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埼玉県

埼玉県環境整備センター、彩の国資源循環工場について

2007年7月10日 視察報告

埼玉県環境整備センター
埋め立て終了地の陸上競技場

現在甲府市では「甲府・峡東地域ごみ処理施設事務組合」を、笛吹市、山梨市、甲州市とともに設置し、笛吹市境川町寺尾地区を対象として新たなごみ処理施設の第一歩が踏み出されたところである。

ここには山梨県が設置する最終処分場も併設されることとなっていて、甲府盆地の環境を守るという大切な場所になってゆくのだが、それに先立ち他地域における状況視察と言うべき今回の視察は、当然甲府の計画に対して一定の判断が得られることになるという事で視察に踏み切ったものである。

場所は埼玉県大里郡寄居町で、埼玉県の西部に位置し電車では東武東上線、八高線、秩父鉄道が接続し、道路では関越自動車道花園インターが最寄りのインターとなっている。すぐ近くには長瀞峡があり、周囲一帯は自然保護の法規制などがかかっているのだが、このセンターがある場所だけは何も規制のない地域だったとの事であった。

当日は雁坂峠を越えて秩父から入るルートを通り、視察後は関越道に入り、出来たばかりの圏央道から中央道へと走るコースを取り一周してきた。

環境整備センターの概要
 敷地総面積97.7ヘクタール、埋立地面積26.8ヘクタール、循環工場17.2ヘクタール、公園施設面積15.6ヘクタールであり、平成元(1989)年2月供用開始以来1,232,602トンを埋め立て、45.5パーセントの埋め立て率である。当然地元との埋め立てに関する公害防止協定があり、それによると平成28(2016)年3月31日までとなっているが、それまでには100パーセントの埋め立て率にはなりそうにないようだ。埋立品目は市町村などの一般廃棄物としてゴミ焼却灰、し尿処理施設焼却灰、不燃物。産業廃棄物としては中小企業者、リサイクル推進業者などの8品目(燃え殻、浄水場汚泥、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラス・コンクリートくず、陶磁器くず、鉱さい、がれき類)そして建設残土となっていて、一定粒子以下の大きさに破砕されたものとなっている。当然のことながら一定の費用が徴収され、焼却灰については18.000円/トンとなっている他、それぞれの品目ごとに設定されている単価表によって徴収されている。

埼玉県環境整備センター
持ち込まれた廃棄物は機械で圧力をかけ、上に覆土する

埼玉県環境整備センターのホームページでは、この施設のすべてが非常に理解しやすくまとめられているので詳細な数値などについてはこちらのホームページをご覧いただきたい。

この施設内では既に埋め立てが終了した部分に陸上競技場が作られていて無料で開放されている、「次は野球場」などと言う話も上がっているそうだが、いざ作るとなると様々な制約が出てくることは言うまでもない。重量物は載せられないし、基礎を打ち込むと疎水シートに穴があいてしまう。最終処分場についてはこれからまだまだ解決しなければならない事がたくさんあると思えるが、この施設では先端技術開発として覆土(毎日埋め立てたごみの上に土をかぶせて行く土のこと)に様々な工夫を凝らし、その働きで自然に浄化した浸出水を排出するなどの実験も併せて行っている。

それでも未だ日本中で最終処分場から出る浸出水の管理をやめたという話は聞いたことがない、きっとあと50年ぐらいは管理し続けなければならないのだろう。そうなると以前視察させて頂いたささゆりパーク(岐阜県可児市)のような完全循環型と言う解決方法も一つ視野に入れておく必要があるのではないかと思える。

安全性に対してもう一つこの施設の特徴的なものは、「地元住民による不定期立ち入り調査」と言う事が挙げられている。これもすでに全国の最終処分場では数多く見られるようになって来た事なのだが、寄居町の町長が任命したおよそ170人程度の地元住民が、不定期に(おおむね週1回)突然訪れ、地元との公害防止協定にのっとった活動をしているかどうかという調査が入る。

このことによる緊張感は相当なものがあり、資源循環工場についても同様な立ち入り調査があるので、企業側も一層の努力を要求されているとの事であった。つまり「約束を守っているかどうか」という視点で住民が行う独自調査が、設置者である行政が行っている定期調査以上に実質効果があるという事だ。甲府市において計画されている施設に対してもこのような継続的な住民による調査によって、自らの安全は自らの手で作り上げるといった基本が実行されることをぜひ望みたい。

埼玉県環境整備センター
むき出しのロータリーキルン式焼却炉

彩の国資源循環工場は、その案内の前文で『民間リサイクル施設(借地事業者)、PFIサーマルリサイクル施設(PFI事業者)、県営最終処分場(環境整備センター)、県と民間の研究施設で構成する総合的な「資源循環モデル施設」です。ここに集積する環境産業群が相互に連携し、効率的で効果的な資源再生と技術開発に取り組む』としている。
ここでは合計9社がそれぞれ特徴のある手段で資源循環の最終的な鎖を作り上げ、地球環境保持に努力している実に興味深い施設群である。

埼玉県からの借地事業者は以下のとおり
(株)エコ計画
総合リサイクル
(株)環境サービス
廃プラスチック・食品リサイクル
(株)アイル・クリーンテック
生ごみ・食品リサイクル
(株)ウム・ヴェルト・ジャパン
蛍光管リサイクル
(株)埼玉ヤマゼン
焼却灰リサイクル
埼玉環境テック(株)
建設廃棄物リサイクル
広域廃プラスチックリサイクル協同組合
廃プラスチックリサイクル
よりいコンポスト(株)
下水道汚泥等リサイクル

これらの会社のうち、今回は(株)エコ計画さんを訪ね、その工場内を視察させて頂いた。ここではRPF(リサイクル、プラスチック・ペーパー、フューエル)つまり紙やプラスチックだけを固形のペレット状に固め、燃料として販売している施設と、有機汚泥の肥料化工場、廃電子機器のリサイクル工場、など20種類以上の廃棄物を再資源化している工場であり、熱源としては再資源化困難物を償却してできる熱を利用するなど、複合的な処理施設を一つのエリアに集めている会社で、さすがに首都圏に位置するだけあってその需要はかなり旺盛のようである。

また、工場シャッターは厳重に開閉管理され、前出住民による監視活動がここでも影響している様であった。気がついたのは行政が作る焼却施設はその全体をコンクリート構造物などで覆っているのだが、民間ではその必要がまったくないのでむき出しになった焼却炉が印象的であった。当然このような事で投下資本は行政施設に比べてかなり削減できることとなるのだが、なぜ行政施設はこの部分にも覆いをつける必要があるのかこれについては検討に値する。

埼玉県環境整備センター
覆土による滲出水の研究施設

ここに入居しているそれぞれの企業は、市場原理の下物質循環を目指して各社がそれぞれの技術力を高め、しかも焼却施設と処分場では、リサイクルの措置を講じた後に生じた廃棄物を優先的に受け入れることで、県内のリサイクル事業の促進を図るというトップランナーとしての企業群が集結しているという事となるのである。

まさに静脈産業の心臓とでもいうべき施設として、しかも都市計画法における廃棄物処理施設と言う位置づけを行って県とも連携を取っている施設が集結しているのである。

同じ「海無し県」としてこの考え方は非常に共感を覚えるものがあり、境川町寺尾に建設予定の施設周辺には、是非この様な静脈産業が集結してほしい、同時にそこから生まれた新しい力を動脈産業へ帰し、大きな物質循環の流れが出来ると良いのにと考えることしばしであった。

 

2007年7月12日  野中一二

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