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洛中塵捨場今昔

京都における塵芥処理(近世から明治まで)について

京都府農林水産部次長 山崎達雄

この記事は、2000(平成12)年7月8日に開催された第2回「答えのないシンポジウム」−会場・山梨大学工学部T−1・4教室 主催・無尽会−での京都府農林水産部次長 山崎達雄さんの講演の梗概と資料です。

□ はじめに
□ 洛中塵捨場の設置
ごみの呼称
洛中塵捨場の設置と河川管理
洛中塵捨場の復活と町方塵捨場の設置
□ 明治初期のごみ処理
公衆衛生と塵芥処理
掃除に関する告諭(山梨県と京都府)
違式註違条例
□ 化芥所の設置
塵芥の収集(定期・臨時)と採取費用
塵芥の再資源化
民間への払下げ
□ 塵芥掃除規則の制定
□ 京都市の成立と塵芥採取請負人心得
塵芥採取請負人心得
京都衛生株式会社
□ 汚物掃除法の施行と塵芥焼却炉の設置
塵芥処理体制の整備
塵芥焼却炉の設置と全量焼却
□ 臨時汚物処分調査会の設置と近代的な塵芥焼却施設の建設
臨時汚物処分調査会
屎尿の応急汲取
塵芥焼却炉の建設
2.京都府と山梨県の比較

資料索引

  1. [市中道路等の掃除の事] 明治五年(1872)七月
  2. [街港掃除の事] 明治六年(1873)五月廿八日
  3. [布達条々の事] 明治六年(1874)六月
  4. [甲府用水路の妨害を禁ずる事] 明治七年(1875)九月
  5. [甲府用水路の妨害を禁ずる事] 明治八年(1876)九月
  6. [違式註違条例布達の事] 明治九年六月十二日(1877)
  7. [宅地街巷等の掃除の事] 明治十年(1878)七月
  8. [街路其他掃除規則を設け違反者を違註条例により処分の事] 明治十一年四月(1879)
  9. [違註罪目を改正増補の事] 明治十一年九月(1879)
  10. [違註罪目の改正の事] 明治十一年十一月(1879)
  11. [街路其他掃除規則の事] 明治十一年(1879)三月
  12. [虎列刺病摂生予防法の事] 明治十一年(1879)七月
  13. [虎列刺病予防取締方の事] 明治十二年(1880)九月

[市中道路等の掃除の事]

□明治五年(一八七二)七月
七月五日 山梨郡第一二両区即甲府市中戸長ニ達スル令ニ曰

市中道路ノ儀従来掃除不行届家並連接ノ場所ニテモ隣家界路次軒下ヘ塵芥掃寄置候者モ
有之聊ノ明地有之候ヘハ兎角塵捨場同様相成就中上府中并場末町々ニ至候テハ屋敷廻リ
ハ勿論道路モ半ハ草叢ト相成見苦敷ノミナラス自然土地衰徴ノ基ヲ醸シ別テ極暑ノ時節
右汚穢ノ気ヨリ悪病等ノ伝染ヲ招キ天生ノ健康ヲ損害スルニ至リ畢竟懶惰ノ至ニ候条自
今以後大道ハ勿論小路裏家路次隅々マテ住居ノ者持場限リ朝夕無怠掃除致シ貸家等ニテ
住人無之明家ノ分并勝手ヲ以家作取壊畑地ニ致シ候分モ往還掃除ハ地主ニ於テ厚注意致
シ場末町々ニ至迄精々行届候様可致事

 一下水溝浚等ノ儀モ隣家申合入念浚方致シ石積甲蓋等損候場所ハ修繕ヲ加ヘ水行不滞
様可致事

 一貸家ニテ借主無之明家ニ候共大破不相成様家主ニ於テ修繕ヲ加ヘ可申戸〆等モ無之
雨漏致シ大破ニテ修繕不行届分ハ其儘不差置取壊見苦敷無之様取片付可申事

 一町並家屋土蔵等ノ傍ヘ尿桶並置候場所有之臭気甚敷隣家ハ勿論往来ノ者迄為煩候ニ
至リ候条早々取除候歟 或ハ囲雨覆等補理置臭気漏泄無之様可致事

 右ノ趣市中末々迄無洩可相達若等閑ニ打過候ハゝ急度可申付事
  壬申七月五日                        山 梨 県 庁

 別紙ノ通市中ヘ相達候条貫属屋敷際大道小路等モ同主意ニ付掃除行届候様貫属ノ者ヘ
モ無洩可相達事
  壬申七月五日

『山梨県史第二巻』

[街港掃除の事]

