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「野中一二」の言いたい放題

2004年7月13日 2004年参議院議員選挙と政治意識

今回の参議院選挙では、自民党の獲得議席は民主党(50議席)を下回る49議席。改選の現有議席(51議席)を確保できなかったという大惨敗に終わった。非改選議席とあわせても、過半数の121議席には及ばず、115議席にとどまった。今回の改選121議席分だけを考えると、自公の与党系は計60議席、民・共・社・無の野党系は計61議席で、わずか1議席ではあるものの、野党のほうが多いと言う結果となってしまった。現状与党である自公政権の政治に対する国民の怒り・不満は大きいという事なのだろうか。

今回の選挙の争点は「年金問題」と「イラク問題」と言われていたが、本質はどうも違っていたのではないか。年金問題を一番に取り上げて不安だと言った有権者は、すでに年金を受給している65歳以上の方が非常に多く、これから掛け続けて行く若年層の多くはこの問題に対しても無関心でありつづけた様である。

イラク問題にしても、戦争反対と唱えてはいるものの、実際イラクの地で自衛隊が行っている活動に対しては「決してすべてが否定的ではない」と言われている。ではいったい何が問題だったのか、かく言う私自身が応援演説等でこの問題を取り上げながら自問自答してきたのだが、どうも今回はもっと違う側面つまり政治家としての誠実さにあったのではないかと思える。

年金問題、自衛隊の多国籍軍参加と言った一連の議会や閣議決定の中で、そのプロセスに憤慨したのではなく、負担の増加や小泉総理の独断に怒りを感じたのではないと思う。負担が大きくなっても、本当に必要なことなら仕方ないと思うぐらいの理解力は、国民にはあるはずだ。単に負担は嫌だ、でも給付は増やしてという身勝手な論理が通るとは、国民だって思っていない。

しかし、負担を強いる改革案の前提となる基礎データの公表を意図的に遅らせたり、総理の「人生いろいろ」の言葉をはじめ、政治家自らの未納問題についても制度のせいにするような「不誠実な態度」に、私たち国民生活の様々な制度を作る政治家がこんなことでは困るという怒りが、抑えきれなくなったのではないか。不思議なことに福田前官房長官の潔さが際立ってしまうくらい、一連の自民党幹部や小泉発言はあまりにも不誠実と言っても良いだろう、本当に国民に理解をしてもらおうという気があるのかと疑いたい場面が多々あった。

一方、岡田民主党代表の、表情からしてにじみ出るような真面目さが、小泉総理の不誠実さと対照的に映ったのではないかと思う。国民を「煙に巻く」と言う行為は断じて許さないと言う正義感と潔癖性と、民主党首脳の年金未納に対する態度が何か心を揺さぶるような感じがしたのだろう。

今回の参議院選挙は3年前とは風向きが違うなと感じ、街頭に走り出したとたん何だろう、と思ってしまったのは私一人だけではなかったはずだ。毎回のことであるが移り気な有権者を捉える事が出来なかった、そんな選挙だったのだろうか。

その多くをしめるのが「改革の痛み」が身近に迫り、自らがその現場に遭遇した、特に地方の中小企業の有権者たちの実体験だろう。厳しくなった金融機関からの取り立て、営業の成果に対する厳しい会社側の態度、リストラにおびえる従業員、これら具体的改革の痛みを自らの体で味わった有権者たち、これから先はどんな形でその抵抗を示すのか考えただけでも恐ろしい。

それにしても、選挙中にまで自分が所属する党の総裁の進退を勝手に推測してしまうような馬鹿げた事まで言われては、勝てる戦も負け戦となってしまう。自らだけの正当性を主張する様な姑息な態度に国民が辟易していると言うことを改めて知るべきだろう。

スタートである候補者選びから始まり、公認ではなく推薦と言う異常な状態。いざ始まってみるとうごめく過去の知事選からつながる軋轢とあっては、戦い以前に勝敗が見えていたのかもしれない。

しかし今後の事として私を支援してくれている若い仲間たちが、「自民でも民主でもない」、まだ組織と言っている人は、今の特に若い世代が自分の回りをとっても大切にしている事を考えていない、ほぼ全員無党派と言われる層なんだよねと言っていた事もうなづける。もう組織の時代ではないと言うことだが、すると選挙の方法はどのように変化してゆかなければならないのか。それにしても3年前の小泉フィーバーは再来するのだろうか。

メールマガジン『野中一二の人は石垣、人は城』 平成16年07月13日・第75号所収

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