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「野中一二」の言いたい放題

2007年1月1日 都市計画の原点に戻る

古来日本においては、都市を構築するにあたり「風水」と言う概念を基本においてその都市を構築してきている。先ず始めに都市の要衝を囲い、そして四方にいわゆる魔除けであろうか神社仏閣を作って納める事を行ってきている。しかしこれらの方位は、実に理にかなったものであったのだ。自然の河川を利用し、山々を配置したかのごとく利用してその上で神社仏閣を有効に使って都市としての形を作り上げて来ている。

上賀茂神社
世界文化遺産 国宝 京都・上賀茂神社

都市は常に自然と共にあり、人々の暮らしも自然と共に流れてきている。歴史上もそこを流れる川の流れが変わったり、気候の変化によって急激に環境が変わったなどの理由で放棄された都市があることは事実として証明されている。

その様な中で「京都」と言う都市は世界一長寿な都市として、現在でも発展を遂げていると言う事は私もずいぶん多くの場で取り上げてきている。強固な地盤、常に清潔を保てる川の流れ、周囲を取り囲む資材の宝庫としての山々など、その利点は数え上げればきりが無いほどであるが、もう一つ神社仏閣の多さも目を引くものがある。人々の信仰心がこの街を作り上げてきたともいえるのではないか、しかもわが国の中心として長く存続してきているここにはもう一つの側面があったとも理解できる。

京都は全ての情報の発信基地であった、と同時に全ての情報の集積基地であった。この側面は従来あまり解明されていない都市機能の重要なポイントではなかろうか。

つまり放棄される都市には情報収集の能力が無く、同時にそこから発信される情報が重要な役割を担っていないと言う機能上の問題であり、すべからく都市としての魅力が薄れている都市は放棄されてしまうと言う現代にも通用する問題が隠されている気がしてならない。

若者文化の発信基地としての「原宿」と言う地域は、自然と若者情報の集積が行われてきたのである。同様に湯布院と言う地域は、日本中の温泉観光に関する情報が集積され、それがさらに日本中に広がっている。

では過疎化が進む地域はいったいどのような原因があるのだろうか、もちろん交通問題や産業の問題など複雑に絡んでいるのだが、大概この過疎化が進行している地域は情報発信が非常に乏しく、その受信もこれまた貧素な地域が多いのではないか。ちょっと乱暴だがこのような捉え方をしてみると、これらの地域で今後生き残ってゆく方策もまた見えてくるだろう。

この様に都市を形成してゆく過程では、その都市が成立した初期の時点での役割や仕組みと言ったものにまで目を向ける必要があるし、今後それら都市がどのような方向へ向かってゆくのかと言う部分については、出来うる限りの可能性と同時に情報についても常に的確に流しつづけなければならない。これからの時代、中央政府や他都市とのパイプと言う言葉は、ネットワークと言う言葉で置き換えられてくるのだろう。

益々進化する情報化社会に対して常にピリピリしていなければ、置いてけぼりになってしまうということを肝に銘じて今年も一年走りつづけよう。

メールマガジン『野中一二の人は石垣、人は城』 平成19年01月01日・第157号所収

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