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静岡県浜松市

浜松市西部清掃工場

2009年7月31日 視察報告

浜松市西部清掃工場
工場全景

視察にとってはあいにくの雨模様で始まった本日の広域事務組合の視察であったが、道中格段の渋滞もなくすべて定刻到着であった。

工場設備について

本日の視察は浜松市に3か所ある清掃工場として、本年2月より稼働を開始している最新鋭の焼却工場であり、同時に竣工したのは隣接して(とはいってもおよそ500メートルほど離れている)浜松市が市民の水泳力向上と国際大会が開催できる室内水泳場として建設された「古橋廣之進記念浜松市営水泳場 ToBiO」である。

そのうち清掃工場は敷地9,656.08平方メートル、延べ床面積14,729.19平方メートルという管理棟・工場棟の大きさであり、敷地面積が66,960.25平方メートルである。

ここの総工費は13,595,400千円という大規模なもので、処理能力が450t/1日(150t×3炉×24時間)、その処理方式はキルン式ガス化溶融炉(三井造船納品)で、当然内蔵している発電設備では9,600KWという出力になっている。

浜松市西部清掃工場
歩道わきの溝を使って
300度の温水をプールへ送ります

焼却対象にしているものは一般可燃ごみ、下水汚泥、他工場焼却灰ということなので、当然燃焼カロリー数は低いだろう。その結果この工場での平均ごみカロリー数は1,600キロカロリー程度だということで、焼却に当たり1トン当たり25リットルの灯油を使用しているとのことである。

発電能力はその最大値が9,600KWhではあるが、当日現場でのカウンターでは5,800KWhと低く、その差を尋ねたところ下水汚泥と他工場焼却灰の混入によるものと判明した。メーカーサイドでは以前私が聞いた数値が「自燃に必要なごみカロリー数は1,500」と言っていた記憶があるが、想像通り1,800キロカロリー以上は確保したいのが現実だろう。ちなみに現在の甲府市から排出されているごみは2,200キロカロリーはあると聞いている。

この工場施設の特徴をパンフレットトップで
・ 環境保全対策の徹底とライフサイクルコストの低減
・ 最新技術導入による施設の信頼性と安全性の両立
・ ごみから回収したエネルギーの再利用と再資源化の推進
の3点を掲げている

浜松市西部清掃工場
子供の分別遊び

私としてはこの工場へ持ってきてしまう以前に徹底した分別や過剰包装の削減などの生活改善を行うことのほうが大切ではないのかなという気がしているのだが、当然持ち込まれたごみについてもリサイクルできるものはリサイクルし(1階の入り口には再生家具などが陳列してあった)、それでも発生してしまうごみは最新技術で処理する。その後残さとして発生する灰は一連の工程内で熱循環を行いながらスラグ化して舗装材や浸透性素材として再利用するということなのだろうと解釈した。
スラグは1トン当たり150円という対価がつく商品として販売しているようである。(時代は変わったなあ)そうなるとスラグの品質も一定化しなければならず、温度管理は一層難しいこととなってくるはずだ。

技術的な炉の説明は以前視察した折にすべてまとめてあるのでここでは省略したい。ぜひそちらを見ていただきたい。
千葉県市原市 三井造船株式会社市原事業所
福岡県八女郡八女西部クリーンセンター

事業方式について

浜松市ではこの事業を推進するに当たり、PFI導入可能性調査によってDBO方式が財政負担額において最もすぐれていると判断し、これを選定したとしている。当然当組合事業においても5事業方式について検討し、同様DBO方式を採用するという位置づけをし、推進しているのである。

浜松市の今回事業では、特に水泳場の施設運営という重要な課題があり、ごみ焼却施設と合わせて入札を行ったので「公募型プロポーザル方式」で入札を行っている。それによって先方提案による溶融スラグの全量買い取りや施設運営に際しての様々な課題が解決している。

今回の施設については三井造船グループが主たる契約者であり、運営・維持管理受託業者(SPC)は浜松グリーンウェーブ株式会社となっている。当日は議員のみではなく広域組合職員も一緒に参加した視察であったので、職員からは運営方法など、実に現実的な問題が質疑の時間出されていたのが印象的であった。

浜松市西部清掃工場
熱分解ドラム

終わりに

私は以前よりこのキルン式ガス化溶融炉は実に女性的な炉だなと感じていた、一方従来よりある流動床式ガス化溶融炉などは、男性的だという印象がある。それゆえこの焼却炉についても入口に破砕工程をつけたと聞いたのだが当然であろう。

この方式の炉が誕生した当初製造したドイツのシーメンスという会社では、大型の破砕機しかつけていなかったのでべットのスプリングが熱分解ドラムにそのまま入りこみ、可燃性ガスが逆流して噴出したという事件も起こっていたという。

我が国にあっては可燃ごみとして焼却すべきもので、せいぜい剪定枝ぐらいが長尺物なのだろう、それらが熱分解ドラムへ入り込まないようにするための前処理工程が破砕であり、この工場では20センチ角が最小値だとして破砕しているようである。

そして熱分解ドラムでおよそ450度の温度で蒸し焼きにさせるのがみそで、このドラムから出た金属は鉄やアルミなどは酸化せずそのまま排出されるので値段が高い。このような細やかな配慮を重ねた運転が、付加価値の高いスラグを排出し、あるいはスラグ化以前に分別できるという特徴は捨てがたいものがあると感じている。

これからまだまだ導入決定までには時間がかかるだろうが、今まで以上にきっちりと精査できるような視点を持てるよう、磨きをかけ続けて行きたい。

浜松市の担当の方、ありがとうございました。
三井造船の担当の方、わかりやすい説明でした。

 
環境問題の視察(今まではごみの視察としていましたが、多くの方から「ごみ」ではおかしいという言葉をいただきましたので、これからは環境問題として表現することといたしました。)
2009年7月31日  野中一二

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