平成13(2001)年6月29日山梨経済同友会、環境福祉委員会のメンバー4人と共に松本、更埴の両市を訪ね、その取り組みについて研究させて頂いた。
松本市では、平成7(1995)年よりごみ袋を指定袋としている。この時に袋に対して上乗せ価格として有料化を明確にしたかったのだが、平成6年に出された緊急円高対策などにより断念している。

非常に工夫がしてあるごみ袋であり、文字の色で可燃ごみ・プラスチックごみ・埋立ごみの3種類が用意し、名前を書くようになっている。環境清美課長は「ごみにはプライバシーがない」とはっきり言い切っているが、このような姿勢と住民の協力ではじめて成り立つのかなと感じた。

但し松本市ではここに至るまでに3年の歳月をかけ、モデル地区での指導をはじめとして378町会すべてや学校、婦人会等で啓蒙活動を行ってきている事を忘れてはならない。
松本市では現在ごみの分別を6分別21種類と細分化している。これに対して市民からは時々「こんなに細かく分別する必要はない」とか、「出したごみ袋の中身を見られて、分別が悪いと注意されて不愉快だ」といったお叱りを受けているそうである。しかし、分別こそ資源化を促進し、監視こそ分別を徹底させるという市民の意識がここまで徹底されているのではないか。この意識がごみの減量促進、資源化推進となって続いているのだろう。
有料化に向けては、指定込み袋制度の採用を手始めに現在までにおおよその準備ができているようである。そのごみ袋については、作業上のけがの防止に30kg以上入れると破けてしまうような素材の選択などの配慮がしてある。視覚障害者に対してわかりやすいように「可燃ごみ袋にだけ穴があいている」ことや、また外国人向けに6ヶ国語での表示がなされているなど使用する市民の利便性をも十分考えられている袋になっている。

市全体では378町会に分かれているそれぞれに「衛生部長」がおり、その方々の指導により日常のごみの排出が行われている。その方々への啓蒙はもちろん、市民に対する啓蒙活動こそが行政の役割として心得て指導にあたってきた様子がひしひしとうかがえる視察であった。


更埴市(平成15年9月1日合併により千曲市)においてはこの問題の解決のためバーコードによる住民認識を導入している。テレビ取材などで全国的に有名になってしまったこのシステムであるが、やはり最初は住民との説明に明け暮れた行政だったそうだ。基本的なこの市の規模は人口39,422人、世帯数12,107戸、78,99平方kmの内17%が平地だが、河川敷が8%を占める割合とのこと。
今のバーコードシステムを導入する以前から(平成4年から)名前を書く事になっていたので、住民は名前を書く事に対して抵抗感はなかった。導入後の市民の声で派、「買い物をする時から考えるようになった」との事、やはり市民の協力が大切なのか。
前に表示したシールを張るわけだが、当初から一世帯当り5人の人口設定で行っているので年間50枚という数で不足する人は少なかった。また残ったシールについてはベルマークやブルーチップといったシールと同様1枚10円で買い取る事としている、但し地区、学校、施設などの共同体でなければ返金しない。その額が今年の4月で約700万円にもなったとの事。今後の課題としては、バーコードを導入する事で年間1,400万円ほどかかる費用をどのようにしてゆくのか問題という事だった。
今後はバーコードを使いつづけるというのではなく、これは一世帯当りどの程度のごみを出すのか、どのような割合でごみが出るのかといったデータを収集するためにつけたもので、決して行政など他のデータとして利用はしないという約束があるので、何年か経過したら止める方向ということであった。確かに住民台帳の番号を使っているので、それぞれの家族構成などもっと緻密な仕分けをすればこれは素晴らしいデータベースとなりえるだろうが、そこが行政が信頼されている事の証ではないのだろうか。ちなみにここで使われている指定袋は小売店では販売していない、区で取りまとめ、1枚5円を手数料として区に還元しているだけで扱われている。またシールがなくなった場合は1枚50円で20枚まで分けてくれる、但し昨年実績では余分にシールを必要とした家庭は16%との事である。
(「ごみをいただきます」−平成13(2001)年7月発行−より抜粋)
視察研修・2001年6月29日
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