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100年で考える都市計画

これからの甲府都市圏

5.都市近郊農林業のあり方

3.高年齢者農業のすすめ

当然のごとく都市においてはその勤務している組織によって若干の変動があるとしても、一定年齢での定年退職という現象からは避けて通れるわけが無い。しかし現在から近未来に向かっては「年金制度」の変革から65歳支給という言葉がすでに日常化している。しかもその受取額は年々減少し、決して楽しい老後という時代が来るとは限らない。人々においても65歳という一つの節目は確かにあるとは言うものの、未だ第一線に立って活躍できるだけの十分な知力と体力は持っている、というのが現在のこの年齢を重ねた方々の姿ではないか。その様な方々が「近郊型畑作農業の担い手」としてあらためてスタートしたとしても不都合は無いはずである。昨今「市民農園」市民が有償で土地を借り、自分の好きな物を栽培して楽しむことが出来る場所。甲府市では2002年7月現在5ヵ所192区画あり、その1区画あたり約40平方メートル)を借りて自ら手作り野菜を栽培する方が増えていることは、この様な自然と親しむ農業という物に一定の理解を示している結果でろう。水田での機械化農業に対しては一定の熟練が必要となる、しかしこれら畑作については適切な指導者としての農業従事者と、高年齢者による共同作業という形で十分まかなえるのではないか。勿論ここでは「自分で楽しむため」という市民農園での作業と違い、その生産量に応じあるいはその勤務体系に応じて適正な収入が得られるという形にしなければならない。そのための組織作り、つまりどうあっても前出の「農業の会社化」が必要となってくるのである。旧ソ連における「コルホーズ・ソホーズ」といった国営農業に近い形となるのであるが、運営面ではその組織をもっと弾力的に且つ自発的に運営するような体制が望ましいと考える。ここでは決して無理をせず、体力のある若者と同様な仕事はしてはいけない。例えば枯れ草を集めるフォークは、従来市販されている物より刃の長さを短くし、一度にすくえる草の量を少なくすることで体力的な負担を減らす工夫が必要になる。バケツも従来あるようなバケツの容量では大きすぎるので、若干少なめのバケツを用意してやはり体力的な負担を軽減するなどの細かい工夫が必要となってくる。そうして一人当たりの作業量を軽減し、その作業従事者を増やすことで全体の平均化を保つといった努力が必要である。此処では定年など当然ながら無い、全て自分で判断して行くことが必要だ。ましてや「相手は自然である」、その事はこの畑作農業に従事するということの意義を十分に説明できることとなる。この様に考えることで、近郊農業地帯における機械化農業の推進役として、あるいは過去からここに至るまでの培った技術を伝承し、次世代の指導者としての情熱を持った若年労働者と、都市部からの高年齢労働者との「協労関係」がまさにこれからの近郊農業の主役となってゆくのである。

余談ではあるが、近年「ソイル・リラクゼイション、もしくはソイル・セラピスト」といった言葉が使われるようになってきた。つまり何かの障害を持ってしまった人が機能回復訓練を行うにつけて、土に触れることでその機能回復効果が飛躍的に高まるという事だそうだ。この様に土に触れるということは障害を持っている人に限らず、健康な方にとっても非常に優しいことであろう。ここでは大きな意味での生きがいの追求が可能であるし、特に畑作産物については手をかけることで一層の収穫が得られるといった二次効果も期待できる。ましてや今まで社会の第一線で活躍し、あらためて仕切り直しをするといった人々が、自らが自信を持って食して行ける様な畑作生産物(安全・安心という大前提を持った食品)を消費者に提供してゆくといった行為がここには存在する事となるのだ。

続く

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