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100年で考える都市計画

これからの甲府都市圏

5.都市近郊農林業のあり方

5.新しい農業の形を目指して

いわゆる耕作放棄地対策と、政府による稲作減反政策は今後どのように解消して行ったら良いのかを考えてみたい。「コメ余り現象」の解消を目指して農林水産省は減反政策を進め稲作からの転換を農民に強制したことはすでにご存じのことであろう。しかし一方ではこの政策によって「耕作しなければ補助金が出る」と言う実に馬鹿げた事態が深刻化していることをご存じだろうか。もちろんコメ以外のものを作ればその分収入になるのだが、実際の農作業では手間がかかる割に収入の少ない作業はやりたくないと言う事で耕作放棄してしまう水田が非常に多く存在するのが事実である。

もう一つ、高齢化による後継者難での耕作放棄地が徐々に拡大しつつある。最近では田畑だけでなく果樹地帯にも浸透し、無残にも棚だけ残したぶどう畑が広がっていたり、荒れ放題のスモモ畑と言うのも随所で目にすることが出来る。一体これらをどのようにして耕作して行ったら良いのだろうか。

我が国にあっては食料自給率はカロリーベースで38パーセントという数字となってしまい、国家戦略としての食糧供給が海外を頼ると言う情けない状態に落ち込んでしまっている。それと同時に世界のエネルギー事情からバイオマスエネルギーに注目したアメリカなどによるトウモロコシの燃料化によって量的不安が一気に拡大し、すべての穀物相場が異常な高騰を始めてしまっている現在である。我が国の農業政策は生産者の意向を無視して場当たり的な対策に終始し、昨今のバター不足に見られるような目を覆いたくなるような惨状となってしまっている。一方築地市場に入荷する高級マグロはそのうち最高級品がその場で再梱包され、なんと上海行きの飛行機に乗せられ中国へと輸出されてしまっている。中国では富裕層の間で「京野菜」がブームとなっていて、その安全性とおいしさはとまる所を知らないと言う勢いで消費されているとも言われている。これが大局的に見た我が国の農業政策なのかと落胆しても致しかた無い現実なのだ。

ここまで来て我が国を憂いても仕方ない、せめてその先駆けとして我が甲府市の農業政策を見直す必要があるのではないか。

私は「農業と土木の合体」を提言する。

それはこの様な仕組みで行えばよい。まず公共土木事業の発注をある期間に特定する。たとえばトウモロコシを例にとって見ると、その作付は2〜3月に行われ、収穫が5月〜6月に集中する。つまり長く捉えても2月〜6月と言う5ヵ月間の集中作業なのである。その後7月以降から翌年1月までを公共工事発注期間とし、土木事業者による入札を行う事とする。但し、応札する土木事業者が前5ヵ月間でトウモロコシ作りを行った場合は、20ないし30ポイントを付加した入札とする。この様な新しい入札の仕組みで行う公共工事は工事期間限定とし、翌年も同様にこの業者が農業へ参加することを行いやすくする仕組みを行政が作ればよい。 この仕組みを作る事で、耕作放棄地を減少させ且つ従来どうりの公共事業費の範囲で収まり、その上生産した農作物の販売によって甲府市の実質生産額の上昇が果たせることとなるわけだ。もちろんどこの地域のどの農地といった問題点や、高齢化によって耕作できなくなった方の農地など、場所の選定と生産品目の設定と生産指導および販売方法などについては甲府市農政課、JA甲府、甲府市農業委員会、甲府市都市建設部と言ったすべてにかかわる人々の合議会を作り、様々なバックアップを行いながら進めてゆけば良い。また参加する土木業者も実際農業経験は全くないと言う事を前提に、高齢化したとはいえこれまで農業を続けてきた現場の方などの適切な助言や、JAによる営農指導などをこまめに行う事で、不安を取り除くことが肝要であろう。むしろそれ以上に工事による収入だけでなく、農業収入も一定の額になると言う事を考えれば、企業として取り組む意欲も当然出てくるのではないか。

最初は小さな集団で良い、そして最後にはすべての甲府市内の耕作地が何らかの作物で埋まり、緑豊かな甲府市がこのまま続けば当初目的は達成されるのではないか。 株式会社甲府市として、市民の福利向上にこの上なく貢献できる事業ではないかと考えるが。

メールマガジン『野中一二の人は石垣、人は城』 平成20年07月30日 192号所収

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