完全クローズドで行われるごみ処理の方法であり、ダイオキシンの発生状況においても目をみはる施設であった、実証プラントでありながらすでに1万時間を超える運転実績を持ち、現在ではあらゆるごみを実験的に焼却している。現在の甲府市環境センターから排出される焼却灰については、ごみ投入量の30パーセントまでだったら混入可能との事(これにはごみの燃焼カロリー数が関係してくるが)、次世代の焼却システムとして全県広域的に考え、そこで回収される溶融スラグについての再利用システムをきっちり完成させる事で、現在大きな社会問題となっている最終処分場の問題も解決するのではないだろうか。
この設備の詳細は後出八女(やめ)西部クリーンセンターの項に記載します
ここで行われた数々の実験の中に「高温耐食材料の実験」というものがある。いわゆるこのシステムのメンテナンスについて、例えば耐火材についてであるとか、回転ドラム内での腐食などについての事である。
まず最初に気になったのが「回転ドラム内での酸化腐食」であったが、この熱分解ドラム内はほぼ無酸素状態なのでその心配はまったく無いとの事だった。またこの中を通っている伝熱管についても水蒸気酸化雰囲気にさらされているので安定したマグネタイト層が生成され、ここでもこのドラム内では殆んど減肉化は発生していないということだった。
続いて燃焼溶融炉は1,300度と言う高温でカーボン化したごみを溶融スラグにするわけだから、当然耐火材についても減肉するだろうと言う事だったが、15,100時間の運転後で約50mmと言う結果が出ている。当然プラスチック系のごみについては燃焼カロリーが高いし、多種多様なごみを投入しているわけだからそれに伴う変化があることが予想されたのだが、廃棄物の性質如何にかかわらず安定した燃焼温度に炉内の減肉が影響すると言う結果であった。
これらの実験から「ごみ熱分解溶融炉」の長期信頼性が確立し、ダイオキシン等有害物質の発生を極力抑え且つランニングコストの低い焼却炉が、今後のわが国のごみ対策の一翼を担ってゆくことが考えられる。もちろん発生したごみを処理する事の前に、ごみの減量化についての取り組みを全国レベルで行ってゆかねばならない事は言うまでも無い。
(「ごみをいただきます」−平成13(2001)年7月発行−より抜粋)
視察研修・1999年9月6日〜8日
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