□明治六年(一八七三)五月廿八日
 同(五月)廿八日 街巷ヲシテ汚穢掃除セシム其告諭ニ曰

 家廻リ門口等ニ塵芥ツモリ悪水溜リテハ腐敗ノ臭気一種ノ毒ヲ生シ人身ニ触レテ様々
ノ病トナルヨシ先年暴吐瀉流行ノ節諸方ノ名医此病予防ノ事ヲ説キタル中ニモ第一是ヲ
戒メアリ然ルニ当甲府市中ノ儀兎角掃除ニ怠リ塵芥腐敗ノモノ多ク溝筋浚方行届カス或
ハ往来ノ便所等不潔極リナキ所アリ追日暑気ニ向ヒ候ニ付テハ如何成病源ヲ醸シ候モ難
計候条町々申合早速掃除ニ取懸便所等不都合ノ分ハ取払ヒ往来繁カラサル場所見計ヒ不
潔無之様更ニ修繕可致是病患ヲ未萠ニ防キ衆庶健康ナラシムルノ理ナレハ此度ニ限ラス
往々怠慢不可致事 但来六月十日ヨリ官員差遣シ検査致シ候条夫迄ニ取行ヒ可申事
右ノ趣市中無洩相達スル者也
  明治六年五月廿八日               山梨県権令 藤 村 紫 朗

『山梨県史第三巻』

[布達条々の事]

□明治六年(一八七四)六月

        条 々
 一追々御布告ノ旨并布達スル趣不可違背事
 (中 略)
 一往来筋屋敷廻リニ塵芥腐敗物ヲ溜置クヘカラス常ニ近隣申合無怠可取除事
  附 道路修繕溝川筋悪水浚方ハ内申合時々取計ヒ聊等閑ノ儀不可有之事
 (中 略)
 右条々堅ク相守聊不可違背者也
  明治六年第六月                      山 梨 県

『山梨県史第三巻』

[甲府用水路の妨害を禁ずる事]

□明治七年(一八七五)九月
 九月廿二日 甲府用水路ノ妨害ヲ為スヲ禁ス其達書ニ曰

                        山梨郡第一区三区正副区長
                            二区五区同 戸長
 市中用水路ヘ悪水或ハ塵芥腐敗物等ヲ流シ入レ或ハ魚猟ノ為水路ヲ破壊スル等ノ妨害
ヲ為スモノ有之趣相聞キ甚以不心得ニ候一体飲用水ノ清浄ナラサルハ人ノ健康ヲ損害ス
ル不少又ハ減水相候テハ忽チ日用ヲ闕キ困難イタシ候ニ付水路ニ関ハル市在於テ平日注
意可致処右様不心得ノ儀有之候テハ不相済儀ニ付以来用水路於テ腐敗汚物ヲ洗ヒ或ハ漁
猟ノ為水路堰留メ又ハ切落シ候儀ハ一切不相成候条家族雇人ニ至ル迄其戸主ヨリ可申聞
旨各戸無洩相達猶其町村ニ於テ取締致若万一不心得ノ所行致スモノ之アルニ於テハ見当
リ次第差押候条其旨可相心得事 但地方ヨリ罷越漁猟等致スモノ之アラハ本文ノ趣旨申
聞速ニ差停可申事
 右ノ趣区内無洩可相達事
 明治七年九月廿二日                山梨県権令 藤 村 紫 朗

『山梨県史第三巻』

[甲府用水路の妨害を禁ずる事]

