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埼玉県川越市

川越市資源化センター

2012年7月19日 視察報告

川越市資源化センター
川越市資源化センター 川越市大字鯨井782番地3

甲府・峡東地域ごみ処理施設事務組合では、今年発注した次期ごみ処理中間施設に対する見識を深めるため、平成19年〜22年にかけて工事が行われ、その施設概要が同一である川越市の施設を視察対象に選定して調査した。

川越市は1922年に市政施行し今年で90周年を迎える北関東の穀物流通拠点として栄えてきた街であり、「小江戸」と呼ばれているその風情あるたたずまいは、現在多くの観光客でにぎわっている商業中心都市である。
人口は346,018人(平成24年7月1日現在)、この数字は甲府・峡東3市の数字と非常に近い。

ごみ排出量を比べてみると川越市が113,319トン、構成4市は131,738トン(平成23年度)と非常に近いが構成4市のほうが事業系ごみが多く、それに対して川越市が人口は若干多いものの家庭系ごみは下回っており、その差が数字の差として表れている。
では家庭系ごみの差は回収状況によるものなのかと思ったが、甲府市の事例と比較して集団回収などが無い等のほかはほぼ同一である。では市民の排出するごみはどうして少ないのか、これについては後日詳細な調査をする必要があろう。

施設概要
(1) 処 理 方 式 : 流動床式ガス化溶融炉
(2) 処 理 能 力 : 265t/日(132.5トン/日×2炉)
(3) 本体延べ床面積 : 13,919.28㎡
(4) 建 物 構 造 : 鉄骨・鉄筋コンクリート造地上5階建
(5) 煙 突 高 さ : 90メートル
(6) 発 電 方 式 : 蒸気タービン発電(4,000kW)
(7) 請 負 業 者 : 株式会社神鋼環境ソリューション 東京支社
では甲府・峡東地域ごみ処理施設事務組合の新しい処理施設はと言うと
(1) 処 理 方 式 : 同上
(2) 処 理 能 力 : 369t/日(123t/日×3炉)
(5) 煙 突 高 さ : 59メートル
(6) 発 電 方 式 : 蒸気タービン発電(7,600kW)
(7) 請 負 業 者 : 株式会社神鋼環境ソリューション 東京支社
以上のように非常に近い状態である事が理解できる。

煙突高さが我々が計画している施設よりも高いのはなぜか、と言う疑問が持ち上がって来る。
煙突高さは法律によって規制があり、当該施設より発生量の多い4市の処理施設のほうが低く抑えられているのはなぜだろうか。その答えは川越は都市部の真ん中に位置しているため、発生する煙(実際はほとんど水蒸気であり、昔のようなばい煙は排出していない)の飛散地域をより広くするため、この様な高い煙突になったと言う。一方4市で計画している施設は、丘の上にあり尚且つ風が良く通る位置にあると言うのがその理由になっている。そして59メートルと言う中途半端な数字は、航空法による規制を避けるための数字で、現甲府市環境センターも59メートルとの事であった。
(航空法の規制とは、60メートルを超える建造物には点滅する赤色灯を設置しなければならないと言う法律の規制を示す)

川越市資源化センター
ごみ投入口 清潔です

施設では見学コースがあり、私共一行もそれに従って内部を見学させて頂いた。
途中、カメラの画像を通して上下左右に内部を見る事ができるシステムも導入されていたが、これについては総合センターからも同様に見る事が出来る事から、業務遂行の監視にも使われていると言う。便利が高じて自らの首を絞めてしまったと冗談で言っていたが、事故など緊急時には大いに役立つ設備であり、次期組合施設でも導入すべきであろう。

この施設は敷地が10.5ヘクタールと広大であり、すべて農地等を埋め立てたものと考えられる。中には4つの施設が分かれて建設されており、熱回収施設、リサイクル施設、草木類資源化施設、環境プラザ(つばさ館)となっている。
その他ストックヤードが作られていて、そこでは処理された溶融飛灰が現在ストックされている。これは昨年の3.11東日本大震災の影響で放射能濃度が基準値を超えたため製錬所での処理が出来なくなったものをストックし、最終処分場へと搬出するためストックされていると言う。ちなみに1,000ベクレル以内であれば飛灰の中から銅、鉛などの金属を取り出せるそうだが、1,100ベクレル程度の放射能を検出しているので、最終処分場へと運ぶしか手段が無いそうである。(最終処分場での許容範囲は最高が8,000ベクレルだと言う説明だった)

川越市資源化センター
つばさ館内部、釣り天井が解るでしょうか。

ついでだが、環境プラザつばさ館では、3.11の折、吹き抜け天井の一部が破損し、修理に膨大な時間を要してしまったと言う。しかし、肝心の熱回収施設には大きな被害はなかったが、溶融スラグの排出口に付着するクリンカが負圧状態から与圧状態になったため落下した事による緊急停止と言う事態になったと言う事である。これについては日常の問題としてこのクリンカ対策は現在でも試行錯誤が繰り返されているが、これだと言う解消策を見出すには至っていない様である。
(クリンカとは、溶融スラグが排出口から出る時に周囲に付着して固まってしまうもので、通常では手作業で棒などを使って落としているのだと言う説明であった)

草木類資源化施設では、公園などから出る剪定枝などを細かく砕いて、最長6ヶ月間かけて土壌改良材として再生していると言う。また太い枝などはチップ化し、雑草が生えない表土剤として再利用する予定でいた。
しかしこの施設は現在放射性物質が混入するため資源化できず、作られたものも市民に配布していないと言う。川越と言う都市にまでもろもろの影響を及ぼしている事は3.11東日本大震災のほんとの恐ろしさはどこにあるのかを明確に物語っている。

コースに従って見学させて頂いた後、研修室で全体に渡る質疑応答があった。そこでは事前に質問を提出させて頂いてあったので、かなり詳細な回答を得る事が出来た。実際数年後には4市の施設が稼働を始めるので、この様な回答は実にありがたく、的確な内容は参考に十分すぎるほど値するものであった。

川越市資源化センター
委託と直営は車の色で

2時間の予定を大幅に超過しての視察は、これからの事業進捗に対するヒントに満ちた充実した視察であった。当然ながらごみの流れと機械的な部分については現物をすべて見る事は不可能である事から、ビデオによる説明であったがそれもしっかりと構成された内容であり、専門家の施設見学にも十分耐えられるような内容になっていた。
工場内でも随所にこのシステムが取り入れられていて、市民だけで見学していても説明には不自由しないよう作られていた。

最後に何より驚いたのが、工場内の清潔さであった。収集車が到着するヤードでも、実に整頓されていて余分なものが一つとしてない。
ロッカーなどに保管されているのだろう、清掃用具さえ見当たらないのだ。
清掃工場だから、だから当然なのかもしれない。


川越市の担当者の皆様、ありがとうございました。

 

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