つまり水温20℃とすると54℃になり銭湯開設も出来てしまう十分な量ということになります。

これらを総合して考えますと、現在約30,000円の処理料がかかっている環境センターにとっては、その処理料がかなり安くなり、非常に有り難いことになるのではないでしょうか。ましてまもなく施行される容器リサイクル法に向かい、都市ゴミは燃焼カロリー数が次第に減ってきており、環境センターにおいても補助燃料の利用を考える必要が迫ってきている折りであれば、この生ゴミが減少するということは誠に有り難いことになるのではないでしょうか。

ついでに申し上げると、ここで1,500tの生ゴミが持ち込まれなくなるとすると、年間で純粋焼却分は300t減少し、60tの焼却灰が減少します。

そこで、この施設の設置場所でありますが、中央卸売市場だけでなく、甲府市には「全国でも有数の実力を持つ発酵学部」を抱える山梨大学に設置依頼をすることも考え合わせ、計画を組んだらいかがでしょうか。発生現場である市場は場所の確保という点からも非常に有利でありますが、官学共同による地域問題の解消という要素も十分あり、設備の運転から発生するエネルギーの利用、同時にもっと効率の良い運転技術の確立など、只一過性の施設導入にとどまらない、進化する施設として、大学が持てる力を発揮して頂ける施設になる可能性も十分あると思えます。もちろん国立大学として出来るかどうか、文部省や通産省などとの整合性を図りながら、大学に協力して頂くということになろうと思います。

この設備は約4億円ほどかかると思われますが、地方自治体で行なう場合は政府機関による最大1/2の助成金給付もあり、同時に、県に対しても最終処分に頼らないごみ処理のモデルケースとして、助成が得られるかどうかを検討して頂いているところです。これを機会に是非甲府市は環境対策の先進都市として、全国に先駆け名乗りをあげてはいかがでしょうか。これが出来ますと間違いなく全国から視察団が押し寄せ、町おこしにもつながるのではないかと思いますが、甲府市といたしましてはこの計画をどのように捉えますでしょうか、お聞かせください。

また、このときの市長の回答としては以下のようなものでした。

○市長(山本栄彦君) 野中議員の御質問にお答えいたします。

 生ごみの発電についてでございますが、世界的規模で地球環境保全対策が課題となっている中、新エネルギーについての効率性、有効性を兼ね備えた開発が活発に行われ、太陽光発電、風力発電、燃料電池等が研究をされてきております。生ごみ発電は、微生物の分解力とこの燃料電池という新しい電気エネルギー技術により発電に結びつけるクリーンな代替エネルギーとして注目をされております。生ごみ発電の対象は、中央卸売市場のごみだけではなく、ホテル、大規模集客施設等からの生ごみ及び畜産、醸造産業から出る有機廃棄物処理など、広範な分野で活用が見込まれております。

 このように生ごみ発電は、生ごみの減量に役立つばかりではなく、エネルギー問題とも関連がありますので、技術開発状況や国の動向を見守りながら、また私が会長を務めております中部西関東地域連携軸協議会におきましても、加盟市町村の連携事業として現在調査研究の段階に来ております。また、産・学・官の連携につきましても今後の調査研究課題とさせていただきます。

これからの行政のあるべき姿勢として、市長から前向きな回答をいただいた事、このときは私も非常に喜びました。どうかこの事はこのまま平成14年には設置ができるよう、強力に推進して頂きたいものです。

野中 一二これからもこのような実地調査に基づく研究を重ね、「環境首都甲府」の実現を目指してゆきます。

(「ごみをいただきます」−平成13(2001)年7月発行−より抜粋)
視察研修・1999年11月5日

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