□明治八年(一八七六)九月
 同(九月)廿八日 甲府市中飲水新渠ノ妨害ヲ為スヲ禁シ之ヲ其沿路区戸長ニ達ス曰

                        山梨郡一二区正副区長
                           三五区同 戸長
 昨明治七年九月中番外ヲ以市中用水路取締方ノ儀相達置候次第モ有之処今般山宮村地
内ヨリ新規用水路開鑿水相成候ニ付テハ水道沼村ニ於テ猶一層可致注意一体右用水ノ儀
ハ市中数千人日用ノ飲水ニ供シ甚緊要ノ事ニテ或ハ水路ニ妨害シ塵芥ヲ流シ込ミ汚穢ヲ
洗條シ又ハ漁猟ノ為メ水門水剥等ヲ濫ニ開闔スル等ノ儀一切不相成候条家族ハ勿論雇人
等ニ至ル迄心得違無之様改テ毎戸ヘ相達置可申万一心得違ノ者有之候ハゝ見当リ次第見
廻リ邏卒并用水世話掛ニ於テ差押可申候条此旨可相心得事
 但本文ノ旨違犯不致旨水道沿村戸長ニ於テ戸別ヨリ請印取置区長ニ於テ取纏県庁ヘ可
差出事
  明治八年九月廿八日               山梨県権令 藤 村 紫 朗

『山梨県史第四巻』

[違式註違条例布達の事]

□明治九年六月十二日(一八七七)
 六月十二日 違註条例ヲ布達ス曰

  乙第二百七号

  違式註違条例別冊ノ通リ相定メ来ル七月一日ヨリ施行候条心得違ノ者無之様区戸長
  於テ精々注意可致此旨布達候事
    明治九年六月十二日             山梨県権令 藤 村 紫 朗

         違式註違條例
  第一条 違式ノ罪ヲ犯ス者ハ七拾五銭ヨリ少ナカラス百五拾銭ヨリ多カラサル贖金
   ヲ追徴ス
  第二条 註違ノ罪ヲ犯ス者ハ五銭ヨリ少ナカラス七拾銭ヨリ多カラサル贖金ヲ追徴
   ス
  第三条 違式註違ノ罪ヲ犯シ無力ノ者ハ実決スル事左ノ如シ
    一 違 式 笞 罪 一十ヨリ少ナカラス二十ヨリ多カラス
    一 註 違 拘 留 一日ヨリ少ナカラス二日ヨリ多カラス
  第四条 違式並ニ註違ノ罪ニヨリ取上クヘキ物品ハ贖金ヲ科スルノ別ニ没収ノ申渡
   ヲ為スヘシ
  第五条 違式註違ノ罪ヲ犯シ人ニ損失ヲ蒙ラシムル時ハ先ツ其損失ニ当ル贖金ヲ出
   サシメ後ニ贖金ヲ命スヘシ
  第六条 違式ノ罪目ヲ犯スト雖モ情状軽キ者ハ減等シテ贖金ヲ追徴シ註違ノ罪目ヲ
   犯スト雖トモ重キハ加等シテ違式ノ贖金ヲ追徴スヘシ其犯ス処極メテ軽キハ止タ
   呵責シテ放免スル事アルヘシ

          違式罪目
  (中 略)
  第廿二条 川堀下水等ヘ土芥瓦礫ヲ投棄シ流通ヲ妨クル者
  (中 略)
  第四十一条 市中飲用水路ニ於テ不潔物ヲ洗ヒ又ハ塵芥等ヲ流シ其他水路ノ障碍ヲ
   ナス(投棄スル)者
  (中 略)

          註違罪目
  第四十九条 市中並接近村落ノ往来ニ於テ便所ニアラサル場所ヘ小便シ或ハ(店先
   ニ於テ)往来ニ向ケ小児ニ大小便ヲナサシムル者
  第五十条 同断下掃除ノ者蓋ナキ糞桶ヲ以搬運スル者
  (中 略)
  第六十七条 市中並ニ宿駅其他往還筋村落ニテ居宅前道路ノ掃除ヲ怠リ又ハ下水ヲ
   浚ハサル者

  (括弧は明治十年二月廿日に改正・追加)

『山梨県史第五・六巻』

[宅地街巷等の掃除の事]

