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ごみの視察

山梨県 豊富村の事例 2005年7月5日

とよとみクリーンセンター

中道町にゆれた議会の合間をぬって、今日は本県豊富村(平成14年4月人口 3681人)に新しく完成した「とよとみクリーンセンター生ごみ処理場」及び、平成10年にすでに完成を見ている「とよとみクリーンセンター」を視察してきた。

今日の視察については、甲府市議会第二会派の「政友クラブ」の皆さんが申し込んであった視察に、飛び入り参加ということで行わせて頂いた。政友クラブの皆様、お騒がせいたしました。

この平成10年に完成している「とよとみクリーンセンター」は、農業集落排水事業の一環として、各処理施設から発生する汚泥を一括処理して「コンポスト(有機肥料)」として大地に還元すると言う事業であり、これからの農集排(農業集落排水事業をこの様に略して表現する事が多い)のあり方を示しているものとして注目していたものである。

つまり各農家から出るし尿を一旦地区ごとに集積し、そこで一次醗酵及び沈殿を行い、上澄みを処理して放水する。またその折に沈殿した汚泥を一箇所に集積し薬品処理及び乾燥し、若干(すでに一次醗酵を済ませているので、ここではそれほど醗酵は進まず、およそ30日間の二次醗酵で堆肥として充分使用に耐える良質のコンポストとして生まれ変わっている。そのためここでの表現を若干と言う言葉を使う事とした)の醗酵を行う事でコンポストとして土壌還元すると言う循環型社会に実に適した事業であった。それに加えて村内で発生する「生ごみ」を破砕し、乾燥したものを混入する事で一層この循環が広く村域をカバーする大地還元となったのである。

以前には乾燥前の生ごみを混入したそうであるが、この場合はあまり良い結果が得られず、この様に一旦生ごみを粉砕・乾燥させて微粒子状になったものを混入してから二次醗酵を行う事としたようである。

回収された生ごみ
回収された生ごみ

この施設と事業の完成によって、この村域で使用されているコンポスト(ちなみに一袋20キログラム入りで210円で販売中)は、かなりの部分がこの新しいコンポストによって占められて来ているとしている。但しコンポスト生産量が一日当たり15〜18袋/20kgであるから、使用する時期が年間2回とはいえ必要量の確保は問題が無いとは言い切れないのだろう。この様な事情からか村内在住の多くの農業生産者も非常に協力的にこの事業への参加を行っていると言う事であった。

例えば、生ごみの回収については「生分解性プラスチックを使った回収袋」を利用しているようであるが、これはコスト的にはちょっと割高(10リットル×20枚/298円)である。この生分解プラスチックを使った袋については製造設備メーカーの指導上、また生ごみ破砕などの工程や、特に乾燥工程でこれならばトラブルなどの支障がないと言った事情があるのだそうだ。しかし村民はこの袋を各家庭で買い求め、水切りを徹底した上でプラスチックごみを分別していると言う。

当初はお弁当に入っている仕切りの「ささの葉」状のプラスチック製の物や、しょうゆ容れに使っているプラスチック製の小型容器などの混入が目立ったそうだ。操業当初一旦全て工場入り口に開けて分別チェックを行い、徹底的なチェックの後分別が不完全なものについてはその記載されている氏名の方に直接指導をしていったと言う。実に涙ぐましいこの様な担当者の努力と、それにしっかりと応えた村民の相互協力がこの施設の継続運転に繋がってきているものと、ただ感心するばかりであった。

色の違うコンポスト
色の違うコンポスト

ここで生産されたコンポストは、し尿利用にしては予想以上に窒素分が少ないようである。これは中和剤として石灰を一定量使用していることに一因があるのであろうか、出来上がった製品についてもその色がずいぶん違うものが有ったが、加えている薬剤の量によって違いが出ているという説明からすると石灰の量ではなかろうか。

ちなみにこの成分は
窒素(N)1.64%
りん酸(P2O5)2.85%
加里(K2O)0.11%
石灰(CaO)21.99%
銅(Cu)89mg/kg
亜鉛(Zn)210mg/kg
炭素率6.1
となっている

農集排の考え方を導入する事で、甲府市においても一部地域については下水道を敷設することなく、合併浄化槽などとの併用によって下水対策は充分に推進する事が出来ると考えられる。例えば甲府市の周辺にはぶどう等の果樹農家や、水田などを持つ兼業農家などもずいぶんと見られる事から、無理やりの下水道整備と言う事より一定の範囲での下水道と言う考え方のほうが望ましい地区については、この考え方による地区整備と言うのが望ましいとさえ思えてくる。

では全体としての甲府市についてはいかがであろうか。人口196.000人、昼間人口は5万人増加、都市計画区域内下水道整備率98パーセント、下水汚泥発生量47トン/日。これらの条件下において、豊富村の今回の事例は実に参考となるものではあるが、乾燥工程で消費される石油の量、発生するコンポストの一次保管場所、施設の設置場所など一朝一夕では解消できない問題を数多く含んでいるのも事実である。但し、下水汚泥は元はといえば大地から発生したもの、よって大地に還元すると言うのは実に理に適っているのではないか。これからの環境行政ではこのことが基本となってくるのであろう、忘れてはいけない、人間は大地に生かされているのだと言う事を。

豊富村の農業集落排水事業図

豊富村の農集排事業図

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