簡単に言ってしまうと大規模小売店舗法では中小の商店を守るとしてきたのに、これによると増改築を含め近隣商店からは意見を聞くだけにとどめ、中心市街地活性化に向けては核となる大型店舗の誘致を積極的に推進してゆくとしています。しかし、この区域ではすでにある大型小売店のほかには新規に出店が期待できるのは「ダイタ駐車場」と「桜町駐車場」程度しか望めず、それによる市街地の活性化に刺激となるような開発事業は実際難しいのではと感じています。
いずれにせよ甲府市が真剣に動き出しているという印象は強く感じましたが、商店街の活性化では各個店の店主がいかに真剣に取り組むかというあたりが一番重要になってくるのでしょう。きっとやればできるという気概が必要です。
1 特例区域とは
中心市街地の活性化に関する法律第36条の規定に基づき、大規模店舗の迅速な立地促進が必要な中心市街地の区域において、大規模小売店舗立地法の届出の対象である店舗面積が1,000㎡を超える店舗の新設等の手続を緩和する区域である。
2 特例区域の指定の目的
本市の中心市街地における商業機能は、消費構造の変化や大型店舗の相次ぐ閉鎖、さらには郊外への大型ショッピングセンターの進出などにより、長期にわたり商業力が低下し賑わいも喪失している。中心市街地には、大型店を含んだ商業集積が不可欠で、地元商店街との相乗効果により魅力の向上と賑わいの創出がもたらされるものである。このことは、平成19年度に実施した中心市街地活性化に関する市民アンケートにおいても、中心に必要な施設として「大型駐車場」と「核となる大型店舗が必要」が上位を占めている。
こうした状況を踏まえ、本市では「自分参加でつくる 生き甲斐都市こうふ」をテーマに甲府市中心市街地活性化基本計画を策定し、平成20年11月に内閣総理大臣の認定を受けたところである。基本計画の認定より、活性化事業にも位置づけられている大規模小売店舗立地法の特例区域を設けることが可能となったことから、大規模小売店舗の進出を促進するため、積極的に制度の活用を図っていく。
特例区域の指定の効果は、大型店の新規出店に関して大店法上の大幅な手続きの短縮化・簡素化が図られること、また、既存大型施設の増改築等にも手続きが緩和されるなどの利点が多いなど、出店者側から見れば、タイムリーな計画実施が可能となるものである。
中心市街地の活性化には、大型店を核とした賑わいの創出が不可欠であり、現状を打開するためにも、有効な手段となる特例区域の指定を県に要請し、県都に相応しい商業集積の充実・強化を図っていくものである。
3 指定する区域と理由
(1)指定する区域
都市計画法で定められた商業地域のうち、容積率 600%の地域を第一種大規模小売店舗立地法特例区域に指定する。(別紙図面を参照)
(2)指定する理由
・商業地域のうち容積率が最も高く設定されており、大規模な店舗等を誘導している地域であること。
・大規模小売店舗の立地が可能な甲府駅周辺地区や旧パセオの紅梅町再開発地区、甲府銀座ビルなどが含まれていること。
・中心市街地区域内にある岡島、山交、エクランなど既存の大規模小売店舗のすべてを含む地域であり、大規模小売店舗立地法の手続を緩和することで、各店舗が迅速に変更等を行なうことが可能となること。
4 基本計画の計画期間と特例区域との関係
第一種大規模小売店舗立地法特例区域は、基本計画が認定された中心市街地において指定を行うことができるものである。
指定の前提となる基本計画の計画期間が終了したことによって、第一種大規模小売店舗立地法特例区域が廃止となるものではない。そのため、廃止には、指定する際と同様の手続が必要となり、県へ廃止の要請を行うこととなる。
届出の内容 【新設する場合】 ○大規模小売店舗の新設 【変更する場合】 ○既存店舗を含む大規模小売店舗の店舗面積の合計 ○既存店舗を含む大規模小売店舗の駐車場、駐輪場の位置及び収容台数など施設の配置に関する事項 ○既存店舗を含む大規模小売店舗の開店時刻及び閉店時刻など運営方法に関する事項
(1)現行の大規模小売店舗立地法の手続
① 大規模小売店舗の新設または変更を県に届出 ・届出の日から8か月を経過した後でなければ、新設または変更をしてはならない。…(注1) | ||
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↓ | ② 2か月以内に届出者は説明会を開催 | |
③ 4か月以内に生活環境の保持※の見地から ・県は地元市町村の意見を聴かなければならない。 ・地元住民、地元事業者、地元商工会議所などは県に対し、意見書の提出ができる。 | ||
↓ | ||
④ 8か月以内に県の意見を通知 ・意見がない場合、手続は終了する。→届出者に対する(注1)の規定は適用しない。 | ||
↓ | ||
⑤ 届出者による意見に伴う変更の届出 等 ・届出の日から2か月を経過した後でなければ、新設または変更をしてはならない。 | ||
↓ | ||
⑥ 県による勧告 ・県の意見を適正に反映しておらず、周辺地域の生活環境に著しい悪影響がある場合、地元市町村の意見を聴き勧告できる。 |
(2)第一種大規模小売店舗立地法特例区域に指定された場合
①〜⑥の手続のすべてが不要となり、大規模小売店舗立地法の規制の実質的な撤廃となる。
第一種大規模小売店舗立地法特例区域 | |
区域 | 基本計画に定められた中心市街地の全部又はその一部 |
特例区域の指定による効果 |
新設または変更等に関する手続が不要 ↓ 規制の実質的な撤廃 |
特例区域の指定による注意点 | 大規模小売店舗の出店についての説明会がなくなる。 |
・指定されると、個々の出店に対し市や地域住民が生活環境の保持※の面から意見を述べることはないが、建築基準法上の建築確認申請や都市計画法上の開発許可の申請などの手続のなかで充分に補完できる。 ・住民等は、指定の際に開催される県主催の住民説明会において、指定区域に対して意見を述べることができる。 (住民等とは、第一種特例区域内に居住する者、事業活動を行なう者、商工会議所、特例区域の案に意見を有する者をいう。) |
2 旧の大店法においては、地域の中小小売業者の保護を目的としたものであり、開店日・店舗面積・閉店時間・休業日数が調整の対象であっために、大型店の出店を阻む結果となった。
このため、現在の大規模小売店舗立地法では、地域の中小小売業者の保護の観点から意見を述べることができない。
甲府市 特例区域の指定を県へ要請 ↓ 山梨県 ・甲府市との協議 ・住民説明会の開催 ・特例区域案の作成 ・特例区域の案の決定及び公告、縦覧(2週間) ・住民等が意見を提出 ・特例区域の指定の公告
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