□明治十年(一八七八)七月
 七月十七日 宅地街巷等掃除ヲ忽セニス可ラサル旨区戸長ヲシテ各戸ニ喩セシムル達書ニ曰

 丙第七拾九号              第壱区 第弐区 第四区 区 長
                                 戸 長
 伝染病等ノ流行ヲ予防シ人身ノ健康ヲ保全スル為メ家廻リ道路其外清潔ニ可致旨ハ
毎々諭達致置候儀ノ処本年モ已ニ炎暑ニ及ヒ候ニ付テハ市中并接近村々家屋櫛比ノ場所
ハ空気ノ流通モ悪ク候ニ付若予防ニ怠リ候時ハ如何ナル病源ヲ醸成致シ候モ難図ニ付別
テ注意致シ家廻リ道路ノ掃除ハ不及申下水浚ヘ腐敗物取除キ等無怠注意不致候テハ不相
成候間掃除不行届ノ場所モ有之候ハハ速ニ掃除精々清潔ヲ要シ候様可致就テハ為検査臨
時官員巡回為致差図候筈ニ付速ニ毎戸ヘ相達スヘシ此旨相達候事
    明治十年七月十七日              山梨県令 藤 村 紫 朗

『山梨県史第六巻』

[街路其他掃除規則を設け違反者を違註条例により処分の事]

□明治十一年四月(一八七九)
 四月 日ナラス 街路其他掃除規則禁令ノ規則条下(三月廿八日)ニ載スヲ設ケ之ニ違犯スル者違註条例ニ拠リ処分センコトヲ内務省ニ具申ス曰

  第弐百六拾八号
  御省昨十年乙第百拾七号並本年乙第廿六号御達ニヨリ街路其他掃除規則別紙ノ通創
  布達シ右規則ニ違犯スル者ハ其情状ニヨリ違式註違条例ニ拠リ処分致候条此段及御
  届候也

    明治十一年四月        県令藤村紫朗代理
                        山梨県大書記官 西 村 亮 吉
                内務卿大久保利通殿代理
                   内務少輔 林 友 幸 殿

『山梨県史第八巻』)

[違註罪目を改正増補の事]

□明治十一年九月(一八七九)
 九月十日 違註罪目ヲ改正増補シ之ヲ内務省ニ具申スル如左

  第六百五拾八号
          違式註違罪目中改正ノ部
  (中 略)
   第四十一条 飲用水路ニ於テ不潔物ヲ洗ヒ又ハ塵芥ヲ投棄シ或ハ水流ヲ濁シ及ヒ
    水路ノ桝蓋吐口伏樋等ニ障碍ヲナス者
  (中 略)
   第六十九条 路傍接近ノ肥溜ニ防囲ヲ為サゝル者

『山梨県史第八巻』

[違註罪目の改正の事]

□明治十一年十一月(一八七九)
 十一月 日ナラス 復タ違註罪目ヲ刪正シ内務省ニ具申ス曰

  第七百八拾九号
  本県違式註違罪目中改正増補等追々及御届置候処此般右罪目ノ内第十条第三十条第
  四十七条第五十三条第六十二条第七十一條中多少刪正シ別冊ノ通更ニ相改来ル十二
  月一日ヨリ施行致候間此段及御届候也
     明治十一年十一月              山梨県令 藤 村 紫 朗
                  内務卿 伊 藤 博 文 殿

         違式註違條例
  第一条 違式ノ罪ヲ犯ス者ハ七拾五銭ヨリ少ナカラス百五拾銭ヨリ多カラサル科料
   ヲ追徴ス
  第二条 註違ノ罪ヲ犯ス者ハ五銭ヨリ少ナカラス七拾銭ヨリ多カラサル科料ヲ追徴
   ス
  第三条 違式註違ノ罪ヲ犯シ資力ナキ者及ヒ科料ヲ出スコトヲ肯ンセサル者ハ拘留
   ニ処スルコト左ノ如シ
    一 違 式 拘 留 五日ヨリ少ナカラス十日ヨリ多カラス
    一 註 違 拘 留 半日ヨリ少ナカラス四日ヨリ多カラス
  第四条 違式並註違ノ罪ニヨリ取上クヘキ物品ハ科料ヲ科スルノ外別ニ没収ノ申渡
   ヲ為スヘシ
  第五条 違式註違ノ罪ヲ犯シ人ニ損失ヲ蒙ラシムル時ハ先ツ其損失ニ当ル贖金ヲ出
   サシメ後ニ科料ヲ命スヘシ
  第六条 違式ノ罪目ヲ犯スト雖トモ情状軽キ者ハ減等シテ註違ノ科料ヲ追徴シ註違
   ノ罪目ヲ犯スト雖トモ重キハ加等シテ違式ノ科料ヲ追徴スヘシ其犯ス処極メテ軽
   キハ止タ呵責シテ放免スルコトアルヘシ

