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100年で考える都市計画

都市再生に向けて

3・土地政策とは

現状、都市には数々の制限が設けられている。都市計画に係る法律、土地利用に関する法律、開発にかかわる法律などなどである。その上下関係は全国総合開発計画(全総)から始まり、県による広域都市計画、市町村による開発計画といった流れになっており、それぞれが上位計画に対して整合性を図れるよう設定されている。果たしてこれらの制限(土地政策が全て制限と言うわけではない。それぞれの目的にあった開発に対して積極的に支援するような政策もあり、一定の条件下において開発促進の側面が強く働いている政策もある)は有効であるのか、結論を先に言ってしまえば「土地政策は有効」である。

 土地政策についての不満の一例として、祖父の代から行ってきた町工場だが、道路拡張で敷地を削られ事業が出来なくなる、ここは第一種の住宅区域と言うことだが何とか隣の土地を買い増すからここで操業出来るようにして欲しい。ましてやここは、土地の用途指定が決定される以前から事業をしていたところだから、個人の自由があるだろう。と言った話に代表される市街地での問題。また、この道路の反対側については市街化区域に指定されている、しかしこちら側は市街化調整区域になっており建物を自由に建らてれない。その上、この線引きを指定してから土地売買の時には制限が付いてしまい、自由に売買できないどころか土地単価に著しい格差が付いてしまっている、これはもう憲法違反ではないか。と言った市街化調整区域にまつわる問題などなど、さまざまな問題を抱えている事も現実の姿ではないか。

それでもなおかつ土地政策は有効であると言わざるを得ない。土地政策の基本とは「いかにして合理的(教育・衛生・福祉など全てのソフトウエア的なもの)且つ安全にくらしてゆけるか」と言う都市機能の原点にかかわる問題を解決してゆくための一定の法則を定める物であり、同時に都市の発展に対して一定の枠を設定することにより、都市から得られる利便性、快適性を住民に等しく分配するための物であるからだ。「住職近接」が理想であると言うが「住職混在」では都市機能に著しく負荷がかかってくる。仮に混在を是とする都市があったとするならば、一定の発展をなした後には見捨てられた都市になってしまうに違いない。強制的に混在させようとしても、その都市には肉体的にも精神的にも衛生面などでの配慮をしようとした場合に膨大なエネルギーがかかり、住民や企業はその負担に耐え切れなくなってしまうだろう。この現象に代表されるのが数々の公害訴訟であり、空港、新幹線線路などの近接地に対して住宅開発を行った場合に見られる住民訴訟である。もしここで一定の土地政策を実行していれば、これらのような訴訟は未然に防ぐことは出来たはずだ。つまり住民の生活権を守りつつ、産業の健全育成も出来たということになりはしないか。これがまさに政策であろう。

「自由な発想で都市を作ろう」と言う事に対して欧米の建築家たちの描いた都市の様子を見ると、中心部にはほとんどと言ってよいほど教会を持ってきている。この都市に息吹を吹き込み、人々がそこで暮らす様になった場合の「心のよりどころ」を求めているのであろうか、あるいは都市に対する求心力をここに求めようとしているのだろうか、そのあたりに欧米におけるコミュニティーを解く鍵がある。自由と言う人間の意志に基づいて暮らしてゆくにあたり、そこでの守らなければならないルールを決めること。それは誰に対して決めるのではなく、自分に対して「安全で」「安心できて」「快適で」と言う事。そしてそれを神(ここで言う神とはSomething Great とてつもなく何か偉大な物)に対して誓約する。そのようなところから始まっているのではないか。

この土地政策の設定に当たっては、出来る限り「完結型」の都市を目指すのが望ましいと考える。現状の区分を垣間見ても住宅地域、商業地域、工業地域、風致地区などの設定が行われ、その他農業振興地域、水資源保護のための水源涵養林と言った数々の指定で覆われている。そこに目指すものは「一定の地域内で一定の生活が維持できる」ことにあるのではないか。そしてそこにおいて出来ない物については「交易」と言う手段を使い、他の地域から運搬してくるということであろう。歴史的に見てもこの事については証明されており、そこでの交換手段として「貨幣」が登場したことはここで申すまでもない。同時に人間の持つあくなき欲望と好奇心が、交通手段の発達とあいまってそのネットワークを世界中に広げて行くこととなる。この事の重要さをもう一度認識しながら、そしていまや当然となった情報による地球ネットに対して十分対処できる都市を作る上でも、礎となるしっかりとした土地政策を作り上げる事。その上で「時間経過に対応できるような柔軟な見直しが出来る体制作り」、こんな事が必要になってくると思える。

続く

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