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2000年から未来の甲府へ PART−2・北部山岳地帯編 PAGE 2

どこですか白砂青松の昇仙峡

甲府盆地の主な観光名所はどこですかと聞きますと、まずは「昇仙峡」と答える方が圧倒的でしょう。日本の渓谷美100選にも選ばれ、特別名勝「御岳昇仙峡」として全国に名を馳せた昇仙峡は、その名の通り実にすばらしい奇岩・清流があります。春夏秋冬と季節によって移り変わるその風情は、人工の物ではとても醸し出すことが出来ないものでしょう。晴れた日には水面にゆれる自然の巧みが織り成す眺望が心を捉えます。雨が降れば渓谷はしっぽりとした風情が楽しめます。津々浦々からやってくる観光客はその姿に圧倒され、感動して帰宅の途につくのは当然でしょう。そこかしこに配慮がなされた遊歩道は、ハイヒールで歩く女性や、トレッキングシューズを履いてリュックを背負った本格的なハイキング客が混在し、さすがに年間200万人以上の観光客がくる場所は人を選びません。
昇仙峡
昇仙峡の淵
昇仙峡は「長潭橋」から始まり「仙ヶ滝」まで続くのですが、途中省略して「昇仙峡グリーンライン」(今では無料になりました)の県営駐車場から滝までの省エネコースが圧倒的な人気です。あるいは滝上まで車で行き、そこから滝だけ見て戻ってくる簡単コースなどに観光客が集まり、なかなか全体を見てゆく人は少なくなりました。本当は「長潭橋」から名物(足の太いのが有名、信玄公祭りでも大活躍)の馬車に揺られて行くのも良いのではないかと思うのですが。今の観光客は昇仙峡だけでなく県立美術館で「ミレー」の絵を見たいとか、ついでに武田神社も見てそのあと観光ぶどう園でぶどう狩りをしてみたいなど。とにかくメニュー豊富でないとツアーコースに不満があるようで、一泊二日のすべてを駆け足でこなす人が多くなってしまいました。じっくりと散策しながら昇仙峡のすべてをぜひ一度見ていただき、自然と触れ合いながら心に残るひと時をすごしていただきたいと感じているのは私だけでしょうか。
 
昇仙峡
仙ヶ滝
しかしながら昇仙峡観光は、たとえば電車で甲府にきた人にとっては路線バスなどの目的地交通機関が少ない事。さりとて自家用車などの交通機関を利用する人は駐車場におくとそこまで戻らなければならないなど、どうしても周回行動をとらなければなりません。ここはひとつ観光協会などと協力して「長潭橋」発「仙ヶ滝」間の巡回バスとか、馬車を利用したあと滝上から下りの何か乗り物など、ぜひ一捻りしてほしいものですがいかがでしょうか。

人間は一度通った道をもう一度通るのはあまり上手ではないような気がします。もちろん違う景色があればそれでよいですし、黒部川峡谷のトロッコ電車のように、一回や二回通ってもまだまだ飽きないような圧倒的な景色が広がっているのであれば、これもまた帰りにもう一度見逃したところを見たいと思うので良いでしょう。しかし、現実の昇仙峡にはそこまでの遊歩道が取れる場所もないですし、周りの風景についても「箱庭」的な、いかにも日本人が日常好みそうな風情が中心ですから、ここでは難しいと思います。再三申し上げますが、「観光協会さん」ぜひともご一考を。

散策条件が整ったのですが、何か私が見てきた昇仙峡の雰囲気とちょっと違うような気がいたします。そうです「白砂青松」とうたわれた名勝のはずですが。たしかに最近の「松くい虫」の被害に対しては、この荒川の水は甲府市の水源水ですから空中散布などの対策がとれず、一本一本薬液を注入しているとの事です。気の遠くなるような話になりますが、自然を守り人間の生活を守ることが必要とされていますから、どうしようもないでしょう。以前「覚円峰」の上で焚き火をしたという大間抜けなやからがいましたが、その後の復旧についてもかなりな努力をしてきたとの事です。でもまだ何かが足りません。

昇仙峡
白砂

そうです「白砂」だったのです。もともと荒川上流は花崗岩が多く、その浸食作用でこの昇仙峡もできたものであると聞いていました。昨今の河川が氾濫するような大雨が減ったことなどでその浸食作用にも一定の歯止めがかかり、同時に1986年に最終完成した上流の「荒川ダム」による土砂のせき止め効果で肝心の白砂が流入しなくなったのではないでしょうか。(これが本当なら、此処から先の話が続きます)

 
河川は流れ下ってこそその意義があり、人間が快適に住めるようにと防災工事と称してすべてをコンクリートで覆い尽くしてしまうような工事はさすがに少なくなりました。最近の河川改修は、川床の土をむき出しにするとか、玉石などを上手に配置して自然に浸透水が確保できるように変わってきました。護岸工事についても、すべてコンクリートブロックなどを使うことなく、景観にもやさしい工法が採用されつつあります。そんな中で事ダムに関しても今までの概念とすこしづつ変わって来ているようです。たとえば砂防ダムなどは、被害が発生する大きな石についてはしっかりと止めますが、小さな石や砂などは自然に下流に流してゆくような形のものが見られるようになりました。大型のダムでは湖底の土砂を定期的に浚渫するなどの他、ダムの底から放水しながら堆積土砂を一気に排出してしまうことも考えられました。実際この方法は日本でも試され、そのため一気に流出した土砂で富山湾の生態系が一時的に崩れ漁業保証の話も出たくらいです。しかしいったんせき止めていた堆積土砂を上流から流すと、その流量にもよりますが水がにごったりするなど、数々の問題が発生することは日の目を見るより明らかです。しかし本来的には其処で堆積していた土砂は同じ時間をかけて下流に流れていった物のはずです、つまり下流にしてみればあって当たり前の堆積物なのではないでしょうか。ではどの様にして流していったら良いのでしょうか。
私はこのように提案します。まづ荒川ダムにバケットの付いたコンベアを設置します、これは当然無限軌道です。そして放水口と湖底をつなぎ、放水口の水力を利用してこれを動かします。この時のバケットの数や大きさは、自然に川が流れている場合を想定して決定します。このバケットが湖底から堆積物をくみ上げてきて放水口で下流に向けて流してゆくことで、自然堆積物が下流に流れてゆくと思うのですがいかがでしょうか。こうしておけば自然堆積物の中のたとえば落ち葉などは、腐葉土化せずに湖底に堆積してしまうのも防げるのではないでしょうか、当然白砂も下流に流れ、昇仙峡も「白砂青松」がよみがえってくるようになると思いますがいかがですか。
ことは重大です。なんと言っても人間が自然に手を加えてしまったことから始まっていますから、今度は人間が自然に手を貸し本当の姿に戻るようにしてあげなければならないのですから。此処でついでに言わせていただきますと、「仙ヶ滝」も人間の手によって修復工事が行われ、現在のような美しい姿に戻してあげたのですから、昇仙峡全体についてももう一度考えてみてはいかがでしょうか。
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