          違式罪目
  (中 略)
  第廿二条 川堀下水等ヘ土芥瓦礫等ヲ投棄シ流通ヲ妨クル者
  (中 略)
  第四十一条 飲用水路ニ於テ不潔物ヲ洗ヒ又ハ塵芥ヲ投棄シ或ハ水流ヲ濁シ及ヒ水
   路ノ桝蓋吐口伏樋等ニ障碍ヲナス者
  (中 略)

          註違罪目
  第四十七条 汚穢物ヲ往来ヘ投棄スル者
  (中 略)
  第四十九条 市中並接近村落ノ往来ニ於テ便所ニアラサル場所ヘ小便シ或ハ店先ニ
   於テ往来ニ向ケ小児ニ大小便ヲナサシムル者
  第五十条 同断下掃除ノ者蓋ナキ糞桶ヲ以搬運スル者
  (中 略)
  第六十七条 市中並ニ宿駅其他往還筋村落ニテ居宅前道路ノ掃除ヲ怠リ又ハ下水ヲ
   浚ハサル者
  (中 略)
  第六十九条 路傍接近ノ肥溜ニ防囲ヲ為サゝル者

『山梨県史第八巻』

[街路其他掃除規則の事]

□明治十一年(一八七九)三月
 同(三月)廿八日 街路其他掃除規則ヲ創定布達ス如左

        街路其他掃除規則

       第一章 総 則
  第一條 此規則ハ人身ノ健康ヲ保護シ不時ニ流行スル疫癘□毒ヲ屏絶スル為ニ設ル
   者トス
  第二条 甲府市街并甲府ニ接続シタル各町村即甲府消防区域ニ同シハ専ラ此規則ヲ
   遵守シ其他一々此規則ヲ実践シ難キ事情アル各宿駅聚落ハ区戸長区町村総代人協
   議ノ上此規則ヲ斟酌取捨シ伺ヲ経テ施行スヘシ
   但 協議ノ節ハ其受場警察署長ノ立会ヲ乞フヘシ
  第三条 民戸散布シテ聚落ヲナサゝル地方ハ此規則中各戸ニ係ル廉ノミ遵行スヘシ
  第四条 此規則ヲ遵行セシムル為メ警察官吏不時人家ニ立入リ検査スルコトアルヘ
   シ
  第五条 此規則ニ違犯シタル者ハ其情状ニヨリ違式註違条例ニ拠リ処分スルコトア
   ルヘシ
  第六条 伝染病流行ノ兆アルトキハ警察署ニ於テ臨時大掃除ヲ命シ又ハ掃除ヲ停止
   節限スルコトアルベシ

       第二章 街 路
  第七条 各戸ノ宅地前ニ係ル街路ハ其居住人ヨリ毎日(雨天ヲ除ク)一回人ヲ出シ
   掃除セシムヘシ 但 掃除ノ前後ト雖トモ塵芥汚穢物等散乱点落スルコトアレハ
   幾回ヲ論セス其都度取棄テ又ハ掃除スヘシ
  第八条 前条但書ノ場合ニ於テ居住人心付カサルコトアラハ隣保互ニ気ヲ著クヘシ
  第九条 街路ノ掃除ハ第七条ノ如シト雖トモ区町村又ハ伍組ノ協議ニヨリ共同シテ
   掃除夫ヲ傭置クモ適宜タルヘシ
  第十条 伍長ハ常ニ伍組内街路掃除ノ行届クト否トニ注意シ掃除ヲ怠ル者アラハ之
   ヲ督促スヘシ若シ其督促ニ応セサル者ハ之ヲ巡回ノ警察官吏ニ申告スヘシ

       第三章 下 水
  第十一条 市中ニ於テ縦横鑿通スル所ノ下水路ハ石或ハ厚板ヲ用テ之ヲ構造シ悪汁
   ノ地中ニ滲透スルヲ防キ且務テ其流通ヲ開キ悪水路ニ流通セシムヘシ 但 従前
   唯地上ヲ鑿通シタル儘ニテ別段ノ構造ヲ為サス又構造アルモ充分ノ堅ヲ欠ク者ハ
   漸次改造修理ノ目的ヲ立テ其期限ヲ警察署ニ届置ヘクシ
  第十二条 毎戸ノ厨下又ハ井辺等ヨリ流出スル下水路モ前条構造ニ準シ其流末ハ必
   ス下水ノ本線ニ注入セシムヘシ
  第十三条 塵芥其他流通ヲ防クヘキ物品ヲ下水路ニ投棄スルヲ禁ス 但 本文投棄
   物アルトキハ地主又ハ其最近ノ地ニ住居スル者速ニ之ヲ引揚ケ取棄ツヘシ其投棄
   人相知レタルトキハ警察署又ハ巡行ノ警察官吏ニ申告スヘシ
  第十四条 毎歳二月及ヒ十月ノ両度下水ノ大掃除ヲナスヘシ 但 泥土塵芥ノ類滞
   塞シテ流通快利ナラサルトキハ幾回トナク掃除スルコト勿論ナリ
  第十五条 前条大掃除ヲ施行スルトキハ遅クモ前三日迄ニ警察署ヘ届出ツヘシ
  第十六条 下水ノ構造修理及ヒ大掃除ハ毎戸各自ニ施行スベカラサルヲ以テ一区又
   ハ数町村下水ノ流通相関渉スルモノ 合議ノ上予テ其主幹人及方法ヲ選定シ警察
   署ニ届置クヘシ
  第十七条 下水時々ノ掃除不行届ナル者アルトキハ前条主幹人又ハ伍長常ニ之ヲ監
   査督促シ若シ其督促ニ応セサル者アルトキハ其旨警察署又ハ巡行ノ警察官吏ニ申
   報スヘシ
  第十八条 下水ノ掃除ニヨリ引揚ケタル所ノ淤泥并塵芥ハ必ス第廿四条ニ記載シタ
   ル芥棄場ニ送リ棄ツヘシ之ヲ人家接近ノ地ニ堆積シ又ハ道路修築等ノ用ニ供スル
   ハヲ禁ス
   但 人家ヲ阻隔シタル田畑ノ培養ニ供スル妨ケナシ

       第四章 便 所
  第十九条 便所モ下水ノ如ク悪汁ノ漏出シテ地中ニ滲透スルヲ嫌フニヨリ容糞器ハ
   瓶又ハ堅牢ノ桶匱等ヲ用ヒ少シク破損スルコトアラハ速ニ之ヲ改ムヘシ
  第二十条 時々便所ノ内外ヲ洒掃シテ常ニ清潔ナラシムヘシ殊ニ下掃除其時ヲ失シ
   糞汁溢出スル等ノコトアルヲ戒ム 但 下掃除人来ラサルカ為メ掃除ノ機ヲ失ス
   ル憂アル者ハ予テ請負人ヲ定メ固ク約束ヲナシ置クヘシ
  第廿一条 飲用水ニ近キ便所ハ殊ニ前二条ノ注意ヲ密ニセサルベカラズ其構造及ヒ
   場所柄ニヨリ健康ニ害アリト認ルトキハ警察官吏ヨリ改造又ハ取払ヲ命スルコト
   アルヘシ
  第廿二条 街上又ハ路傍ニ於テ公衆ノ為ニ設ケタル便所ハ私立ハ其所有主公立ハ其
   区吏員ニ於テ前数ノコトヲ主幹スヘシ 但 其区ノ便宜ニヨリ別ニ主幹人ヲ置キ
   又ハ其地ノ伍長等ヲシテ主幹セシムルモ妨ナシト雖トモ修理及ヒ掃除不行届ナル
   トキハ区吏其責ニ任スヘシ

       第五章 芥 溜
  第廿三条 毎戸ノ芥溜ハ必ス時々之ヲ掃除シ塵芥雑物ヲシテ久シク堆積湿腐セシム
   ヘカラス
  第廿四条 甲府市街ノ如キ人家稠密ノ地ニ於テハ予テ郊外ニ芥捨場数ヶ所ヲ設置キ
   前条掃除ノ時塵芥等ヲ送リ棄ツヘシ
  第廿五条 芥捨場ノ塵芥堆積スル時ハ焼却スヘシ
  第廿六条 田野ニ接続シタル宿駅聚落ニ於テハ必ズシモ別ニ芥捨場ヲ設ルニ及ハズ
   ト雖トモ芥溜ヲ掃除スル毎ニ人家及ヒ飲用水ニ隔絶シタル地ヲ撰ヒ之ヲ棄ツヘシ
   但 第十八条但書ニヨルモ妨ナシ
  第廿七条 前条ニ反シテ衛生上障害アル場所ニ塵芥等ヲ遺棄シ棄主不分明ナル時ハ
   其地最近ノ住居人又ハ伍組ヲシテ之ヲ他所ニ運搬遺棄セシムヘシ
  第廿八条 芥捨場ヲ設ル時ハ官私有地ニ□ラス出願ノ上許可ヲ受クヘシ

『山梨県史第八巻』

[虎列刺病摂生予防法の事]

□明治十一年(一八七九)七月
 七月十八日 虎列刺病摂生予防法ヲ区戸長及医務取締ニ頒ツ其達書ニ曰

  乙第五十四号                     区  長
                             戸  長
                             医務取締
  虎列刺病予防法ノ儀ハ昨明治十年中追々相達置候趣モ有之兼テ注意可致ハ勿論ニ候
  得共当今各府県ニ於テ該症萠発ノ徴有之趣相聞ヘ既ニ本県ニ於テモ類似症ノ者有之
  自然他日真症ノ前駆ト相成候哉モ難計依テ別冊摂生予防方法頒布致候厚ク相心得尚
  予防方精密行届候様注意可致此旨相達候事
     明治十一年七月十八日          山梨県令 藤 村 紫 朗
  (中 略)
  虎列刺病ヲ予防スルハ薬剤ヨリモ摂生法ヲ第一トス其摂生法トハ即チ各自ニ身体ヲ
  衛リ疾病ニ罹ラザル様ニ注意スルコトナリ其注意ヲナスニハ日常ノ飲食ヲ慎ミ身体
  ヲ保護スルニアリ依テ左ニ飲食物中ト身体上トニ損益ノ件々ヲ概記シテ報告ス抑此
  予防法ハ諸種ノ劇病流行ノ時ノミナラス平日之レヲ行ハゝ最モ身体ノ健康安全ヲ保
  ツベキナリ
  (中 略)
  予防ノ為メ食シテ害ナキ品物及行フヘキ事件
  (中 略)
  ○厠ノ掃除日没後或ハ日出前ニ行フヘシ日中ハ宜シカラス必ス行フ毎ニ消毒薬ヲ散布スヘシ
  ○溝□或ハ塵芥所ヲ渾テ日ノ照ラサヌ陰湿ノ処ニハ時々消毒薬ヲ散布スヘシ
  (後 略)

『山梨県史第八巻』

[虎列刺病予防取締方の事]

□明治十二年(一八八十)九月
同(九月)十二日 虎列刺病予防取締方ヲ郡町村役所ニ達ス曰

 丙第二十八号                     郡町村役所
 (中 略)
 第三 コレラ病発生ノ媒介トナルベキ厠肥溜下水溝渠等掃除ノ儀掃除ノ節施スヘキ仕
   方ハ本年甲第百弐拾四号布達衛生局報告ヲ見合スヘシハ其土地相当ノ処置ヲナシ
   且ツ飲食店等ニ於テ腐敗ノ飲食物不熟ノ果物等売■セザル様注意スヘシ
 (中 略)
 右相達候事
    明治十二年九月十二日             山梨県令 藤 村 紫 朗

『山梨県史第八巻』

(「ごみをいただきます」−平成13(2001)年7月発行−より抜粋)
2.京都府と山梨県の比較

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